となりのソータロー

daisysacky

文字の大きさ
190 / 425
第8章

   42

しおりを挟む
「ソータロー」
 清子が話しかける。
「なに?」
何を言うつもりなのか?
宗太郎の顔が、ピリリこわばる。
清子は少し考えると
「いいよ、こうなったら、行こう」
なぜだか、あきらめたようにそう言う。

 一体、何が言いたかったのだ?
宗太郎は気になる。
だがおそらくは、清子は話してはくれないだろう。
「神林君、それでいいよね?」
確かめるように聞く。
「そうだなぁ~それしか、方法がないのかなぁ」
あきらめたように、そう言った。

(なんなんだ、この空気は!)
 宗太郎一人が、この空気になじめずにいる。
まるで共犯者のように、清子と神林くんは、顔を見合わせる。
「いいわ、じゃあ…ソータローにまかせるわ」
そう言うと、清子は後ろに引き下がった。

(なんで、ボクに?)
 そんなことを言われてしまうと、かえってやりにくいではないか…
宗太郎はそう思う。
基本的に、神林君は清子の言いなりだ。
(そう見える)
まったく、反論すらしない。
(一体、どうなっているんだ?)
あまりいい気持ちには、ならないけれど。
「ソータロー、迷うのはいいけど、早く決めてよ。
 もう、あんまり時間がないから」
やや焦った口調で、清子はそう言う。
(そうだった…)
あわてて、宗太郎は考える。
「一か八か、やってみるか」
まるでギャンブルだな、と宗太郎は思った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした

ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。 しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義! そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。 「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」

2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~

青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」 その言葉を言われたのが社会人2年目の春。 あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。 だが、今はー 「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」 「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」 冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。 貴方の視界に、俺は映らないー。 2人の記念日もずっと1人で祝っている。 あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。 そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。 あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。 ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー ※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。 表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。

今日くらい泣けばいい。

亜衣藍
BL
ファッション部からBL編集部に転属された尾上は、因縁の男の担当編集になってしまう!お仕事がテーマのBLです☆('ω')☆

刺されて始まる恋もある

神山おが屑
BL
ストーカーに困るイケメン大学生城田雪人に恋人のフリを頼まれた大学生黒川月兎、そんな雪人とデートの振りして食事に行っていたらストーカーに刺されて病院送り罪悪感からか毎日お見舞いに来る雪人、罪悪感からか毎日大学でも心配してくる雪人、罪悪感からかやたら世話をしてくる雪人、まるで本当の恋人のような距離感に戸惑う月兎そんなふたりの刺されて始まる恋の話。

婚約破棄から始まる物語【完】

mako
恋愛
メープル王国王太子であるアレクセイの婚約者である公爵令嬢のステファニーは生まれた時から王太子妃になるべく育てられた淑女の中の淑女。 公爵家の一人娘であるステファニーが生まれた後は子どもができぬまま母親は亡くなってしまう。バーナディン公爵はすぐさま再婚をし新たな母親はルシャードという息子を連れて公爵家に入った。 このルシャードは非常に優秀であり文武両道で背の高い美男子でもあったが妹になったステファニーと関わる事はなかった。 バーナディン公爵家は、今ではメープル王国のエリート一家である。 そんな中王太子より、ステファニーへの婚約破棄が言い渡される事になった。

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い

森本イチカ
恋愛
妹じゃなくて、女として見て欲しい。 14歳年下の凛子は幼馴染の優にずっと片想いしていた。 やっと社会人になり、社長である優と少しでも近づけたと思っていた矢先、優がお見合いをしている事を知る凛子。 女としてみて欲しくて迫るが拒まれてーー ★短編ですが長編に変更可能です。

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

処理中です...