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第八章
8-21 急展開
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「難しいお話ではございません。
昨晩、子供たちと話し合いました…。」
うぇ、もう話し合ったんかい!
「はい。」
「出来ればソフィアの子が生まれるまでは居て欲しいとの事でしたが、子供を見てしまうと決心が鈍るので、と伝えました。」
「はい…。」
「ですが、私の想いは既にカズさんにあります。」
「はぁ…。」
「と言うのは冗談ですわ。」
「はぁ?!」
けらけらと笑っている。
良かった…、死ぬかと思ったよ。
でも、笑顔が素敵だね。
「良かったですね。」
「いいえ、何も良くはありません。このままいけばヴォルテスもソフィアも私を頼ってばかりになりますし、私も甘やかせてしまう事も有るかもしれません。」
「でも、親だから仕方のない事ですよ。」
「そうですね…。でも気持ちは揺れ動いているのですよ。
先ほど魔法を教えていただいた際、私の本当にやりたかったことを思い出したのです。」
「そのやりたいこととは?」
「はい。魔導師となって、ダンジョンに入りたいです。」
うぉい!あんた何言ってるんだ?
って、52歳の俺が言える立場じゃないか…。
「魔法は辛いですよ…。」
「カズさんの戦い方を見ていれば分かります。
砲台としてはいけるかもしれませんが、近接には弱いという事も。
しかし、カズさんは、その弱点を克服するために必要な魔法も身に着けておられます。」
「まぁ、俺の魔法は規格外みたいですからね。」
「若い頃、私もそう言われていました。
詠唱をせずに魔法が放つことは、この国の魔法では認められないと言われました。
それに、氷を使える魔導師は私しかおらず、それも異端といわれたくらいです。」
「魔法の元素の事ですか?」
「はい。魔法は火、水、風、土、光、闇の6種類に分けられるとされています。
しかし、氷は入っていないのです。故にヒトは私の事を揶揄して“氷の魔導師”と呼んだのです。」
「そうでしたか…、さぞやお辛かったんでしょうね。」
「カズさんも規格外と呼ばれてどうでしたか。」
「俺は別にどうとも思っていませんよ。ヒトはヒトで俺は俺です。
それに、俺の場合は“薬草おっさん”から始まり、“Late Bloomer”とか“雷おやじ”とも呼ばれていますよ。どんな呼び方であっても、俺はみんなと仲良くやっていきたいと思っています。」
「そうですか。お強いのですね。」
「それも、ディートリヒ達が居てくれるからです。」
「ディートリヒさん達が羨ましいです…。」
「え?」
「いえ、何も…。それに皆さんお若いですものね。」
「そうですね。彼女たちはまだまだ伸びると思います。
でも、俺52歳です。棺桶担いでダンジョンに行ってるって言われたこともありますからね。」
「それでも強ければそれで十分じゃないですか。」
「いいえ、強ければ…ということでは何も進みませんよ。
俺には弱さ、脆さもあります。
それを理解して初めて自分の力を理解できるんだと思います。」
「カズさんの考え方は凄いですね。
もう終わったと思っている私にも夢を与えてくださいます。」
「夢はいつまでも持っているものですよ。こんなおっさんでも夢はありますからね。」
「それが下着であり、石鹸なのですか?」
「それは、一つのきっかけにしかすぎません。俺にはまだやりたいことがあるんですよ。」
「その中に私はいますか?」
「え?」
「カズさんの夢の中に私はいますか?」
「そうですね。下着や石鹸ではお力になっていただきましたね。それからまだまだお力になっていただきたいと思っています。」
メリアドールさんは笑顔になる。そして涙を流す。
「嬉しいです…。カズさんの夢の中に私が居るということですね…。」
「いや、泣くような事でもないですよ。」
「いえ、もうすぐ40に届くような女性が言うようなことではありませんが、初めて、こ…、こ…、恋焦がれるという気持ちになっております。」
この世界の女性って、凄くアグレッシブだ…。
でもそれで良いのかもしれない。
「メリアドールさん、俺は待っていますよ。
先ずはしっかりと身体を完治させ、シェルフールに来てください。
そして、その時は魔法を一緒に学んで、ダンジョンに入りましょう。
ただ、マナの枯渇だけは避けなければいけないので、その練習もしておかないといけませんね。」
「はい。カズさん、待っていてください。
必ず完治させ、あなたの住む町に行きます。
ふふ、その前に今回の件を確実にするために私も動きます。
それが近道ですからね。
あ、カズさん、頭にゴミが付いていますよ。取ってあげますね。」
メリアドールさんが近くに寄って頭のゴミを摂ってくれる。
「ほらね。」
「ありがとう。」
「ではお礼に chu!」
え!? おでこに柔らかいモノが当たり、頭が真っ白になった…。
「ふふ。お礼をいただきました。」
再稼働するまで10秒ほどかかった。
「メリアドールさん…」
「しっ。これはお礼としてもらったものですよ。ぜったい返しませんからね。」
「あの、俺、愛している女性が4人いるんですよ。」
「はい。知っています。そこに私も加えてください。」
なんか急展開になってます…。頭が回りません…。
別の話に持って行こう…。
「えと…、すこしご相談があるのですか…。」
「ふふ、何ですか、カズさん。」
「何か、恥ずかしいですね。」
「そうですね。」
「えと、王都に行ってくださるって事ですか?」
「えぇ、酔いどれ爺に早く病気が完治したと認めてもらうために。」
「では、王都でオークションというものは定期的に開催されているのでしょうか。」
「はい。月1回はありますよ。そこに何か出されるのですか?」
「えぇ。ダンジョンに行きますと、ボス部屋という所があり、そのボスを倒すと稀にドロップするものがあるんですよ。それがこれです。」
「あ、これはオーク・キングの睾丸ですね。」
「はい。こういったモノが数点あります。それを出展してほしいのです。」
「別に構いませんが、それでしたら私がダンジョンに入った後の方が良いでしょうね。」
「あ、そうですね。今アドフォード家から出展すれば、アドフォード家の財政が、と噂が立つでしょうからね。」
「そこまで読まれているんですね。流石です。」
「いえ、経験ですよ。」
「それと、メリアドールさんを信じてお見せします。」
俺はエンペラー・サーペントの魔石を出している。
「え、これは???」
「エンペラー・サーペントの魔石です。」
「この魔物はたしか、北東の湖に住むという災害級の魔物ですね…。」
「災害級かどうかは分かりませんが、倒したことは事実です。
たしか、ヴォルテスさんの立て看板もあり通行禁止だったのですがが、今は安全に通行できているはずです。」
「ふふ、これを王宮との交渉の際の最終兵器とするおつもりですか?」
「いえ、これはメリアドールさんに託します。
俺が持っていても何の意味もありませんので。
あ、それとその証拠に鱗も少し持って行ってください。」
「カズさん、これを王宮に提示するという事はどういう事かお分かりになっているのですか?」
「そのために、メリアドールさんが一肌買ってくださるのでは?」
「…あ、そういう事ですか。」
「そうすれば、ヴォルテスさんもスティナさんも納得されますし、彼らも俺のところにも気軽に来ることができるんじゃないですか。」
「ふふ。つまり、兄に私がカズさんの身辺を見張るという目的で、カズさんの家に転がり込む。そして政略的に妻としていただくことで、カズさんはこの国から出ることもなくなり、王宮も安泰となる…と。」
「メリアドールさんは、本当に策士ですね。」
「あら?その提案をされたのはカズさんですよ。」
「まぁ、そういった意味で、王宮に貸しを作っておくのも良いかと思いまして。
それと、これからの事も大きな事となりますので、メリアドールさんに相談したくて。」
「もう、メリアでよろしいですよ。それに、ここからの話は、カズさんの奥様方と一緒に聞いた方がよろしいですね。では、うちも信頼できる次女を連れてきます。
おそらく、今魔法を習っているメイドを同じだと思いますので。」
目の前にあった霧が晴れ、はるか遠くの景色まで見える。
そして再び歯車がゆっくりと回り始めた。
昨晩、子供たちと話し合いました…。」
うぇ、もう話し合ったんかい!
「はい。」
「出来ればソフィアの子が生まれるまでは居て欲しいとの事でしたが、子供を見てしまうと決心が鈍るので、と伝えました。」
「はい…。」
「ですが、私の想いは既にカズさんにあります。」
「はぁ…。」
「と言うのは冗談ですわ。」
「はぁ?!」
けらけらと笑っている。
良かった…、死ぬかと思ったよ。
でも、笑顔が素敵だね。
「良かったですね。」
「いいえ、何も良くはありません。このままいけばヴォルテスもソフィアも私を頼ってばかりになりますし、私も甘やかせてしまう事も有るかもしれません。」
「でも、親だから仕方のない事ですよ。」
「そうですね…。でも気持ちは揺れ動いているのですよ。
先ほど魔法を教えていただいた際、私の本当にやりたかったことを思い出したのです。」
「そのやりたいこととは?」
「はい。魔導師となって、ダンジョンに入りたいです。」
うぉい!あんた何言ってるんだ?
って、52歳の俺が言える立場じゃないか…。
「魔法は辛いですよ…。」
「カズさんの戦い方を見ていれば分かります。
砲台としてはいけるかもしれませんが、近接には弱いという事も。
しかし、カズさんは、その弱点を克服するために必要な魔法も身に着けておられます。」
「まぁ、俺の魔法は規格外みたいですからね。」
「若い頃、私もそう言われていました。
詠唱をせずに魔法が放つことは、この国の魔法では認められないと言われました。
それに、氷を使える魔導師は私しかおらず、それも異端といわれたくらいです。」
「魔法の元素の事ですか?」
「はい。魔法は火、水、風、土、光、闇の6種類に分けられるとされています。
しかし、氷は入っていないのです。故にヒトは私の事を揶揄して“氷の魔導師”と呼んだのです。」
「そうでしたか…、さぞやお辛かったんでしょうね。」
「カズさんも規格外と呼ばれてどうでしたか。」
「俺は別にどうとも思っていませんよ。ヒトはヒトで俺は俺です。
それに、俺の場合は“薬草おっさん”から始まり、“Late Bloomer”とか“雷おやじ”とも呼ばれていますよ。どんな呼び方であっても、俺はみんなと仲良くやっていきたいと思っています。」
「そうですか。お強いのですね。」
「それも、ディートリヒ達が居てくれるからです。」
「ディートリヒさん達が羨ましいです…。」
「え?」
「いえ、何も…。それに皆さんお若いですものね。」
「そうですね。彼女たちはまだまだ伸びると思います。
でも、俺52歳です。棺桶担いでダンジョンに行ってるって言われたこともありますからね。」
「それでも強ければそれで十分じゃないですか。」
「いいえ、強ければ…ということでは何も進みませんよ。
俺には弱さ、脆さもあります。
それを理解して初めて自分の力を理解できるんだと思います。」
「カズさんの考え方は凄いですね。
もう終わったと思っている私にも夢を与えてくださいます。」
「夢はいつまでも持っているものですよ。こんなおっさんでも夢はありますからね。」
「それが下着であり、石鹸なのですか?」
「それは、一つのきっかけにしかすぎません。俺にはまだやりたいことがあるんですよ。」
「その中に私はいますか?」
「え?」
「カズさんの夢の中に私はいますか?」
「そうですね。下着や石鹸ではお力になっていただきましたね。それからまだまだお力になっていただきたいと思っています。」
メリアドールさんは笑顔になる。そして涙を流す。
「嬉しいです…。カズさんの夢の中に私が居るということですね…。」
「いや、泣くような事でもないですよ。」
「いえ、もうすぐ40に届くような女性が言うようなことではありませんが、初めて、こ…、こ…、恋焦がれるという気持ちになっております。」
この世界の女性って、凄くアグレッシブだ…。
でもそれで良いのかもしれない。
「メリアドールさん、俺は待っていますよ。
先ずはしっかりと身体を完治させ、シェルフールに来てください。
そして、その時は魔法を一緒に学んで、ダンジョンに入りましょう。
ただ、マナの枯渇だけは避けなければいけないので、その練習もしておかないといけませんね。」
「はい。カズさん、待っていてください。
必ず完治させ、あなたの住む町に行きます。
ふふ、その前に今回の件を確実にするために私も動きます。
それが近道ですからね。
あ、カズさん、頭にゴミが付いていますよ。取ってあげますね。」
メリアドールさんが近くに寄って頭のゴミを摂ってくれる。
「ほらね。」
「ありがとう。」
「ではお礼に chu!」
え!? おでこに柔らかいモノが当たり、頭が真っ白になった…。
「ふふ。お礼をいただきました。」
再稼働するまで10秒ほどかかった。
「メリアドールさん…」
「しっ。これはお礼としてもらったものですよ。ぜったい返しませんからね。」
「あの、俺、愛している女性が4人いるんですよ。」
「はい。知っています。そこに私も加えてください。」
なんか急展開になってます…。頭が回りません…。
別の話に持って行こう…。
「えと…、すこしご相談があるのですか…。」
「ふふ、何ですか、カズさん。」
「何か、恥ずかしいですね。」
「そうですね。」
「えと、王都に行ってくださるって事ですか?」
「えぇ、酔いどれ爺に早く病気が完治したと認めてもらうために。」
「では、王都でオークションというものは定期的に開催されているのでしょうか。」
「はい。月1回はありますよ。そこに何か出されるのですか?」
「えぇ。ダンジョンに行きますと、ボス部屋という所があり、そのボスを倒すと稀にドロップするものがあるんですよ。それがこれです。」
「あ、これはオーク・キングの睾丸ですね。」
「はい。こういったモノが数点あります。それを出展してほしいのです。」
「別に構いませんが、それでしたら私がダンジョンに入った後の方が良いでしょうね。」
「あ、そうですね。今アドフォード家から出展すれば、アドフォード家の財政が、と噂が立つでしょうからね。」
「そこまで読まれているんですね。流石です。」
「いえ、経験ですよ。」
「それと、メリアドールさんを信じてお見せします。」
俺はエンペラー・サーペントの魔石を出している。
「え、これは???」
「エンペラー・サーペントの魔石です。」
「この魔物はたしか、北東の湖に住むという災害級の魔物ですね…。」
「災害級かどうかは分かりませんが、倒したことは事実です。
たしか、ヴォルテスさんの立て看板もあり通行禁止だったのですがが、今は安全に通行できているはずです。」
「ふふ、これを王宮との交渉の際の最終兵器とするおつもりですか?」
「いえ、これはメリアドールさんに託します。
俺が持っていても何の意味もありませんので。
あ、それとその証拠に鱗も少し持って行ってください。」
「カズさん、これを王宮に提示するという事はどういう事かお分かりになっているのですか?」
「そのために、メリアドールさんが一肌買ってくださるのでは?」
「…あ、そういう事ですか。」
「そうすれば、ヴォルテスさんもスティナさんも納得されますし、彼らも俺のところにも気軽に来ることができるんじゃないですか。」
「ふふ。つまり、兄に私がカズさんの身辺を見張るという目的で、カズさんの家に転がり込む。そして政略的に妻としていただくことで、カズさんはこの国から出ることもなくなり、王宮も安泰となる…と。」
「メリアドールさんは、本当に策士ですね。」
「あら?その提案をされたのはカズさんですよ。」
「まぁ、そういった意味で、王宮に貸しを作っておくのも良いかと思いまして。
それと、これからの事も大きな事となりますので、メリアドールさんに相談したくて。」
「もう、メリアでよろしいですよ。それに、ここからの話は、カズさんの奥様方と一緒に聞いた方がよろしいですね。では、うちも信頼できる次女を連れてきます。
おそらく、今魔法を習っているメイドを同じだと思いますので。」
目の前にあった霧が晴れ、はるか遠くの景色まで見える。
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