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第十章
10-14 ミリーの勉強
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「抱きついてすみません…。でも、こうでもしないとイチ様は私を女性として見てくれないので…。」
「あのね…。ミリーは凄く魅力的な女性だよ。
それにすごく繊細で大人しい子だ。」
「であれば、私を愛してください。」
「うん。でもミリーはどうなんだ?俺を愛することができるのか。」
「もう、私の心は決まっていますよ。私はイチ様を愛しています。」
「そうか…。ありがとね。でも俺が愛する女性は多いよ…。ミリー一人を愛することはできないよ。」
「はい。それも分かっています。だからこそイチ様を愛しているんです。
ハーフエルフという存在がどんなものかをご存じかどうかは分かりませんが、私たちの種族は蔑まれて来ました。そんな種族であっても、イチ様は私を愛してくださいます。そして、私はイチ様を愛していると言いたいんです。」
「ミリー。俺は種族なんて関係ない。俺が愛したい子が居る。それだけでいい。」
「では、今宵ここで愛し合っていただきたいので…。」
「ミリー。それはシェルフールに帰ってからにしよう。それよりもマナを流す練習をした方が良いと思うよ。」
「もう、やはりイチ様ですね…。女心が分からないんですね。」
「はは。そうだな。俺はおっさんだからな。
あ、俺はおっさんだよ。それで良いのか?」
「イチ様だからです。」
「ありがとね。んじゃ、マナを流す練習しようか。」
二人でマナを集めて移動する練習をする。
さっきの治癒でマナの動きがスムーズになっている。それにマナの集中も早い。
レルネさんやスピネルが言うようにマナを練るセンスは抜群なんだろう。
「ミリー、君はマナを練るセンスが抜群だな。それじゃ、集中したマナをより凝縮したり、拡散したりしてみようか。」
「凝縮と拡散ですか?」
「そう。今集中して集めているマナをより小さくすることを凝縮、マナを身体全体に行き渡らせることを拡散って言うんだ。凝縮からやるけど、ミリーがマナを集めやすい場所はどこ?」
「ここです。」
俺の手を持って、彼女の下腹部に当てる。
女性はやはり、ここが一番集めやすいのかね。
「分かった。それじゃ、目をつぶってマナをここに集めて。」
「はい。……。集めました。」
「んじゃ、それを小さくしていくよ。今集めたマナを、手を置いてある場所に持ってきて、俺の手のひらの大きさに。それを徐々に小さくしていこう。」
「イチ様、熱いです。あ、熱いと言うよりも温かいものがギュッと固まって…一点に…。
あ…。これ…、すごく気持ちいいです…。もっと小さく…。あ、そこ…。気持ちいい…。」
「うん。俺には分かんないけど、出来てるって事だね。
んじゃ、その集めたマナを全体に広げてみて。」
「は…い…。ん!あ!ダメです!気持ちが良すぎます…。あ…!」
ミリーは身体を硬直させ、ビクビクとして失神してしまった…。
「ありゃ…。マナってやはり女性をイかすものなのかな…。」
俺はマナがそんなものだとは思っていないが、女性は何か違うようだ。
そうなると魔法の体系そのものが違ってくるんだ…。
それを考慮しながら魔法を教えていけるようになれば、もっと上達するんだと感じた。
少しエロくなるけど、俺を信頼してくれるヒトであれば問題ない…、と思う事にしよう。
「ミリー、大丈夫か?」
「んん…。」
「まだ、無理そうか…。」
「いえ、目を覚ますには最愛のヒトからのキスが必要なのです。」
「どこの世界のおとぎ話だ。はよ起きな!chu」
「はい!いただきました。もう少し濃厚なものが欲しいのですが…。」
「ミリーさんや…、あまり無理するとまた倒れるよ。」
「そうですね、すみません。でも、イチ様のおかげでマナを凝縮、拡散することができるようになりました。」
「そうだね。しかし、女性はマナをここに集めるのがやり易いのかなぁ。」
「ヒトそれぞれだと思います。私はイチ様の思いを感じながらマナを動かしているので、その…、マナを…、集めた時、とても気持ちよくなってしまうんです。」
「攻撃時ではなければ問題は無いと思う…。多分…。」
魔物と交戦中にあんあん言いながら魔法を放っていたら、見るに堪えないから…。
「ミリー、君のマナは繊細でそのマナを練るのが凄く上手だ。これを活かす方法はやはり錬成や錬金といった新しい素材を作ったり、物質を変化させたりすることだと思うよ。」
「はい、ありがとうございます。シェルフールに戻ったら、“しゃんぷりん”の研究も進むことだと思います。」
「だね。君の魔法がこの世界の女性を変えていくんだ。凄いことだよ。」
「イチ様…、本当にありがとうございます…。こんな私を拾っていただき…」
「拾うだなんて思わないで。俺は石化したミリーを助けただけ。
それが縁でミリーとこうして愛し合うことができたって事だ。」
「ふふ。そうですね。
イチ様、他にも何か魔法を教えてください。」
「そうだな…。」
ミリーがこれから使える魔法、魔法と言えるかは分からないけど、生活魔法のクリーン、熟成、撹拌、分離…。使ったことがあるものはそれくらいか…。
電気分解という理解ができれば、もっと錬成にも幅が広がるんだが、俺の知識では教えることができない…。それじゃ、後は…。
「あ、そう言えば錬成とかする際に物を冷やすことって必要か?」
「はい。石鹸を作る時とか、しゃんぷりんの素材を熱して撹拌するんですが、その後自然に冷やすと時間がかかります。」
「自然冷却はどれくらいかかるの?」
「石鹸だと、約1か月かかります。」
「そんなにかかるんだ…。んじゃ、氷というか冷却魔法を覚えてみるかい?」
「え、そんな高等な魔法も教えてくださるんですか?」
「高等かどうかは分からないけどね。んじゃ、教えるね。」
この土地の温度と高山の温度の違いを説明する。
高い地は気温が低い、それは夏でも同じ。そんな事を説明したがいまいちピンときていない。
うーん…。どうやって教えたら…、実感してもらう方がいいか。
“グラビティ”は重力をかけるイメージだ。
では、その逆は?重力をかけないイメージ。
「ミリー、少し待ってくれないか。ひとつ試したい魔法が出てきた。」
「はい。」
俺の周りに重力をかけないようイメージする。そう、重力を無くすだけなのでイメージしやすい。
本来なら高いところから自由落下した際に無重力を体験できるが、生憎俺はそんな立派なヒトではない。
モノが落ちないイメージ、浮遊というイメージだろうか。
「いけ、フロート!」
お、俺の身体が浮いた。これで重力は無くなったということだ。
この状態で下から吹き上げる風を出す。
ゴツ!
天井にしこたま頭をぶつけた…。
「痛っってぇ~~~~!」
「イ、イチ様…。だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、何とか…。でもすっげー痛い。」
「今、何をされたんですか?」
「あ、今な、俺の周りの重力を無くして浮いた状態にして、下から風を送った。」
「へ?」
「いや、飛べるかなって思ってね。」
「イチ様…、それは高度な魔法の“フライ”でしょうか?」
「あ、そんな魔法あるんだ。でも、見て。こんなことができるようになるんだよ。」
俺の周りの重力を無くし、風をゆっくりと送る。
ふわ~と浮遊している。
「イチ様、それが“フライ”ですか?」
「いや、飛んでいないから…。単に浮いているだけなので“フロート”かな。」
「それを覚えることはできますか?」
「うーん。グラビティが理解できれば…だけどね。
そうそう、それじゃ、高度が上がれば寒くなるってのを体感してみるかい?」
「はい!」
とりあえず、失敗して落ちても痛くないように強化だけはかけておく。
「それじゃ、ミリーと初の空の散歩を楽しもう。
俺にしっかりと掴まっていてね。」
「はい!」
バルコニーに出て、俺とミリーの周りの重力を消す。
「フロート!」
二人が浮いた。
「んじゃ、行くか!」
バフがかかり、下から風をゆっくりと送ると少しずつ上昇した。
「こりゃ、操作が難しいな。」
四方八方からの風をイメージし、上昇、下降、前後左右の移動を一通り練習し、コツを掴み少しずつ上昇し始めた。
ミリーは怖いのか、目をつむっている。
「ミリー、目を開けてごらん。綺麗だよ。」
「はい…、え!!イチ様、飛んでます。」
「まだ、飛ぶ域には達していないけど、浮いているね。そして上昇している。」
「街が凄く綺麗です。」
「どう?空気が少し冷たくなったことを感じることができるかい?」
「うんと…、まだ分かりません。」
「それじゃ、もうちょっと上昇するよ。ちゃんと掴まっていてね。」
「はい!」
あ、俺二人の周りにフロートかけているから、掴まっていなくでも良いんだ…
と思ったけど、ま、いいか。
確か100m上昇すれば0.6℃下がるんだっけ?
それじゃ、500mで3℃、1,000mで6℃か…。
どんどん上昇していく。
高度計がないから分からないけど、大分上昇し気温も下がったようだ。
「ミリー、ここの気温はどう?地上に比べて寒くないか?」
「イチ様、寒いというより、怖いです…。」
あ、ごめんなさい…。そうだよな…。高所恐怖症だとそうなるよな…。
「あのね…。ミリーは凄く魅力的な女性だよ。
それにすごく繊細で大人しい子だ。」
「であれば、私を愛してください。」
「うん。でもミリーはどうなんだ?俺を愛することができるのか。」
「もう、私の心は決まっていますよ。私はイチ様を愛しています。」
「そうか…。ありがとね。でも俺が愛する女性は多いよ…。ミリー一人を愛することはできないよ。」
「はい。それも分かっています。だからこそイチ様を愛しているんです。
ハーフエルフという存在がどんなものかをご存じかどうかは分かりませんが、私たちの種族は蔑まれて来ました。そんな種族であっても、イチ様は私を愛してくださいます。そして、私はイチ様を愛していると言いたいんです。」
「ミリー。俺は種族なんて関係ない。俺が愛したい子が居る。それだけでいい。」
「では、今宵ここで愛し合っていただきたいので…。」
「ミリー。それはシェルフールに帰ってからにしよう。それよりもマナを流す練習をした方が良いと思うよ。」
「もう、やはりイチ様ですね…。女心が分からないんですね。」
「はは。そうだな。俺はおっさんだからな。
あ、俺はおっさんだよ。それで良いのか?」
「イチ様だからです。」
「ありがとね。んじゃ、マナを流す練習しようか。」
二人でマナを集めて移動する練習をする。
さっきの治癒でマナの動きがスムーズになっている。それにマナの集中も早い。
レルネさんやスピネルが言うようにマナを練るセンスは抜群なんだろう。
「ミリー、君はマナを練るセンスが抜群だな。それじゃ、集中したマナをより凝縮したり、拡散したりしてみようか。」
「凝縮と拡散ですか?」
「そう。今集中して集めているマナをより小さくすることを凝縮、マナを身体全体に行き渡らせることを拡散って言うんだ。凝縮からやるけど、ミリーがマナを集めやすい場所はどこ?」
「ここです。」
俺の手を持って、彼女の下腹部に当てる。
女性はやはり、ここが一番集めやすいのかね。
「分かった。それじゃ、目をつぶってマナをここに集めて。」
「はい。……。集めました。」
「んじゃ、それを小さくしていくよ。今集めたマナを、手を置いてある場所に持ってきて、俺の手のひらの大きさに。それを徐々に小さくしていこう。」
「イチ様、熱いです。あ、熱いと言うよりも温かいものがギュッと固まって…一点に…。
あ…。これ…、すごく気持ちいいです…。もっと小さく…。あ、そこ…。気持ちいい…。」
「うん。俺には分かんないけど、出来てるって事だね。
んじゃ、その集めたマナを全体に広げてみて。」
「は…い…。ん!あ!ダメです!気持ちが良すぎます…。あ…!」
ミリーは身体を硬直させ、ビクビクとして失神してしまった…。
「ありゃ…。マナってやはり女性をイかすものなのかな…。」
俺はマナがそんなものだとは思っていないが、女性は何か違うようだ。
そうなると魔法の体系そのものが違ってくるんだ…。
それを考慮しながら魔法を教えていけるようになれば、もっと上達するんだと感じた。
少しエロくなるけど、俺を信頼してくれるヒトであれば問題ない…、と思う事にしよう。
「ミリー、大丈夫か?」
「んん…。」
「まだ、無理そうか…。」
「いえ、目を覚ますには最愛のヒトからのキスが必要なのです。」
「どこの世界のおとぎ話だ。はよ起きな!chu」
「はい!いただきました。もう少し濃厚なものが欲しいのですが…。」
「ミリーさんや…、あまり無理するとまた倒れるよ。」
「そうですね、すみません。でも、イチ様のおかげでマナを凝縮、拡散することができるようになりました。」
「そうだね。しかし、女性はマナをここに集めるのがやり易いのかなぁ。」
「ヒトそれぞれだと思います。私はイチ様の思いを感じながらマナを動かしているので、その…、マナを…、集めた時、とても気持ちよくなってしまうんです。」
「攻撃時ではなければ問題は無いと思う…。多分…。」
魔物と交戦中にあんあん言いながら魔法を放っていたら、見るに堪えないから…。
「ミリー、君のマナは繊細でそのマナを練るのが凄く上手だ。これを活かす方法はやはり錬成や錬金といった新しい素材を作ったり、物質を変化させたりすることだと思うよ。」
「はい、ありがとうございます。シェルフールに戻ったら、“しゃんぷりん”の研究も進むことだと思います。」
「だね。君の魔法がこの世界の女性を変えていくんだ。凄いことだよ。」
「イチ様…、本当にありがとうございます…。こんな私を拾っていただき…」
「拾うだなんて思わないで。俺は石化したミリーを助けただけ。
それが縁でミリーとこうして愛し合うことができたって事だ。」
「ふふ。そうですね。
イチ様、他にも何か魔法を教えてください。」
「そうだな…。」
ミリーがこれから使える魔法、魔法と言えるかは分からないけど、生活魔法のクリーン、熟成、撹拌、分離…。使ったことがあるものはそれくらいか…。
電気分解という理解ができれば、もっと錬成にも幅が広がるんだが、俺の知識では教えることができない…。それじゃ、後は…。
「あ、そう言えば錬成とかする際に物を冷やすことって必要か?」
「はい。石鹸を作る時とか、しゃんぷりんの素材を熱して撹拌するんですが、その後自然に冷やすと時間がかかります。」
「自然冷却はどれくらいかかるの?」
「石鹸だと、約1か月かかります。」
「そんなにかかるんだ…。んじゃ、氷というか冷却魔法を覚えてみるかい?」
「え、そんな高等な魔法も教えてくださるんですか?」
「高等かどうかは分からないけどね。んじゃ、教えるね。」
この土地の温度と高山の温度の違いを説明する。
高い地は気温が低い、それは夏でも同じ。そんな事を説明したがいまいちピンときていない。
うーん…。どうやって教えたら…、実感してもらう方がいいか。
“グラビティ”は重力をかけるイメージだ。
では、その逆は?重力をかけないイメージ。
「ミリー、少し待ってくれないか。ひとつ試したい魔法が出てきた。」
「はい。」
俺の周りに重力をかけないようイメージする。そう、重力を無くすだけなのでイメージしやすい。
本来なら高いところから自由落下した際に無重力を体験できるが、生憎俺はそんな立派なヒトではない。
モノが落ちないイメージ、浮遊というイメージだろうか。
「いけ、フロート!」
お、俺の身体が浮いた。これで重力は無くなったということだ。
この状態で下から吹き上げる風を出す。
ゴツ!
天井にしこたま頭をぶつけた…。
「痛っってぇ~~~~!」
「イ、イチ様…。だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、何とか…。でもすっげー痛い。」
「今、何をされたんですか?」
「あ、今な、俺の周りの重力を無くして浮いた状態にして、下から風を送った。」
「へ?」
「いや、飛べるかなって思ってね。」
「イチ様…、それは高度な魔法の“フライ”でしょうか?」
「あ、そんな魔法あるんだ。でも、見て。こんなことができるようになるんだよ。」
俺の周りの重力を無くし、風をゆっくりと送る。
ふわ~と浮遊している。
「イチ様、それが“フライ”ですか?」
「いや、飛んでいないから…。単に浮いているだけなので“フロート”かな。」
「それを覚えることはできますか?」
「うーん。グラビティが理解できれば…だけどね。
そうそう、それじゃ、高度が上がれば寒くなるってのを体感してみるかい?」
「はい!」
とりあえず、失敗して落ちても痛くないように強化だけはかけておく。
「それじゃ、ミリーと初の空の散歩を楽しもう。
俺にしっかりと掴まっていてね。」
「はい!」
バルコニーに出て、俺とミリーの周りの重力を消す。
「フロート!」
二人が浮いた。
「んじゃ、行くか!」
バフがかかり、下から風をゆっくりと送ると少しずつ上昇した。
「こりゃ、操作が難しいな。」
四方八方からの風をイメージし、上昇、下降、前後左右の移動を一通り練習し、コツを掴み少しずつ上昇し始めた。
ミリーは怖いのか、目をつむっている。
「ミリー、目を開けてごらん。綺麗だよ。」
「はい…、え!!イチ様、飛んでます。」
「まだ、飛ぶ域には達していないけど、浮いているね。そして上昇している。」
「街が凄く綺麗です。」
「どう?空気が少し冷たくなったことを感じることができるかい?」
「うんと…、まだ分かりません。」
「それじゃ、もうちょっと上昇するよ。ちゃんと掴まっていてね。」
「はい!」
あ、俺二人の周りにフロートかけているから、掴まっていなくでも良いんだ…
と思ったけど、ま、いいか。
確か100m上昇すれば0.6℃下がるんだっけ?
それじゃ、500mで3℃、1,000mで6℃か…。
どんどん上昇していく。
高度計がないから分からないけど、大分上昇し気温も下がったようだ。
「ミリー、ここの気温はどう?地上に比べて寒くないか?」
「イチ様、寒いというより、怖いです…。」
あ、ごめんなさい…。そうだよな…。高所恐怖症だとそうなるよな…。
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