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第12章
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「まぁ、百聞は一見にしかず…だ」
オジサンは、扉に近づくと、取っ手に手を触れる。
だがガタガタと音を立てるだけで、開く気配がしない。
「やっぱり、そうなるよなぁ」
そうつぶやくと、おもむろにポケットに、手を突っ込む。
何となく…どうするのかが気になって、宗太郎はオジサンの手元を
じぃっと見ている。
カチャカチャと、針金を鍵穴に突っ込み、せわしく動かす。
(こんなので…開くの?)
思わずじぃっと、ガン見していると…
カチン!と音がして、ゆっくりと扉が開くと、目の前にブツブツと
防音の加工の施してある、比較的広い部屋が姿を現した。
「えぇ~なんだ、これ」
「これって、隠し部屋?」
宗太郎と清子は、想像とは違ったのか、驚きを隠せない。
だが、神林君はあくまでも冷静で、
「へぇ~防音の部屋なんだぁ」
キュッと眉をしかめた。
「じいちゃん…カラオケでもしてたとか?」
わざと明るく、宗太郎が言う。
「そんなこと、あるわけがないだろ?」
下手なウソを言うなよぉ~
神林君が、すぐに否定する。
「楽器の練習をするのに、いいかもなぁ」
確かに、大きな音を出しても、外にはもれないし…
宗太郎は、清子と顔を見合わせる。
「大声も出せるしね」
「まぁ~何かしら、理由があるのだろうけど」
あわてて神林君が、無難な答えを導き出す。
「まぁ~そうだろうなぁ」
だが、それが正解ではなさそうだ。
「じいちゃんが言ってたんだ」
ボソッと、神林君が声をもらす。
「子供たちが、遊べる場所を作りたいって」
オジサンは、扉に近づくと、取っ手に手を触れる。
だがガタガタと音を立てるだけで、開く気配がしない。
「やっぱり、そうなるよなぁ」
そうつぶやくと、おもむろにポケットに、手を突っ込む。
何となく…どうするのかが気になって、宗太郎はオジサンの手元を
じぃっと見ている。
カチャカチャと、針金を鍵穴に突っ込み、せわしく動かす。
(こんなので…開くの?)
思わずじぃっと、ガン見していると…
カチン!と音がして、ゆっくりと扉が開くと、目の前にブツブツと
防音の加工の施してある、比較的広い部屋が姿を現した。
「えぇ~なんだ、これ」
「これって、隠し部屋?」
宗太郎と清子は、想像とは違ったのか、驚きを隠せない。
だが、神林君はあくまでも冷静で、
「へぇ~防音の部屋なんだぁ」
キュッと眉をしかめた。
「じいちゃん…カラオケでもしてたとか?」
わざと明るく、宗太郎が言う。
「そんなこと、あるわけがないだろ?」
下手なウソを言うなよぉ~
神林君が、すぐに否定する。
「楽器の練習をするのに、いいかもなぁ」
確かに、大きな音を出しても、外にはもれないし…
宗太郎は、清子と顔を見合わせる。
「大声も出せるしね」
「まぁ~何かしら、理由があるのだろうけど」
あわてて神林君が、無難な答えを導き出す。
「まぁ~そうだろうなぁ」
だが、それが正解ではなさそうだ。
「じいちゃんが言ってたんだ」
ボソッと、神林君が声をもらす。
「子供たちが、遊べる場所を作りたいって」
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