となりのソータロー

daisysacky

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第9章

   12

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 だが、清子は浮かない顔をしている。
「大丈夫なのかしら?」
まだ何か、心配しているようだ。
ただの幼なじみ…という割りには、ずいぶん深刻な顔をしている。
どうしてそんなに、心配するんだ?
宗太郎は、そんな清子のことを、奇異に感じている。
「だって、私たち…ある時期に、同じ経験をしたから…」
やはり、何かあったのだろうか?
清子はかなり、真剣な顔をする。
「空白な時間って…ずいぶん大げさだなぁ~
 何かあったのか?」
さっきから、誘拐犯とか言ったり、ずいぶん物騒なことを言っている。
 だが、清子の口は重く、
「今はまだ、話せない…」
中々、口を割ろうとはしない。
そう言うと、清子は再び、ピタリと口を閉ざした。
(いつだったら、話せるんだ?)
何だか自分の存在が、蚊帳の外に追いやられているようで、宗太郎と
しては、あまり面白くはない。
「ごめん…」
そう言うと、ザザッと木の茂みを避けるようにして、廃屋へと向かう。
まさか二日続けて、ここに来るとは思わなかった。
清子は軽く手を振った。

「ソータロー、おまえ…抜け駆けは許さないぞ」
 いきなりザザッと音がして、そこには学校で別れたはずの男が、
突然、宗太郎に向かって、声を放ってきた。
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