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第十二章
12-18 シェルフールへ
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翌朝、皆でシェルフールに向かう。
ここからは後1,2時間。
「おっちゃんって店やってるんだってな。」
「あぁ、やってるぞ。」
「何売ってるんだ?」
「石鹸とかしゃんぷりんとかかな。あ、あと“くれいぷ”って食物もやってるぞ。」
「なんだ、その“くれいぷ”って?」
「甘いお菓子だ。」
「おいちゃん、あたし食べたい!」
「おう!んじゃ、みんなに挨拶したら食いに行くか!」
「はーい((((はーい))))」
街に入る前、とある地点で馬車を停める。
「ジーナさん、サーヤさんこの辺りでよかったか?」
「はい。」
二人は、街道の脇に行き、一輪の花を手向ける。
ジーナさんの夫が殺された場所…。
彼も今回の事件に加担していたと聞いた。
それでも、夫婦だったし、サーヤさんも居る。
しばらくして2人が戻って来た。
「もっと、挨拶とかしなくていいのか?」
「居なくなった者へ何かを言っても変わりはしませんから。
それよりも、あのヒトが居なくなったおかげで、笑顔で正直に生きていけると胸を張って報告しておきました。」
「そうか。んじゃ、店のことよろしくね。」
「ふふ、最後までご主人様は変わらないのですね。」
シェルフールの街に入った。
平静を保つが、内心はビクビクだ。
この先を回れば、店が見えてくる…。
皆、元気にしているだろうか。
あ…、二号店が開店している。
何やら大勢のヒトで溢れている。
馬車を玄関の方まで付けると、メリアさん、レルネさん、ディートリヒ達が並んでいた。
「お帰りなさいませ(((((お帰りなさいませ))))」
「あ…、うん。ただいま…。」
皆が出迎えてくれる…。
涙が出てきた。
「なぁ、おっちゃん…、おっちゃんってスゲーんだな…。」
ウッディたちがびっくりしている。
「さぁ、お疲れでしょう。馬車から降りて、先ずはお風呂に入り、疲れを取ってください。」
メリアさんが言う。
「メリアさん…」
「カズさん、今は何も仰らないで。先ずは皆さんでお風呂に入ってくださいね。」
「あぁ。でも、ジーナさんとサーヤさんも居るし…。」
「問題はありません。カズさんの奴隷ですからね。ジーナ、サーヤ。それでよろしいですか?」
「はい奥様。ありがとうございます。」
「あ、それとサーシャさん…。彼女も大変だったんだから…。」
「では、一緒に入らせていただきます。勿論、水着を着用します。」
子供達とジーナさん、サーヤさん、サーシャさんと一緒に風呂に行く。
「おぉ!これが風呂かぁ!」
「こら、ウッディ、風呂で走ると転ぶぞ。」
「おいちゃん、風呂は何する所?」
「風呂は身体を洗って、湯船に浸かって休むところだ。
んじゃ、ウッディから身体を洗うからな!」
「ご主人様、それは私たちがやりますので、ご主人様はお風呂に浸かって身体を休めてください。」
ジーナさんが後ろから話してくれる。
ん?何故に裸…?
あ…彼女たちには水着を渡していなかった…。
「すまん…。ジーナさん、サーヤさん…、裸…見られるの嫌だよね…。」
「いいえ。私たちは旦那様の奴隷ですので、問題はありません。
それに、旦那様が求めるのであれば、夜もご一緒いたしますよ。」
おいおいサーヤさん…、あなたはうら若きティーンエイジャーですよ。
そんな事ではいけません。
ま、ジーナさん、サーヤさんには俺の老後とかいろいろと面倒かけるから…。
自分で身体を洗い湯船に浸かる…。何日ぶりかの風呂だ…。
子供たちとジーナさん、サーヤさんがキャッキャッ言いながら身体と髪の毛を洗っている。
洗い終わったウッディが湯船に飛び込んだ。
「おっちゃん!気持ちいいな!」
「そうだな。それに落ち着く。」
「こんなの毎日入ってるなんて、おっちゃんはお金持ちじゃなくて偉いヒトだったのか?」
風呂はやはり高貴なヒトしか入れないのか…。
「なぁ、ウッディ、ファイ、お風呂毎日入りたいか?」
「うん。だって気持ちいいもんね。」
ファイがニコッと笑う。
「よし!それじゃ、クローヌの街の公共浴場に力を注ごう!」
「はい。旦那様。」
うぉ!いつの間に水着姿のサーシャさんが湯船に浸かっているんだ?
「サーシャさんも、ごめんな。連絡係させちゃって。」
「気づいていらっしゃったのですね。」
「メリアさんから聞いてたからね。いつも俺の影の中にいるのも疲れただろ。
洗ってあげるよ。」
「え、そんな、奥様でもないのに…。」
「まぁ、今日はそんな事いいじゃん。それにみんなを洗ってあげたいんだよ。」
ガラ…。
ん?ドアが開いたな…。
「カズさん、お帰りなさいませ。さ!みんなでお風呂に入りましょ!」
あ、みんな聞いてたんだ。でも、風呂の前で皆裸で待ってたのか…。
ふふ。みんな可愛いね。
「よし!それじゃ、みんな洗うから、みんな入っておいで!」
それから2時間…、皆を洗い、すっきりした姿で2階に集まった。
5人の子供たちは、ジーナさんサーヤさんと4号店のくれいぷを食べに行っている。
「メリアさん、みんな…、いろいろと心配かけてすまなかった。」
「いえ、私たちがカズさんに甘えていたのです。それが分かりました。」
「すこし飛ばし過ぎたんだろうね。
これからは、もう少しペースを落として、ゆっくり動こう。
それと、皆に無理をさせちゃったようだから、みんなでクローヌに行って温泉に行こうか。」
「アデリン達も行けるといいですね。」
「それじゃ、みんなで行こうか!」
「では、馬車の手配をします。」
クラリッセさん、いつの間にかメイド服がゴスロリになっているけど…。
「衣装が綺麗になったね。」
「はい。アデリンさんが新作を作ってくださいました。」
「あ、そう言えば2号店開店したんだね。」
「はい。昨日開店しました。昨日トーレス様がお見えになり、大量に購入されましたね。
その噂を聞いて、今日は主に店舗の方が大勢お見えになっています。」
「そう言う事なら、全員でクローヌに行くのは5日後にしようか。」
「そうですね。それにクローヌの館の準備もございますし。」
「忘れてた。ごめん。」
「いえ、大方終了しております。それと材料が大量に余ったので、公共浴場へ資材を回しております。
あ、それと私どもメイド等が寝泊まりできる建物も既に建築済みです。」
「はは。ありがとね。
なんか、いつもと同じような報告会になっているけど、いいのかい?」
「それはどういう事でしょうか?」
「報告をするヒトは考えをまとめなきゃいけないでしょ。
そうすると、みんながくつろげる時間がなくなっちゃうよね。
それも反省しているんだ。だから、休み時間は休む、仕事をする時は仕事をする。
メリハリを付けようと思ってね。」
クラリッセんさんが少し考える。
「では、奥方様やディートリヒ様達全員で情報を共有する時間と、奥様だけに情報を共有する時間とを分けましょう。」
「そうだね。基本は家のことや店の事であればメリアさんとレルネさんで問題ないよね。
あとは、係を決めて、そのヒトたちだけで話すってのも良いね。」
「カズさん、それではカズさんが両方の時間を費やすことになり、2倍の労力となります。
今まで以上となってしまいますので、先ずは私とレルネで情報を整理させていただきます。
その上でカズさんに伝える情報と私たちだけで対応する情報を報告します。」
「そうだと、メリアさんに負担がかかっちゃうね…。
そう言えば、クローヌの家で執事を雇って、そのヒトを中心に動いてもらう方が効率的だね。
あの子たちも…、できればクローヌで一緒に住みたいから、何かお手伝いとかあるといいね?」
「仕事は沢山ございますので、問題はありませんね。それに、先の件で馬を12頭所有することになりました。」
「へ?そんなにいたの?」
「はい。」
「馬車は2頭立てだよね。うちの馬車の台数を考えると、ここに2台だから予備入れて5頭、クローヌに1台だから3頭か…、あ、できれば子供たちに1頭ずつ渡せば、今日連れてきた馬と合わせて13頭になるか。」
「そう言えばイチよ。あの子供達は何者なのじゃ。
見た所、マナの量が尋常ではないのじゃが。」
「レルネさんも感じてたんだ…。
多分、特別な子達だと思う。俺のことも何となく知っているようだし…。」
「それは、マズい事か?」
「寧ろその逆で俺たちを守ってくれているんだと信じてる。」
普通の会話が心に染みる…。
「みな、ありがとね…。」
小さな声でつぶやいた。
ここからは後1,2時間。
「おっちゃんって店やってるんだってな。」
「あぁ、やってるぞ。」
「何売ってるんだ?」
「石鹸とかしゃんぷりんとかかな。あ、あと“くれいぷ”って食物もやってるぞ。」
「なんだ、その“くれいぷ”って?」
「甘いお菓子だ。」
「おいちゃん、あたし食べたい!」
「おう!んじゃ、みんなに挨拶したら食いに行くか!」
「はーい((((はーい))))」
街に入る前、とある地点で馬車を停める。
「ジーナさん、サーヤさんこの辺りでよかったか?」
「はい。」
二人は、街道の脇に行き、一輪の花を手向ける。
ジーナさんの夫が殺された場所…。
彼も今回の事件に加担していたと聞いた。
それでも、夫婦だったし、サーヤさんも居る。
しばらくして2人が戻って来た。
「もっと、挨拶とかしなくていいのか?」
「居なくなった者へ何かを言っても変わりはしませんから。
それよりも、あのヒトが居なくなったおかげで、笑顔で正直に生きていけると胸を張って報告しておきました。」
「そうか。んじゃ、店のことよろしくね。」
「ふふ、最後までご主人様は変わらないのですね。」
シェルフールの街に入った。
平静を保つが、内心はビクビクだ。
この先を回れば、店が見えてくる…。
皆、元気にしているだろうか。
あ…、二号店が開店している。
何やら大勢のヒトで溢れている。
馬車を玄関の方まで付けると、メリアさん、レルネさん、ディートリヒ達が並んでいた。
「お帰りなさいませ(((((お帰りなさいませ))))」
「あ…、うん。ただいま…。」
皆が出迎えてくれる…。
涙が出てきた。
「なぁ、おっちゃん…、おっちゃんってスゲーんだな…。」
ウッディたちがびっくりしている。
「さぁ、お疲れでしょう。馬車から降りて、先ずはお風呂に入り、疲れを取ってください。」
メリアさんが言う。
「メリアさん…」
「カズさん、今は何も仰らないで。先ずは皆さんでお風呂に入ってくださいね。」
「あぁ。でも、ジーナさんとサーヤさんも居るし…。」
「問題はありません。カズさんの奴隷ですからね。ジーナ、サーヤ。それでよろしいですか?」
「はい奥様。ありがとうございます。」
「あ、それとサーシャさん…。彼女も大変だったんだから…。」
「では、一緒に入らせていただきます。勿論、水着を着用します。」
子供達とジーナさん、サーヤさん、サーシャさんと一緒に風呂に行く。
「おぉ!これが風呂かぁ!」
「こら、ウッディ、風呂で走ると転ぶぞ。」
「おいちゃん、風呂は何する所?」
「風呂は身体を洗って、湯船に浸かって休むところだ。
んじゃ、ウッディから身体を洗うからな!」
「ご主人様、それは私たちがやりますので、ご主人様はお風呂に浸かって身体を休めてください。」
ジーナさんが後ろから話してくれる。
ん?何故に裸…?
あ…彼女たちには水着を渡していなかった…。
「すまん…。ジーナさん、サーヤさん…、裸…見られるの嫌だよね…。」
「いいえ。私たちは旦那様の奴隷ですので、問題はありません。
それに、旦那様が求めるのであれば、夜もご一緒いたしますよ。」
おいおいサーヤさん…、あなたはうら若きティーンエイジャーですよ。
そんな事ではいけません。
ま、ジーナさん、サーヤさんには俺の老後とかいろいろと面倒かけるから…。
自分で身体を洗い湯船に浸かる…。何日ぶりかの風呂だ…。
子供たちとジーナさん、サーヤさんがキャッキャッ言いながら身体と髪の毛を洗っている。
洗い終わったウッディが湯船に飛び込んだ。
「おっちゃん!気持ちいいな!」
「そうだな。それに落ち着く。」
「こんなの毎日入ってるなんて、おっちゃんはお金持ちじゃなくて偉いヒトだったのか?」
風呂はやはり高貴なヒトしか入れないのか…。
「なぁ、ウッディ、ファイ、お風呂毎日入りたいか?」
「うん。だって気持ちいいもんね。」
ファイがニコッと笑う。
「よし!それじゃ、クローヌの街の公共浴場に力を注ごう!」
「はい。旦那様。」
うぉ!いつの間に水着姿のサーシャさんが湯船に浸かっているんだ?
「サーシャさんも、ごめんな。連絡係させちゃって。」
「気づいていらっしゃったのですね。」
「メリアさんから聞いてたからね。いつも俺の影の中にいるのも疲れただろ。
洗ってあげるよ。」
「え、そんな、奥様でもないのに…。」
「まぁ、今日はそんな事いいじゃん。それにみんなを洗ってあげたいんだよ。」
ガラ…。
ん?ドアが開いたな…。
「カズさん、お帰りなさいませ。さ!みんなでお風呂に入りましょ!」
あ、みんな聞いてたんだ。でも、風呂の前で皆裸で待ってたのか…。
ふふ。みんな可愛いね。
「よし!それじゃ、みんな洗うから、みんな入っておいで!」
それから2時間…、皆を洗い、すっきりした姿で2階に集まった。
5人の子供たちは、ジーナさんサーヤさんと4号店のくれいぷを食べに行っている。
「メリアさん、みんな…、いろいろと心配かけてすまなかった。」
「いえ、私たちがカズさんに甘えていたのです。それが分かりました。」
「すこし飛ばし過ぎたんだろうね。
これからは、もう少しペースを落として、ゆっくり動こう。
それと、皆に無理をさせちゃったようだから、みんなでクローヌに行って温泉に行こうか。」
「アデリン達も行けるといいですね。」
「それじゃ、みんなで行こうか!」
「では、馬車の手配をします。」
クラリッセさん、いつの間にかメイド服がゴスロリになっているけど…。
「衣装が綺麗になったね。」
「はい。アデリンさんが新作を作ってくださいました。」
「あ、そう言えば2号店開店したんだね。」
「はい。昨日開店しました。昨日トーレス様がお見えになり、大量に購入されましたね。
その噂を聞いて、今日は主に店舗の方が大勢お見えになっています。」
「そう言う事なら、全員でクローヌに行くのは5日後にしようか。」
「そうですね。それにクローヌの館の準備もございますし。」
「忘れてた。ごめん。」
「いえ、大方終了しております。それと材料が大量に余ったので、公共浴場へ資材を回しております。
あ、それと私どもメイド等が寝泊まりできる建物も既に建築済みです。」
「はは。ありがとね。
なんか、いつもと同じような報告会になっているけど、いいのかい?」
「それはどういう事でしょうか?」
「報告をするヒトは考えをまとめなきゃいけないでしょ。
そうすると、みんながくつろげる時間がなくなっちゃうよね。
それも反省しているんだ。だから、休み時間は休む、仕事をする時は仕事をする。
メリハリを付けようと思ってね。」
クラリッセんさんが少し考える。
「では、奥方様やディートリヒ様達全員で情報を共有する時間と、奥様だけに情報を共有する時間とを分けましょう。」
「そうだね。基本は家のことや店の事であればメリアさんとレルネさんで問題ないよね。
あとは、係を決めて、そのヒトたちだけで話すってのも良いね。」
「カズさん、それではカズさんが両方の時間を費やすことになり、2倍の労力となります。
今まで以上となってしまいますので、先ずは私とレルネで情報を整理させていただきます。
その上でカズさんに伝える情報と私たちだけで対応する情報を報告します。」
「そうだと、メリアさんに負担がかかっちゃうね…。
そう言えば、クローヌの家で執事を雇って、そのヒトを中心に動いてもらう方が効率的だね。
あの子たちも…、できればクローヌで一緒に住みたいから、何かお手伝いとかあるといいね?」
「仕事は沢山ございますので、問題はありませんね。それに、先の件で馬を12頭所有することになりました。」
「へ?そんなにいたの?」
「はい。」
「馬車は2頭立てだよね。うちの馬車の台数を考えると、ここに2台だから予備入れて5頭、クローヌに1台だから3頭か…、あ、できれば子供たちに1頭ずつ渡せば、今日連れてきた馬と合わせて13頭になるか。」
「そう言えばイチよ。あの子供達は何者なのじゃ。
見た所、マナの量が尋常ではないのじゃが。」
「レルネさんも感じてたんだ…。
多分、特別な子達だと思う。俺のことも何となく知っているようだし…。」
「それは、マズい事か?」
「寧ろその逆で俺たちを守ってくれているんだと信じてる。」
普通の会話が心に染みる…。
「みな、ありがとね…。」
小さな声でつぶやいた。
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