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物語の初めに…

 プロローグ

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 このお話は、アルファポリスで連載していた「ちょっと待ってよ、シンデレラ」
の続編です。
こちらは、従来のシンデレラストーリーを、かなり自分なりにアレンジしています。
前作を知らなくても、誰もが知っている、あの有名なシンデレラのお話を知っていたら、
楽しめるような内容にしています。
こんなシンデレラが、いてもいいじゃないか…と思っていただけると、幸いです。
 よろしければ、お付き合いくださいね!

 まずは、前作のおさらいです。

   これまでのお話(ちょっと待ってよ、シンデレラより)
 おとぎの国で、継母にこき使われて暮らしていたエラは、魔法使いのおばあさんの
お陰で、舞踏会に行くことになりました。
 その舞踏会は、三日間続きます。
エラはそこで、王子様に出会います。
連日連夜、駆け抜けるようにして、夢のような日々を過ごし…
そうして、三日目の夜、12時の鐘が鳴り終わるまでに、家に帰りつけなかったエラは、
帰り道の森の中で、不思議な体験をします。
突如現れた光に包まれて…気づいた時には、現代の日本にタイムスリップしています。
そこで待っていたのは、自分の住む世界とはまったく違う、見たこともない生活でした。
そして、親切な人たちと出会い、楽しく暮していましたが…
再び、あの魔法使いが現れます。
いよいよ元の世界に帰る、最後のチャンスがやって来た…と。
そして、エラは…


    プロローグ

 ボクの奥さんは、ちょっと変わっている。
どこが変わっているの、と聞かれると、ちょっと答えに困るけれど…
だけども、しいて言えば…どこか浮世離れしている、というか、
どこか抜けたところがある…
 たとえば電車の乗り方を、全然知らなかったり、
インターフォンに向かって、ずっと話しかけていたりする。
「何をしているの?」と聞くと
「この箱の中に、妖精が住んでいるの」と言う。
「これはね、小人でもなければ、妖精でもない。
 別の場所にいる、人の声が聞こえてくるんだよ」と言うと
「なに、それ?魔法?」
ひどく驚いた顔をするのだ。
 そんなことを知らないなんて…どんな田舎に住んでいるんだ?
そう思うけれども。
そんなことを言ったら、きっと田舎の人たちから、クレームが殺到するだろう。

 そんなことは序の口で、水道の蛇口を見ても、
電話を見ても、テレビを見ても、すべてが…
彼女には、魔法のかたまりに見えるらしい。

 彼女といると、ちっとも飽きない。
むしろ、毎日が楽しい。
奇跡の連続だ!
その顔が、あまりにも無邪気な子供のようで、知れば知るほどに、
この子はどんな暮らしをしていたのだろう、と不思議に思えてくる。
まさかこうして、一緒にいるなんて、今でも信じられないのだ。

 ちょっぴりおっちょこちょいで、天然で、寂しがり屋の頑張り屋さん。
今はボクの楽しみでもあるのだ。
今日は、どんなことをして、笑わせてくれるのだろう?
 そんな不思議な女の子の話を、したいと思う…
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