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第十章
10-23 かき氷はいかがっすかぁ~
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「主殿、お風呂に入るという習慣をつけるのは、なかなか難しいのではないでしょうか。」
「それは、家に風呂が無いからだよな。」
「はい。」
「では、クローヌに来たら、こんな気持ちの良い特別なお風呂に入ることができる、自分も貴族のようなお風呂に入ることができると思わせれば?」
「あ、そう言う事ですね。色街の遊郭のように特別感を与える。それも男性だけでなく、女性も子供も特別感を楽しむためにクローヌを訪れる、と。」
「はい。ベリル、良く出来ました!」
ベリルの頭をなでる。
次は私だと、皆の眼が血走ってきた。
「では、男女別のお風呂が出来たとして問題が発生します。それは何でしょうか?」
「ニノ様、子どもですね。」
ミリーを撫でる。
「そうすると、家族で入ることのできる家族専用のお風呂を作ることとなりますが…。」
「そうなんだよね。そんなお風呂ばかり作っていては場所ばかり取ってしまい、肝心のお風呂を楽しむ場所が小さくなってしまう。」
「では、どうするのでしょうか…。
あ、公共浴場のように、みんなで入るんでしょうか。」
ニコルの頭を撫でる。
「そこで、至急アデリンさんに水着なるものを作ってもらいます。」
「水着?ですか?」
「あぁ。下着のようなものだけど、お腹も隠せるような水着を作成してもらおうと思う。
そうだな…、アラクネの糸と魔糸を織り込み、伸び縮みできる素材で水の中でも動きやすいものを作ってもらうことができれば、ひとつのスペースで大勢の家族が遊ぶことができるんじゃないか?」
「カズ様の知識は底知れぬものですね…。
温泉、家族、皆が入るために水着なるものの開発…。敬服しました。」
「まだまだあるよ。そこで売る食事はお好み焼き、パスタ、そして“焼きそば”だ!」
「“焼きそば”ですか?」
「あぁ。パスタの親戚みたいなものだ。この間、パスタを作った時、ベリルがソースを持って来ただろ?
ソースを使ったものを“焼きそば”って言うんだ。
ホントは“たこ焼き”も欲しいが、タコが無いからな…。」
「タコというのは何ですか?」
「海に生きている生物で、複数本の手があってウネウネと動く生き物だ。」
「もしかして、湖に住んでいる“オクトー”でしょうかね?」
「え?いるの?」
「それが、お館様のおっしゃる“タコ”かどうかは分かりませんが。」
「一度、それを見てみたいな。」
「分かりました。シェルフールに戻りましたら、早速探してみます。」
「ナズナ、頼んだよ。
ごめん、道がそれてしまったけど、家族で遊べる温泉場所を作れば、そこで遊び泊まることもできるよね。あとは、ここは他の街に比べて火山帯だから暑いよね。
なにか、涼しいものがあれば良いよね。」
「それは、遊ぶ場所でしょうか?食べ物でしょうか?」
「さぁて、何があるかな?」
「私はプリンが良いと思います。」
「私は、こーしープリンで。」
皆の眼が生き生きとし始めた。
食べ物のことになると、みんな120%の力を発揮するんだよね。
「んじゃ、ここでもう一つ“ひーんと”を出します。」
「カズ様、“ヒント”ですね。」
俺にこれ以上カタカナをどう皆に教えろというんだ…?
「皆は氷魔法を覚えたよね。
その氷をどう使うかだが…、多分この世界には無いかもしれないが…。」
「飲み物に氷を入れて冷たくして売る、というのですか?」
「あぁ、それも有りだ。」
ディートリヒを撫でる。
取り合えず、全員の頭を撫でることができた。これで皆満足だよな?と思い、皆を見ると、それ以上のものを期待している目が怖い…。
でも、この世界で無いものを皆に考えろというのは酷だ。
これまでの世界から持ってきた調味料の中に確か持ってきたものがあったと思うが…。
ビジネスバッグをまさぐると、それは有った!
「それじゃ、誰でも良いから、これくらいの氷を魔法で出してくれないか。」
「主殿、では私が。とぉ!“フリーズ”」
はい。出ました。バレーボール大の氷です。
それを皿に入れ、ダガ―で表面を削っていく。
そう、かき氷だ!
ダガ―の切れ味が良いので、1分もかからぬうちに小皿一つ分のかき氷ができた。
そのかき氷に練乳をかけて、氷を出してくれたベリルに渡す。
「んじゃ、これを食べてみて。」
「はい。・・・これは!甘くて、シャクシャクとしててほんのり柔らかくて美味しいです。
これはたくさんいけますね。」
「でも、一気に食べると…、あぁ、言わんこっちゃない。
頭がキーンと痛むんだよ。」
俗に言う“アイスクリーム頭痛”なるものだ。
詳しい事は知らないが、脳が“冷たい”ものを“痛い”と勘違いしてしまうようなんだよな。
「一気に食べると頭が痛くなるが、ベリルどうだ? って、まだ転がっているのか…。」
ベリルは頭を押さえ、ゴロゴロと床をのたうち回っている。
皆、それを見て青ざめている。
「ベリルをここまで倒すくらいの食べ物とは…、恐ろしい食べ物です。」
いえ、そうではありません…。
かき氷は夏の風物詩なのですよ。
「それじゃ、次に“かき氷”を食べることのできるヒトは…、」
皆、一歩下がった。ははは、面白いわ。
「それじゃ、俺、食べまーす!」
小鉢に入れたかき氷をスプーンでシャクシャクと崩し一口食べる。
ん~美味しい。思わず笑顔になる。
二口、三口食べても頭痛は来ない。ふふ。そうなんだ。ゆっくり食べれば問題ないんだよ。
それを見て、皆が安心したかのように氷からかき氷を削り、練乳をかけて食べ始めた。
「ゆっくり食べれば、ベリルのようにはならないんですか?」
「ヒトそれぞれだね。ベリルは熱さには強いが、寒さには弱いという事だ。」
「寒さに強いヒトは居るんでしょうか?」
「そりゃ居るとは思うが…。雪国とかに住んでいるヒトは強いんじゃないかな。」
「お館様、雪とはなんでしょうか?」
あ、俺、今の今までこの世界に四季があるのか聞いたことが無かったわ。
「この国だけど、暑い時期とか寒い時期はあるの?」
「そうですね、一年中こんな天気だと思います。」
「例えば雨が長期間降ったり、暑い時期が長期間あることは?」
「無いですね。雨も1日か2日でやみますし、暑い時期もあるにはありますが…。そんなことまで考えた事がありませんでした。」
となると、この天候が一年中続くということになれば、常春か常秋?それくらいの気候だと感じる。
であれば暑い日に冷たいものを食べるとか、寒い時期に熱いものを食べるという習慣が無いのも頷ける。
温泉という温かい地にかき氷が売れるかは微妙だが、氷魔法が使える者がいれば可能だろう。
あとは、色街に次ぐ集客はギャンブルだ。
ただ、これに手を出せば、莫大な金が動く。下手をすれば国からも目を付けられる可能性もある。
なので、封印しておくことにする。
「それと、これはもう少し先のことになるかどうかは分からないが、子どもたちが遊べる場所を作りたい。」
「広場とかですか?」
「まぁ、そういったものもあるが、もう一つは遊具だ。」
「遊具とは?」
「具体的には、鉄棒や鉄の棒を組み合わせてのぼる事が出来るもの、あぁ、言い換えるのがめんどくさい、“しいそー”や“ぶらんこぅ”といった遊具を置いて、子どもが遊べる場所を作りたい。
あとは、家族で“バーベキュー”とかできるエリアも設置したい。」
「カズ様、“シーソー”と、“ブランコ”ですか?」
あ、そうか、カタカナを平仮名で言えば何とかなるのか?
「あぁ、滑り台も欲しい。」
「滑り台とは、もしかしてダンジョンの罠にある落とし穴のようなものですか?」
「すまん。その罠に落ちた事が無いので分からないが、お尻で滑るというものだ。」
「それであればダンジョンの罠にありますね。」
言葉で言っても分からないと思い、紙に書いてみた。
「こんな遊び道具があるんですね。」
「あぁ。これを作るに当たって、こちらの世界で無ければ、設計に特許を取っておけば良いかと思う。」
「そうですね。滑り台というのはダンジョンでありますので、どんな仕様にされるのかは作ってみないと分からないという所ですね。」
「まぁ、いろんな“あいでぁ”、考えがあると思うから、皆でそういった“あいでぁ”を出し合うのが良いと思うよ。」
「アイディアですね。」
「はい…。その通りです…。」
俺のカタカナ英語って、どうなんだろう…。
「それは、家に風呂が無いからだよな。」
「はい。」
「では、クローヌに来たら、こんな気持ちの良い特別なお風呂に入ることができる、自分も貴族のようなお風呂に入ることができると思わせれば?」
「あ、そう言う事ですね。色街の遊郭のように特別感を与える。それも男性だけでなく、女性も子供も特別感を楽しむためにクローヌを訪れる、と。」
「はい。ベリル、良く出来ました!」
ベリルの頭をなでる。
次は私だと、皆の眼が血走ってきた。
「では、男女別のお風呂が出来たとして問題が発生します。それは何でしょうか?」
「ニノ様、子どもですね。」
ミリーを撫でる。
「そうすると、家族で入ることのできる家族専用のお風呂を作ることとなりますが…。」
「そうなんだよね。そんなお風呂ばかり作っていては場所ばかり取ってしまい、肝心のお風呂を楽しむ場所が小さくなってしまう。」
「では、どうするのでしょうか…。
あ、公共浴場のように、みんなで入るんでしょうか。」
ニコルの頭を撫でる。
「そこで、至急アデリンさんに水着なるものを作ってもらいます。」
「水着?ですか?」
「あぁ。下着のようなものだけど、お腹も隠せるような水着を作成してもらおうと思う。
そうだな…、アラクネの糸と魔糸を織り込み、伸び縮みできる素材で水の中でも動きやすいものを作ってもらうことができれば、ひとつのスペースで大勢の家族が遊ぶことができるんじゃないか?」
「カズ様の知識は底知れぬものですね…。
温泉、家族、皆が入るために水着なるものの開発…。敬服しました。」
「まだまだあるよ。そこで売る食事はお好み焼き、パスタ、そして“焼きそば”だ!」
「“焼きそば”ですか?」
「あぁ。パスタの親戚みたいなものだ。この間、パスタを作った時、ベリルがソースを持って来ただろ?
ソースを使ったものを“焼きそば”って言うんだ。
ホントは“たこ焼き”も欲しいが、タコが無いからな…。」
「タコというのは何ですか?」
「海に生きている生物で、複数本の手があってウネウネと動く生き物だ。」
「もしかして、湖に住んでいる“オクトー”でしょうかね?」
「え?いるの?」
「それが、お館様のおっしゃる“タコ”かどうかは分かりませんが。」
「一度、それを見てみたいな。」
「分かりました。シェルフールに戻りましたら、早速探してみます。」
「ナズナ、頼んだよ。
ごめん、道がそれてしまったけど、家族で遊べる温泉場所を作れば、そこで遊び泊まることもできるよね。あとは、ここは他の街に比べて火山帯だから暑いよね。
なにか、涼しいものがあれば良いよね。」
「それは、遊ぶ場所でしょうか?食べ物でしょうか?」
「さぁて、何があるかな?」
「私はプリンが良いと思います。」
「私は、こーしープリンで。」
皆の眼が生き生きとし始めた。
食べ物のことになると、みんな120%の力を発揮するんだよね。
「んじゃ、ここでもう一つ“ひーんと”を出します。」
「カズ様、“ヒント”ですね。」
俺にこれ以上カタカナをどう皆に教えろというんだ…?
「皆は氷魔法を覚えたよね。
その氷をどう使うかだが…、多分この世界には無いかもしれないが…。」
「飲み物に氷を入れて冷たくして売る、というのですか?」
「あぁ、それも有りだ。」
ディートリヒを撫でる。
取り合えず、全員の頭を撫でることができた。これで皆満足だよな?と思い、皆を見ると、それ以上のものを期待している目が怖い…。
でも、この世界で無いものを皆に考えろというのは酷だ。
これまでの世界から持ってきた調味料の中に確か持ってきたものがあったと思うが…。
ビジネスバッグをまさぐると、それは有った!
「それじゃ、誰でも良いから、これくらいの氷を魔法で出してくれないか。」
「主殿、では私が。とぉ!“フリーズ”」
はい。出ました。バレーボール大の氷です。
それを皿に入れ、ダガ―で表面を削っていく。
そう、かき氷だ!
ダガ―の切れ味が良いので、1分もかからぬうちに小皿一つ分のかき氷ができた。
そのかき氷に練乳をかけて、氷を出してくれたベリルに渡す。
「んじゃ、これを食べてみて。」
「はい。・・・これは!甘くて、シャクシャクとしててほんのり柔らかくて美味しいです。
これはたくさんいけますね。」
「でも、一気に食べると…、あぁ、言わんこっちゃない。
頭がキーンと痛むんだよ。」
俗に言う“アイスクリーム頭痛”なるものだ。
詳しい事は知らないが、脳が“冷たい”ものを“痛い”と勘違いしてしまうようなんだよな。
「一気に食べると頭が痛くなるが、ベリルどうだ? って、まだ転がっているのか…。」
ベリルは頭を押さえ、ゴロゴロと床をのたうち回っている。
皆、それを見て青ざめている。
「ベリルをここまで倒すくらいの食べ物とは…、恐ろしい食べ物です。」
いえ、そうではありません…。
かき氷は夏の風物詩なのですよ。
「それじゃ、次に“かき氷”を食べることのできるヒトは…、」
皆、一歩下がった。ははは、面白いわ。
「それじゃ、俺、食べまーす!」
小鉢に入れたかき氷をスプーンでシャクシャクと崩し一口食べる。
ん~美味しい。思わず笑顔になる。
二口、三口食べても頭痛は来ない。ふふ。そうなんだ。ゆっくり食べれば問題ないんだよ。
それを見て、皆が安心したかのように氷からかき氷を削り、練乳をかけて食べ始めた。
「ゆっくり食べれば、ベリルのようにはならないんですか?」
「ヒトそれぞれだね。ベリルは熱さには強いが、寒さには弱いという事だ。」
「寒さに強いヒトは居るんでしょうか?」
「そりゃ居るとは思うが…。雪国とかに住んでいるヒトは強いんじゃないかな。」
「お館様、雪とはなんでしょうか?」
あ、俺、今の今までこの世界に四季があるのか聞いたことが無かったわ。
「この国だけど、暑い時期とか寒い時期はあるの?」
「そうですね、一年中こんな天気だと思います。」
「例えば雨が長期間降ったり、暑い時期が長期間あることは?」
「無いですね。雨も1日か2日でやみますし、暑い時期もあるにはありますが…。そんなことまで考えた事がありませんでした。」
となると、この天候が一年中続くということになれば、常春か常秋?それくらいの気候だと感じる。
であれば暑い日に冷たいものを食べるとか、寒い時期に熱いものを食べるという習慣が無いのも頷ける。
温泉という温かい地にかき氷が売れるかは微妙だが、氷魔法が使える者がいれば可能だろう。
あとは、色街に次ぐ集客はギャンブルだ。
ただ、これに手を出せば、莫大な金が動く。下手をすれば国からも目を付けられる可能性もある。
なので、封印しておくことにする。
「それと、これはもう少し先のことになるかどうかは分からないが、子どもたちが遊べる場所を作りたい。」
「広場とかですか?」
「まぁ、そういったものもあるが、もう一つは遊具だ。」
「遊具とは?」
「具体的には、鉄棒や鉄の棒を組み合わせてのぼる事が出来るもの、あぁ、言い換えるのがめんどくさい、“しいそー”や“ぶらんこぅ”といった遊具を置いて、子どもが遊べる場所を作りたい。
あとは、家族で“バーベキュー”とかできるエリアも設置したい。」
「カズ様、“シーソー”と、“ブランコ”ですか?」
あ、そうか、カタカナを平仮名で言えば何とかなるのか?
「あぁ、滑り台も欲しい。」
「滑り台とは、もしかしてダンジョンの罠にある落とし穴のようなものですか?」
「すまん。その罠に落ちた事が無いので分からないが、お尻で滑るというものだ。」
「それであればダンジョンの罠にありますね。」
言葉で言っても分からないと思い、紙に書いてみた。
「こんな遊び道具があるんですね。」
「あぁ。これを作るに当たって、こちらの世界で無ければ、設計に特許を取っておけば良いかと思う。」
「そうですね。滑り台というのはダンジョンでありますので、どんな仕様にされるのかは作ってみないと分からないという所ですね。」
「まぁ、いろんな“あいでぁ”、考えがあると思うから、皆でそういった“あいでぁ”を出し合うのが良いと思うよ。」
「アイディアですね。」
「はい…。その通りです…。」
俺のカタカナ英語って、どうなんだろう…。
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