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第15章
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「おい!まだ、話しているのか?いい加減にしろ!」
どうやらオジサンが、しびれを切らしたようだ。
「タイムリミットのようだな」
先生は、扉の方を見る。
「でも…ソータローに聞くって、どういうこと?」
まだ、肝心なことは、何も聞いてはいない、と清子は思う。
「うん、それなんだけどねぇ」
先生は壁に寄りかかって、スヤスヤ眠る宗太郎の方を見る。
「おじいさんだ」
「おじいさん?」
「そう」
いきなりおじいさんだ、と言われても、何のことだか、さっぱりわからない。
先生は、キョトンとする清子に向かい、
「実は、おじいさんが古屋敷に、何かを託したようなんだ」
「はっ?」
思っているのとは、まったく違うことを耳にして、
「うそでしょ」とつぶやく。
これはもう、先生がオジサンに聞き出すしかないのでは、と頭を悩ませる。
「あっ」
思わず清子が、声を上げる。
そういえば…宗太郎が何か、言っていなかったか?
(だけど、あの子を守ってくれって、どういうことなのか?)
それに、あの子って、だれ?
まさか、神林君か?
それとも、あのお姉さん?
(まさか、ほかにもいるの?)
どうも、ピンとこない。
だがそれは、神林君も同じようで、憮然とした顔つきで、
「どうして、ボクじゃなくて、ソータローだったんだろう?」
なぜか、少し寂しそうにつぶやく。
「リョウくん、そんなことはないよ。たまたまなんだよ」
あまりにも寂しそうに見えたので、清子は何とか慰めようと考える。
今にも、目を覚ましそうなその女の子を、清子はじぃっと見つめる。
相変わらず、まぶたをピクリとも動かさないので、よくはわからないけれど…
確かに、誰かに似ているような気がした。
どうやらオジサンが、しびれを切らしたようだ。
「タイムリミットのようだな」
先生は、扉の方を見る。
「でも…ソータローに聞くって、どういうこと?」
まだ、肝心なことは、何も聞いてはいない、と清子は思う。
「うん、それなんだけどねぇ」
先生は壁に寄りかかって、スヤスヤ眠る宗太郎の方を見る。
「おじいさんだ」
「おじいさん?」
「そう」
いきなりおじいさんだ、と言われても、何のことだか、さっぱりわからない。
先生は、キョトンとする清子に向かい、
「実は、おじいさんが古屋敷に、何かを託したようなんだ」
「はっ?」
思っているのとは、まったく違うことを耳にして、
「うそでしょ」とつぶやく。
これはもう、先生がオジサンに聞き出すしかないのでは、と頭を悩ませる。
「あっ」
思わず清子が、声を上げる。
そういえば…宗太郎が何か、言っていなかったか?
(だけど、あの子を守ってくれって、どういうことなのか?)
それに、あの子って、だれ?
まさか、神林君か?
それとも、あのお姉さん?
(まさか、ほかにもいるの?)
どうも、ピンとこない。
だがそれは、神林君も同じようで、憮然とした顔つきで、
「どうして、ボクじゃなくて、ソータローだったんだろう?」
なぜか、少し寂しそうにつぶやく。
「リョウくん、そんなことはないよ。たまたまなんだよ」
あまりにも寂しそうに見えたので、清子は何とか慰めようと考える。
今にも、目を覚ましそうなその女の子を、清子はじぃっと見つめる。
相変わらず、まぶたをピクリとも動かさないので、よくはわからないけれど…
確かに、誰かに似ているような気がした。
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