となりのソータロー

daisysacky

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第6章

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「ダメだなぁ~
 女の子には、優しくしないと」
 大げさに、口に手をあてて言う仕草に、宗太郎の感情が逆なでされる。
(やっぱり、女の気持ちはわからん!)
イライラした顔で、未だに清子の考えを計りかねていた。
 何で…この転校生のために、自分たちはケンカをしないといけないのだ?
神林君は、自分のことで揉めているというのに…
まるで、自分は無関係だ、と言わんばかりに、じぃっと二人の様子を
見守っている。


「で…何が知りたい?
 一つだけ、質問に答えるよ」
 にこやかにそう言うと、挑むように、宗太郎と清子を見比べる。
「あっ…」
いざ、そう言われてみると、何から聴いたらいいのか、わからなくなっている。
 親のこと?
 何で、ここにいるのか?
 それとも…
「あっ、はい!」
清子がいきなり、パッと手を上げる。
(教室じゃあ、ないんだって…)
「あっ、なんだ?」
ニヤッとして、神林くんが聞く。
「聞きたいことは、一杯あるけど…
 ま、いずれ、わかるんでしょ?」
宗太郎の方を、チラリと振り向く。
「えっ?あぁ、まぁ、そうだな…」
 一体、何を言うつもりなんだ?
この時初めて、神林くんは、真剣なまなざしを向けた。
清子ははぁ~と、大きく深呼吸をすると、
「ねぇ~あの地下に…何が、あるの?」
とても落ち着いた口調で、そう聞いた。

 一瞬、シンと静まり返った。
(あっ、マズイ…)
宗太郎は、一瞬ヒヤリとして、神林くんに視線を向ける。
「おっ」
鋭いところを突くなぁ~と、ハッとした顏をするけれど、すぐにまた
ニヤニヤ笑いに変わる。
「知りたい?」
逆に、開き直った顔で、聞き返す。
「あっ、あぁ…」
宗太郎は完全に、神林くんの放つ空気にのまれていた。
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