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チワワ②
しおりを挟む「あはは、チワワジョークか何か?」
こんなちっちゃいチワワが学園の理事長なんて出来るわけないしね。
可愛いジョークだ。
「お主肝が座っておるな...。」
そういうチワワの顎を掻いてやると気持ち良さそうに目を細めた。
これはいけるかもしれない!
「どう?僕の使い魔にならない?」
使い魔には4パターンの契約方法があるらしい。
1、自身で使い魔を呼び出し契約をする方法
2、主人を失い野良になった使い魔を引き継ぐ方法
3、代々家系で受け継いでいく永遠の使い魔との契約
大半の使い魔は自身で召喚する事が多い。
自分で呼び出した方が契約が簡単だからだ。
まぁ、簡単と言っても4パターンの中での話だ。
使い魔を引き継ぐ方法では、前任の契約者より更に高い魔力が必要とされる。
前任の契約者の魔力量を上回れず、失敗すると他の使い魔との契約も二度と出来なくなると聞いた。
皆はそのようなリスクをわざわざ負わないのだ。
家系で受け継いでいく特殊の使い魔もいるらしいが詳しくは知らない。
そして4つ目の方法。
今僕が試している事だ。
そう、スカウトだ!
何かしらで野良になった使い魔を双方の合意を得て契約をする。
これが1番レアケース。
使い魔は基本的に人に縛られるのを好まない。
契約者が亡くなれば、滅多に人前には出てこないのだ。元いた世界とやらに帰るらしい。
この為、スカウトで契約した使い魔は滅多にいない。
僕はドキドキしながら答えを待つ。
「儂は契約なぞせん。」
速攻振られた。
やっぱり魔力も持たない僕は駄目なのだろうか。
こんな可愛いチワワと契約するのが今の僕の一番の夢だったのに。
だが、このチワワはとんでもない事を口にしたのだ。
「お前は既に使い魔を持っているだろう?」
「へ?」
「それに相当お主に執着している様に見える。物凄いマーキングじゃ。
恐らく他の使い魔と契約なんぞしたら、そいつが殺されてしまうぞ。」
びっくり仰天。
僕は既に使い魔と契約済みらしい。
しかもその使い魔に執着されて、他の使い魔とは契約出来ないらしい。
呆気もなく僕の夢が一つ失われた。
契約者が死ぬまで使い魔を変えるという事は出来ない。
また、使い魔はこの世界で死ぬ事はない。
つまり僕が死ぬまで使い魔を変えるという事は不可能。
どうしよう。
しかし、希望はまだある。
どうか願わくばもふもふした可愛い使い魔でありますように。
もふもふ
喋るチワワが僕の頭上にバランスよく座ったのだ。そのおかげで僕は妄想の世界から現実に戻る事が出来た。
「取り敢えず私の部屋まで案内するから歩きなさい。」
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