となりのソータロー

daisysacky

文字の大きさ
上 下
259 / 425
第11章

   18

しおりを挟む
(やはり…昔、何かがあったんだ…)
 結局このことに、行き当たってしまう。
(じゃあ、どういうことなのだろう?)
宗太郎は、考えを巡らせながら…部屋の中をコツコツと音を立てて
歩き回っている。
おそらく、ここのキーパーソンは、あのおじいさんなのだ…
もしもまだ、元気でいてくれたのなら、うまく話を聞き出せたのかも
しれない…
そう思い至ると、ひどく残念に思えてくる。
だけどそれは、偶然なのだ。
(誰かが…意図的に、そうしなければな!)
宗太郎は一人、そう考えていた。

「巻き込んできたのは、そっちだろ!」
 だがリョウは、あくまでも強気の態度だ。
この人がいなければ、もしかしたらこんな風に、リョウは再び
この家に来なかっただろう…
宗太郎は、静かにそう思う。
(そもそもこの人は、本当に神林君のオジサンなのか?)
相変わらずリョウは、余計なことは、一切口には出さないけれど…
「オジサンの目的は、なに?」
ふいに、清子が声を上げる。
(あっ…)
それが一番大事だということを…見落としていた。
「おぉっと!」
清子の問いに、オジサンは大げさなくらいに、驚いてみせる。
「目的?目的って、どういうこと?」
しらばっくれようとするけれど…清子は全く、その手を緩めようとは
しない。
オジサンももちろん、そのことに気づいているのか、宗太郎と清子を
見比べると
「キミたちは…油断ならないねぇ」
ははは!
ややヒステリックな声で、無理やり笑っているように見えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

冬の水葬

束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。 凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。 高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。 美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた―― けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。 ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。

ボッチによるクラスの姫討伐作戦

イカタコ
ライト文芸
 本田拓人は、転校した学校へ登校した初日に謎のクラスメイト・五十鈴明日香に呼び出される。  「私がクラスの頂点に立つための協力をしてほしい」  明日香が敵視していた豊田姫乃は、クラス内カーストトップの女子で、誰も彼女に逆らうことができない状況となっていた。  転校してきたばかりの拓人にとって、そんな提案を呑めるわけもなく断ろうとするものの、明日香による主人公の知られたくない秘密を暴露すると脅され、仕方なく協力することとなる。  明日香と行動を共にすることになった拓人を見た姫乃は、自分側に取り込もうとするも拓人に断られ、敵視するようになる。  2人の間で板挟みになる拓人は、果たして平穏な学校生活を送ることができるのだろうか?  そして、明日香の目的は遂げられるのだろうか。  ボッチによるクラスの姫討伐作戦が始まる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

Black Day Black Days

かの翔吾
ライト文芸
 日々積み重ねられる日常。他の誰かから見れば何でもない日常。  何でもない日常の中にも小さな山や谷はある。  濱崎凛から始まる、何でもない一日を少しずつ切り取っただけの、六つの連作短編。  五人の高校生と一人の教師の細やかな苦悩を、青春と言う言葉だけでは片付けたくない。  ミステリー好きの作者が何気なく綴り始めたこの物語の行方は、未だ作者にも見えていません。    

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

oldies ~僕たちの時間[とき]

ライト文芸
「オマエ、すっげえつまんなそーにピアノ弾くのな」  …それをヤツに言われた時から。  僕の中で、何かが変わっていったのかもしれない――。    竹内俊彦、中学生。 “ヤツら”と出逢い、本当の“音楽”というものを知る。   [当作品は、少し懐かしい時代(1980~90年代頃?)を背景とした青春モノとなっております。現代にはそぐわない表現などもあると思われますので、苦手な方はご注意ください。]

処理中です...