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第三章 sugar sugar honey

LOVE YOU

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 家に着くなりきつく抱き合った。
 会った瞬間からこうしたかった。深く息を吸って周防の匂いを味わう。全身が鋭敏になって血が廻るのが分かる。

 噛みつくようなキス。
 縋るように回される腕。
 蜜を欲しがってまさぐる指が服の下に潜り込んでくる。

「ごめん、あんま余裕ないかも」

「ぼくも」

 荒い息でキスをしあう。
 覚えたばかりの大人のキスは気持ちがよくてフワフワと足元がおぼつかなくなる。しがみつくとさらに強く抱き寄せられた。
 蜜の口の中を我が物顔に蹂躙する舌に脳髄までかき乱されそうだ。

「せんせ、い」

 合間になんとか呼ぶと、向けられた視線は興奮の色を纏って当てられそうになる。

「せめてシャワーだけでも」

「ダメ」

 蜜の胸に顔を押し当てて、すううっと大きく息を吸う。

「蜜の匂いを嗅いでいたい」

「でも、さすがに恥ずかしいから、ねえ……お願い」

 スリスリと頬を寄せながら懇願すると、周防はふっと息を吐いて頷いた。

「わかった。でも一緒に入ろう」

 素早い動きでポイポイと服を脱がせると、手を繋いで引っ張るようにバスルームへと向かった。シャワーのお湯の中で再び抱き合う。

「まじでヤバイな。蜜の事が欲しくておかしくなる」

 言葉の通り周防のそれはすでにきついくらいに膨らみ上を向いていた。浮き出る血管が凶暴さを表す。
 そういう蜜も人のことは言えない。キスだけで爆ぜてしまいそうなほどだ。
 周防は頬にキスを送ると、優しくなだめるように微笑んだ。

「でも絶対怖がることはしないから。約束する」

 急くように体を洗い泡を落とすと、タオルで拭く間も惜しむように蜜を抱き上げた。ふわりと体が宙に浮く。

「わっ」

 びっくりしてまだ濡れたままの周防の肌にしがみついた。近くにある周防の心臓がドクドクと強く心音をかき鳴らしていた。
 
「聞こえる? さっきからこうなんだ。お前に会うといつも心臓がおかしいくらい脈打つ」

 手を当てるとバクバクと力強く打ち付けている。それは蜜を欲して求めている音だ。
 
「蜜にときめきすぎてておかしいだろ」

 好きで恋しくて会えた喜びが全身を駆け巡る。
 周防はベッドに蜜を下ろすとじっと見下ろした。何も隠すものがない素の姿を目に焼き付けるかのように見つめている。

「そんなに見られたら恥ずかしいです」

「でもこれからもっと恥ずかしいことをするよ。全部見せて」

 周防の太い腕に囲まれた。
 欲望に満ちた瞳が全身を探るように這う。顔が近づいてきてキスを交わすとそれが合図のように蜜はすべてを開放した。

 周防から与えられる刺激は蜜を幸せへと導く。
 大切にしてくれていることが分かる愛撫を受け入れると気持ちよさに喘いだ。自分の口からこんなに甘い吐息がこぼれるなんてずっと知らなかった。周防しか知らない蜜の姿。

 すでに上を向いている互いのものをくっつけると体液でぬるっと滑った。

「ん、」

 腰が動いてこすれ合う。
 クチュクチュと湿った音を立ててすり合わせると先端のくびれが引っかかりさらに快感をよんだ。

「蜜、好き」

 キスをしながら周防が囁いた。
 興奮して掠れた声が耳に吹き込まれると全身が粟立つ。

「先生」

 背中に腕を回してひきつけるとぐっと力が入って筋肉が浮き出る。鍛えられた鋼のような肉体を愛でるように撫でた。

「やっぱりかっこいいな、ぼくも鍛えようかな」

「蜜がムキムキって想像できないけど、いいよ今度一緒に筋トレする?」

「したい。先生みたくなれるかな」

「それは無理だろ」

 クスクスと笑いながら鼻先をくっつけた。

「蜜がマッチョになったらどうしよっかな」

「笑わないでください。もしかしたらなれるかもしれないし」

 言いながらそれはないなとわかっている。そもそも細身で筋肉のつきようがない。でも脱いだ時にちょっとでもかっこよくなれたらな。

「いいの、蜜はこの体でいいの。俺の好きな蜜」

 全身にキスの雨を降らせながら時々啄むように痕をつける。チクリとした痛みが周防のものである印みたいだ。
 わき腹の弱いところを舐められて吸われるとビクリと跳ねた。

「や、くすぐったい」

「そう? じゃあここは?」

 徐々に際どいところを攻めてくる。
 小さな胸を揉むように先端をこすられると、くすぐったいようなもどかしいような、何とも言えない感覚が次第に固くなっていく。

「ん、んんっ」

 こんな小さな粒が信じられないくらいの快楽を呼び起こし、ジリジリと迫る切なさを持て余す。らせんを描くように快楽のコードが全身に張り巡らされ、そうなるとどこを触られても敏感に反応し始める。

「せんせい、変になりそう」

「なって。もっとおかしくしたい」

 口に含まれて舌先で転がされると可憐な尖りは甘い果実となって蜜をとろかせていく。美味しいお菓子を食べるように夢中になって吸いつく周防の頭を抱きかかえるとぐしゃぐしゃに髪をかき乱した。
 何かにすがっていないと今にも泣きだしてしまいそうだ。

「甘いものは大好きだけど、蜜の身体以上に美味しいものなんかないみたいだな」

「美味しい?」

「美味しいよ。蜜の唾液も肌も全部。どこもかしこも美味しくて食べてしまいたい」

 肉食獣の目を向けられて蜜はゴクリと唾をのんだ。
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