115 / 425
第6章
28
しおりを挟む
「へっ?」
清子もかなり驚いて、素っ頓狂な声を上げる。
「なになに~
まるで、ユウレイを見たみたいに…」
はっはっはっと、彼は笑う。
(おかしい…ボクたちが、ここに入るのを、見ていたのか?)
確か…帰るところを、見ていたはずなのに?
宗太郎は、不審に思う。
だが、どうも清子は、そのことには気付いていないようだ。
「な、なに?」
本当に幽霊を見た後のように…
顔が蒼白になり、わずかに震えている。
「清子、大丈夫か?」
さすがに、これはマズイ…と思い、あわてて清子の肩に触れる。
するとビクン…と身体をこわばらせたので、あわてて手を離した。
「大丈夫だよ、神林君だよ」
ほらっ、と上を見上げると、もう彼の姿は見えなくなっていた。
「あれ?」
なんなんだ?
へんなヤツだなぁ~と思って、清子の方を向くと
「あの人って、何者?」
今まで見たことのないくらい、険しい顔付きをしている。
「何者って…神林君だよ」
さっきも、会ったじゃないかぁ~と、宗太郎は笑おうとする。
だが
「それは、わかってる」
清子は頭を振ると
「あの子、なんで、ここにいるの?」
さらに聞いて来る。
「さぁ?」
そう言われたら、考えたことがなかった。
彼のことを探していたら、ここにいた、というだけだ。
「ここに、住んでいるんじゃあないの?」
サラリとそう言う。
「ここに?」
清子は、物置の方を振り返る。
「本当に?」
探るような目付きで、清子は宗太郎を見つめた。
清子もかなり驚いて、素っ頓狂な声を上げる。
「なになに~
まるで、ユウレイを見たみたいに…」
はっはっはっと、彼は笑う。
(おかしい…ボクたちが、ここに入るのを、見ていたのか?)
確か…帰るところを、見ていたはずなのに?
宗太郎は、不審に思う。
だが、どうも清子は、そのことには気付いていないようだ。
「な、なに?」
本当に幽霊を見た後のように…
顔が蒼白になり、わずかに震えている。
「清子、大丈夫か?」
さすがに、これはマズイ…と思い、あわてて清子の肩に触れる。
するとビクン…と身体をこわばらせたので、あわてて手を離した。
「大丈夫だよ、神林君だよ」
ほらっ、と上を見上げると、もう彼の姿は見えなくなっていた。
「あれ?」
なんなんだ?
へんなヤツだなぁ~と思って、清子の方を向くと
「あの人って、何者?」
今まで見たことのないくらい、険しい顔付きをしている。
「何者って…神林君だよ」
さっきも、会ったじゃないかぁ~と、宗太郎は笑おうとする。
だが
「それは、わかってる」
清子は頭を振ると
「あの子、なんで、ここにいるの?」
さらに聞いて来る。
「さぁ?」
そう言われたら、考えたことがなかった。
彼のことを探していたら、ここにいた、というだけだ。
「ここに、住んでいるんじゃあないの?」
サラリとそう言う。
「ここに?」
清子は、物置の方を振り返る。
「本当に?」
探るような目付きで、清子は宗太郎を見つめた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
従妹と親密な婚約者に、私は厳しく対処します。
みみぢあん
恋愛
ミレイユの婚約者、オルドリッジ子爵家の長男クレマンは、子供の頃から仲の良い妹のような従妹パトリシアを優先する。 婚約者のミレイユよりもクレマンが従妹を優先するため、学園内でクレマンと従妹の浮気疑惑がうわさになる。
――だが、クレマンが従妹を優先するのは、人には言えない複雑な事情があるからだ。
それを知ったミレイユは婚約破棄するべきか?、婚約を継続するべきか?、悩み続けてミレイユが出した結論は……
※ざまぁ系のお話ではありません。ご注意を😓 まぎらわしくてすみません。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
思い出を売った女
志波 連
ライト文芸
結婚して三年、あれほど愛していると言っていた夫の浮気を知った裕子。
それでもいつかは戻って来ることを信じて耐えることを決意するも、浮気相手からの執拗な嫌がらせに心が折れてしまい、離婚届を置いて姿を消した。
浮気を後悔した孝志は裕子を探すが、痕跡さえ見つけられない。
浮気相手が妊娠し、子供のために再婚したが上手くいくはずもなかった。
全てに疲弊した孝志は故郷に戻る。
ある日、子供を連れて出掛けた海辺の公園でかつての妻に再会する。
あの頃のように明るい笑顔を浮かべる裕子に、孝志は二度目の一目惚れをした。
R15は保険です
他サイトでも公開しています
表紙は写真ACより引用しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる