22 / 36
2
22
しおりを挟む
真っ暗な部屋は遊里の不在を嫌と言うほど伝えてくる。
ほんの束の間触れ合えたのが幻だったよう。だけど体に残る余韻は遊里が与えたものでベッドに倒れ込むと下着の中に手を入れた。
じっとりと濡れたそこに手を這わせると電話が震えた。遊里からだった。
なんてタイミングだ。
「彰仁さん?」
「うん」
答える声が湿っている。我慢できなくてそのまま高ぶりを触り続けた。
「家に帰れた? 今一人?」
「そう……ちゃんとタクシーで帰ったよ」
荒い呼吸がばれないようにするけれど高揚する顔は隠せない。
遊里の目が細められて三日月に笑った。
「触ってるの?」
「何を」
「ペニス」
遊里も一人でいるのか周りを図らない言葉を口にした。だから正直に答える。濡れる先端を指の腹でこするとさらにじゅわっとあふれ出してきた。
「ん、触ってる」
「見せて」
「……遊里も見せてくれたらいいよ」
無意識に唇を舐めていたらしい。
「やらしい顔」
口の端を歪めて遊里が笑った。
「俺が電話しなかったらひとりでするつもりだった?」
「ん……お前に会ったら我慢できなくて」
「それは俺も。休憩って言ってよかったな」
全身が映るようにしてから遊里は下着を脱いだ。すでに腹につきそうなくらい昂った性器が画面に映る。
「ビンビンじゃん」
「そりゃそうだよ、興奮するに決まってる」
遊里は数度擦り上げてみせてから彰仁も誘った。
「ほらちゃんと見せて」
「やだ……イキそう」
「早いな。ダメ我慢して」
「あ、遊里、」
「こら」
ビクビクしながら開けた小さな口から白濁が迸った。我慢できない声が漏れて遊里の名前を呼んだ。ぎゅっと目をつむり熱い吐息を吐く。
放出のあとに目を開くと画面の向こうでは遊里が彰仁をじっと見ていた。目が合うとニヤリと笑みを浮かべる。
「気持ちよかった?」
「うん……遊里のおっきくなってる」
「彰仁さんのイキ顔可愛かったからね。興奮した。でも次は全部見せて」
言われる通り画面の位置を変えて全身が映るようにした。お互いベッドの上で向かい合って自身を愛撫する。
「あー触りたいな。彰仁さんのイッたばかりの敏感なペニスをしごいてやりたい」
「俺も遊里の……咥えたい」
熱くなった体に触ってどこもかしこも愛したい。
唇で触れて味わってめちゃくちゃに乱れたい。呼吸を分け合いながらキスをしたい。
「彰仁さん、後ろも触って見せて」
言われるままに足を開いて奥の蕾を晒す。
普段なら絶対にやらないのに今日はどこか箍が外れたようにおかしい。ローションを取り出すと手に取って塗りたくった。
「指、入れて」
遊里がするのを思い描きながら中指を沈ませた。ヌルリと容易く含んで締め付ける。
「ゆっくりでいいから動かして。少し緩んできたら薬指も……、そう、気持ちいいね」
「あ、遊里、」
「今彰仁さんに触ってるのは俺だからね。俺の指を飲み込んでる。動かしていい? 中の、ちょっと指を曲げてコリっとした場所を見つけて」
「ん、あ、ああっ」
「あった? じゃあとんとんって叩くように刺激して。焦らなくていいよ。ゆっくりじわっとね」
目を閉じると遊里に触られている錯覚に陥った。
足を開きねっとりと中をかき混ぜる。もっと欲しくなって人差し指を入れるとぱっくりと開いた後孔は湿った音を立て始めた。
「すごい丸見えだね彰仁さん。可愛い。舐めていい? 舌入れちゃおうかな」
「や、あ、ああっ」
「気持ちよさそう。ねえ俺が触ってるのわかる?」
「ん、遊里、気持ちいい」
「気持ちいいねえ。大好き彰仁さん」
出し入れをしていたらもっと欲しくなって画面の向こうにいる遊里を見つめた。捕食者の目をした遊里がじっと彰仁を見つめていた。
足の間にあるものは凶暴に高まり血管を浮かせている。
あれが彰仁の中に埋まり奥までかき混ぜるんだと思うとたまらくなって腰が動いた。
「入れて、遊里の、奥まで入れてかき混ぜて」
「うん、彰仁さん」
遊里が動いて画面の横に手をついた。
アップになりまるで本物のセックスのように腰を動かした。
「あ、中すごい」
「……、あ、遊里」
「いっぱい動くからね」
はあはあと息を荒くしながら遊里は腰を動かした。それに合わせて彰仁も揺れる。ズボズボと中をかき回す欲望でいっぱいになりながら強く抱きしめて欲しかった。
画面越しでも遊里は綺麗だった。
髪を乱し汗をかきながら一心で彰仁を愛してくれる姿に胸が高鳴る。
今まで彰仁はこんなセックスをしたことがあっただろうか。
イキたいとか早くしなきゃとか段取りばかりで、相手との共同作業だなんて考えたこともなかった。
セックスは二人で作り上げるもの。
それは離れていてもきっと変わらないんだ。
「彰仁さん、好きだよ。気持ちいい」
「ん、うんっ、遊里」
キスが欲しくて舌を差し出すと遊里も口を開けた。
赤い舌がチロチロと動く。遊里とのキスはいつもタバコの味がして苦い。
空を切る舌が寂しくて「会いたい」と呟いた。
「遊里に会いたい」
「俺も会いたいよ。もう少しで終わると思うから待ってて」
その間も遊里は腰を動かしていた。
片手で高ぶりをしごきながら湿った音を伝えてくる。彰仁より太くてカリの部分が大きくて、気持ちいい場所をひっかいてくれる形を思い出すと一気に高まった。
「見せて、遊里の」
「いいよ」
画面いっぱいに遊里の性器が映る。
筋ばった大きな手にしごかれながら先端は艶めかしく光っている。とろりと雫がこぼれてすぐに掬われた。
指の先に乗った甘露を「舐めて」と見せびらかしてくる。
彰仁は自身の先走りを口に含むとそれを遊里に見せた。ほのかに塩辛い。
「やらしいな。彰仁さん美味しい?」
「ん~そうでもなかった」
「ははっ」
遊里も指に乗せた汁を口に含むと難しい顔をした。
「やっぱ彰仁さんのやつの方がいいな」
ほんの束の間触れ合えたのが幻だったよう。だけど体に残る余韻は遊里が与えたものでベッドに倒れ込むと下着の中に手を入れた。
じっとりと濡れたそこに手を這わせると電話が震えた。遊里からだった。
なんてタイミングだ。
「彰仁さん?」
「うん」
答える声が湿っている。我慢できなくてそのまま高ぶりを触り続けた。
「家に帰れた? 今一人?」
「そう……ちゃんとタクシーで帰ったよ」
荒い呼吸がばれないようにするけれど高揚する顔は隠せない。
遊里の目が細められて三日月に笑った。
「触ってるの?」
「何を」
「ペニス」
遊里も一人でいるのか周りを図らない言葉を口にした。だから正直に答える。濡れる先端を指の腹でこするとさらにじゅわっとあふれ出してきた。
「ん、触ってる」
「見せて」
「……遊里も見せてくれたらいいよ」
無意識に唇を舐めていたらしい。
「やらしい顔」
口の端を歪めて遊里が笑った。
「俺が電話しなかったらひとりでするつもりだった?」
「ん……お前に会ったら我慢できなくて」
「それは俺も。休憩って言ってよかったな」
全身が映るようにしてから遊里は下着を脱いだ。すでに腹につきそうなくらい昂った性器が画面に映る。
「ビンビンじゃん」
「そりゃそうだよ、興奮するに決まってる」
遊里は数度擦り上げてみせてから彰仁も誘った。
「ほらちゃんと見せて」
「やだ……イキそう」
「早いな。ダメ我慢して」
「あ、遊里、」
「こら」
ビクビクしながら開けた小さな口から白濁が迸った。我慢できない声が漏れて遊里の名前を呼んだ。ぎゅっと目をつむり熱い吐息を吐く。
放出のあとに目を開くと画面の向こうでは遊里が彰仁をじっと見ていた。目が合うとニヤリと笑みを浮かべる。
「気持ちよかった?」
「うん……遊里のおっきくなってる」
「彰仁さんのイキ顔可愛かったからね。興奮した。でも次は全部見せて」
言われる通り画面の位置を変えて全身が映るようにした。お互いベッドの上で向かい合って自身を愛撫する。
「あー触りたいな。彰仁さんのイッたばかりの敏感なペニスをしごいてやりたい」
「俺も遊里の……咥えたい」
熱くなった体に触ってどこもかしこも愛したい。
唇で触れて味わってめちゃくちゃに乱れたい。呼吸を分け合いながらキスをしたい。
「彰仁さん、後ろも触って見せて」
言われるままに足を開いて奥の蕾を晒す。
普段なら絶対にやらないのに今日はどこか箍が外れたようにおかしい。ローションを取り出すと手に取って塗りたくった。
「指、入れて」
遊里がするのを思い描きながら中指を沈ませた。ヌルリと容易く含んで締め付ける。
「ゆっくりでいいから動かして。少し緩んできたら薬指も……、そう、気持ちいいね」
「あ、遊里、」
「今彰仁さんに触ってるのは俺だからね。俺の指を飲み込んでる。動かしていい? 中の、ちょっと指を曲げてコリっとした場所を見つけて」
「ん、あ、ああっ」
「あった? じゃあとんとんって叩くように刺激して。焦らなくていいよ。ゆっくりじわっとね」
目を閉じると遊里に触られている錯覚に陥った。
足を開きねっとりと中をかき混ぜる。もっと欲しくなって人差し指を入れるとぱっくりと開いた後孔は湿った音を立て始めた。
「すごい丸見えだね彰仁さん。可愛い。舐めていい? 舌入れちゃおうかな」
「や、あ、ああっ」
「気持ちよさそう。ねえ俺が触ってるのわかる?」
「ん、遊里、気持ちいい」
「気持ちいいねえ。大好き彰仁さん」
出し入れをしていたらもっと欲しくなって画面の向こうにいる遊里を見つめた。捕食者の目をした遊里がじっと彰仁を見つめていた。
足の間にあるものは凶暴に高まり血管を浮かせている。
あれが彰仁の中に埋まり奥までかき混ぜるんだと思うとたまらくなって腰が動いた。
「入れて、遊里の、奥まで入れてかき混ぜて」
「うん、彰仁さん」
遊里が動いて画面の横に手をついた。
アップになりまるで本物のセックスのように腰を動かした。
「あ、中すごい」
「……、あ、遊里」
「いっぱい動くからね」
はあはあと息を荒くしながら遊里は腰を動かした。それに合わせて彰仁も揺れる。ズボズボと中をかき回す欲望でいっぱいになりながら強く抱きしめて欲しかった。
画面越しでも遊里は綺麗だった。
髪を乱し汗をかきながら一心で彰仁を愛してくれる姿に胸が高鳴る。
今まで彰仁はこんなセックスをしたことがあっただろうか。
イキたいとか早くしなきゃとか段取りばかりで、相手との共同作業だなんて考えたこともなかった。
セックスは二人で作り上げるもの。
それは離れていてもきっと変わらないんだ。
「彰仁さん、好きだよ。気持ちいい」
「ん、うんっ、遊里」
キスが欲しくて舌を差し出すと遊里も口を開けた。
赤い舌がチロチロと動く。遊里とのキスはいつもタバコの味がして苦い。
空を切る舌が寂しくて「会いたい」と呟いた。
「遊里に会いたい」
「俺も会いたいよ。もう少しで終わると思うから待ってて」
その間も遊里は腰を動かしていた。
片手で高ぶりをしごきながら湿った音を伝えてくる。彰仁より太くてカリの部分が大きくて、気持ちいい場所をひっかいてくれる形を思い出すと一気に高まった。
「見せて、遊里の」
「いいよ」
画面いっぱいに遊里の性器が映る。
筋ばった大きな手にしごかれながら先端は艶めかしく光っている。とろりと雫がこぼれてすぐに掬われた。
指の先に乗った甘露を「舐めて」と見せびらかしてくる。
彰仁は自身の先走りを口に含むとそれを遊里に見せた。ほのかに塩辛い。
「やらしいな。彰仁さん美味しい?」
「ん~そうでもなかった」
「ははっ」
遊里も指に乗せた汁を口に含むと難しい顔をした。
「やっぱ彰仁さんのやつの方がいいな」
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
絶対にお嫁さんにするから覚悟してろよ!!!
toki
BL
「ていうかちゃんと寝てなさい」
「すいません……」
ゆるふわ距離感バグ幼馴染の読み切りBLです♪
一応、有馬くんが攻めのつもりで書きましたが、お好きなように解釈していただいて大丈夫です。
作中の表現ではわかりづらいですが、有馬くんはけっこう見目が良いです。でもガチで桜田くんしか眼中にないので自分が目立っている自覚はまったくありません。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!(https://www.pixiv.net/artworks/110931919)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる