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第3章 不思議な国のシンデレラ
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タクトが心配しつつも、1人になると…
エラはボンヤリと、部屋の中を見回した。
この世界に来た時は、すべてが物珍しくて、すべてが輝いていて、
生まれて初めてのことばかりで、戸惑って、面食らうばかりだった。
前よりは慣れてきた、とはいっても、まだまだわからないことだらけだ。
「どうしよう…」
エラは戸惑っている。
服がない、荷物もない、お金もない、そして行くあてもない…
「やっぱりまた、ふりだしに戻ったなぁ」
さすがにこうなると…自分の選んだことは、間違っていたのか、
と不安になる。
それよりも、と部屋を振り返ると、自分に出来ることは…
せいぜい1つくらいしか思いつかない。
それとも、他に何か出来るのではないか?
そうすると、元気が出て来た。
とりあえず、とカーテンをシャッと開け放ち、窓を開けると…
いきなりにぎやかな音の渦に、包みこまれた。
なに?お祭り?と思い、窓の外を見ると、思いがけず自分は今、高い場所に
いる、ということに、ひどく驚く。
(うわぁ、これって…まるでお城の塔にいるみたい)
下界を見下ろそうとすると、地面がかなり遠いことに、たじろぐ。
落っこちそうで、怖くて…
あわてて首を引っ込めると、今度はとにかく落ち付こうと思う。
無意識のうちに、ベッドを整え、ホウキがないか、と探す。
普段の朝のルーティーンが、身体にしみついているらしく、
考えなくても自然に、身体が動く。
今までは朝が、まず1番に掃除だったので、とにかく余計なことは
頭から追い払って動こう…と思ったのだ。
以前いた、カスミの家(今はまったく、記憶がないのだが)
には、掃除機なる物があったのだが…
その電気で動く、魔法のホウキはどこにある?
エラはキョロキョロするも、どう見ても、それらしきものが
見当たらなかった。
エラはボンヤリと、部屋の中を見回した。
この世界に来た時は、すべてが物珍しくて、すべてが輝いていて、
生まれて初めてのことばかりで、戸惑って、面食らうばかりだった。
前よりは慣れてきた、とはいっても、まだまだわからないことだらけだ。
「どうしよう…」
エラは戸惑っている。
服がない、荷物もない、お金もない、そして行くあてもない…
「やっぱりまた、ふりだしに戻ったなぁ」
さすがにこうなると…自分の選んだことは、間違っていたのか、
と不安になる。
それよりも、と部屋を振り返ると、自分に出来ることは…
せいぜい1つくらいしか思いつかない。
それとも、他に何か出来るのではないか?
そうすると、元気が出て来た。
とりあえず、とカーテンをシャッと開け放ち、窓を開けると…
いきなりにぎやかな音の渦に、包みこまれた。
なに?お祭り?と思い、窓の外を見ると、思いがけず自分は今、高い場所に
いる、ということに、ひどく驚く。
(うわぁ、これって…まるでお城の塔にいるみたい)
下界を見下ろそうとすると、地面がかなり遠いことに、たじろぐ。
落っこちそうで、怖くて…
あわてて首を引っ込めると、今度はとにかく落ち付こうと思う。
無意識のうちに、ベッドを整え、ホウキがないか、と探す。
普段の朝のルーティーンが、身体にしみついているらしく、
考えなくても自然に、身体が動く。
今までは朝が、まず1番に掃除だったので、とにかく余計なことは
頭から追い払って動こう…と思ったのだ。
以前いた、カスミの家(今はまったく、記憶がないのだが)
には、掃除機なる物があったのだが…
その電気で動く、魔法のホウキはどこにある?
エラはキョロキョロするも、どう見ても、それらしきものが
見当たらなかった。
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