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第2章 君は誰?

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 初めはどこにいるのか、彼女にはちっともわからなかった。
見たこともないくらい、大きな部屋の
(これって、私の家がすっぽり入っちゃう、と彼女は思う)
立派なベッドに、横たわっていた。
その布団のフカフカなこと!
それは、今までに1度も寝たことのないくらい、身体が沈みそうなくらい、
柔らかな羽根布団で…
これまでにないくらい、温かで軽くて、フワフワしていた。
一瞬私は、あの世に行ってしまったのか…と思った。

 そうしてボーッとしていると、誰か男の人が、部屋の隅からゆっくりと
ベッドに近付いて来て、
「あっ、ようやく目が覚めたの?」と聞いた。
 その人は…どこかで見たことがあるような、気がしたけれど、
それがどこの誰だったのかまでは、わからなかった。
だけどその人が、いきなり抱きつきそうなくらいに近付いて、
「キミなんだね!ボクの待っていた人は!」
いきなり言うので、正直この人は、頭がおかしいのではないのか?と
疑った。


(だって、そうでしょ?
 今まで会ったこともないのに、なれなれしく言うから…)
 男性のテンションについていけず、若干引き気味で、ボンヤリとしていると…
その人は、女の子に向かって
「あっ、そのまま!…寝ていなさい」
ニッコリと微笑んで、そう言った。
もしかして…思ったよりも、悪い人ではないかもしれない…
彼女はそう思った。
 とにかくまるで、乗り物酔いしているみたいに、頭がひどく痛んで、とても
気持ち悪かった。
「お医者さんが、あと2~3日、安静にしていなさい…と言ったから」
優しく微笑んだ。

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