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第15章
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「あの女の子は…もしかして、依り代(よりしろ)ってこと?」
青ざめた顔のまま、神林君が先生に尋ねる。
「ん~まぁ~私にも、その辺はよく、わからないんだよね。
あの子を使って、何かをしようとしていたのは、たぶん事実だ」
ここは、神林君のおじいさんの実験場ということなのか?
そう思うと、急に清子の身体が、ゾワッと鳥肌が立つのを覚えた。
「まぁ、もともと…あの人は変人で、通っていたからねぇ」
先生は、サラリと言いにくいことを、口にする。
やっぱり先生も、そう思っているのだろうか?
「だから…この部落に住む親たちも、あの人のことは、警戒していた
ようだ。
きっと、何かをしでかすに違いないってね」
「えっ」
そうなの?
清子は言葉を失い、神林君の方を向く。
彼は特に何も発さず、黙って清子のことを見ている。
「まぁ、火のないところには、煙は立たない、というが…
キミのじいさんが、地元の子供たちを、家に招待するようになって…
悪い噂が、一気に広がったんだ」
(それが…あの事件のこと?)
清子はじぃっと、空を見る。
何だか、どうしても…清子の中では、結びついてはこない。
あの時、自分たちは、どうだったのだろう?
確かに、ここにはいつも、子供が集まっていたような気がする。
現に自分も…学校帰りに、ランドセルをしょって、宗太郎と
ここへ来たような気がする。
(えっ?それって、ソータローとだったのだろうか?)
清子自身の記憶も、宗太郎のように、曖昧な気がする。
それは、年月が経ったせいか、記憶が風化していったものなのか?
(まさか…ソータローのように、私も?)
記憶を操作された、ということなのだろうか?
何だか清子も…自信がなくなってきた。
「リョウくん、あなたも…あの時、いたのよね?」
おずおずと、確かめるように清子が聞いた。
青ざめた顔のまま、神林君が先生に尋ねる。
「ん~まぁ~私にも、その辺はよく、わからないんだよね。
あの子を使って、何かをしようとしていたのは、たぶん事実だ」
ここは、神林君のおじいさんの実験場ということなのか?
そう思うと、急に清子の身体が、ゾワッと鳥肌が立つのを覚えた。
「まぁ、もともと…あの人は変人で、通っていたからねぇ」
先生は、サラリと言いにくいことを、口にする。
やっぱり先生も、そう思っているのだろうか?
「だから…この部落に住む親たちも、あの人のことは、警戒していた
ようだ。
きっと、何かをしでかすに違いないってね」
「えっ」
そうなの?
清子は言葉を失い、神林君の方を向く。
彼は特に何も発さず、黙って清子のことを見ている。
「まぁ、火のないところには、煙は立たない、というが…
キミのじいさんが、地元の子供たちを、家に招待するようになって…
悪い噂が、一気に広がったんだ」
(それが…あの事件のこと?)
清子はじぃっと、空を見る。
何だか、どうしても…清子の中では、結びついてはこない。
あの時、自分たちは、どうだったのだろう?
確かに、ここにはいつも、子供が集まっていたような気がする。
現に自分も…学校帰りに、ランドセルをしょって、宗太郎と
ここへ来たような気がする。
(えっ?それって、ソータローとだったのだろうか?)
清子自身の記憶も、宗太郎のように、曖昧な気がする。
それは、年月が経ったせいか、記憶が風化していったものなのか?
(まさか…ソータローのように、私も?)
記憶を操作された、ということなのだろうか?
何だか清子も…自信がなくなってきた。
「リョウくん、あなたも…あの時、いたのよね?」
おずおずと、確かめるように清子が聞いた。
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