となりのソータロー

daisysacky

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第16章

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「あっ」
 思わず宗太郎が、声をもらす。
「これって、姉さんだ…」
飛びつくようにして、その写真を食い入るように見る。
「えっ」
あまりの激しさに、清子はたじろいで、後ろに下がる。
「ここに、やっぱりいたんだ…」
宗太郎は、その写真をそっと撫でる。
「持って行っても、いいよ」
神林君が、宗太郎に声をかける。
「えっ、いいの?」
声をつまらせるようにして、宗太郎が聞くと、神林君がうなづいて
「欲しいんだろ?」
にこやかに微笑む。
「ホントに?」
宗太郎が振り向くと、神林君と清子がこちらを向いている。

「ボクたち…やっぱり、会っていたんだね」
 キミの姉さんに…
おもむろに、ガラスのケースの方を振り向く。
「おじいさん…どうして、こんなことを?」
清子は、未だに信じられない。
悲しそうに、そうつぶやく。
「決まっているだろ!」
神林君は、強い口調でそう言う。
「あの女の子を…生き返らせたかったんだ」
 本気で、そんなことを考えていたのだろうか?
清子は黙り込む。
「出来るわけが、ないだろ!」
 いつになく激しい口調で、宗太郎が神林君に詰め寄る。
そんなことは、あり得ないはずだ…
それは、ここにいる全員が、わかっていた。
だが先生は
「信じていたんだろ?
 だからじいさんは、何とかしようとしていたんだ」
先生が、キッパリとそう言い切った。
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