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第六章

6-20 情けよりも愛し合いたい

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 夕ご飯を簡単に済ませた後、お風呂に全員で入り、俺はベリルとスピネルと呼んだ。

「ニノマエ様、今宵はよろしくお願いいたします…。」
 
お、おぅ…、でも、そういう事まで行くかは分からないけど…。

「二人を呼んだのはマナ、俺は“気”と呼んでいるが、その“気”の使い方にムラがあるのを直すためだよ。」
「はい…。
そのとおりです。なかなかマナをお腹に集めることが難しいので…。」
「“月のモノ”をイメージしてもなかなか難しいのか?」
「はい…。私達の種族は千年以上生きる種族であり、その中でも子孫を残すタイミングというのも生涯に一度か二度しかなく、“月のモノ”というものも、そう来ませんので…。
 何というか、イメージも湧かないのです。」

 あ、そう言う事か…。

「そうすると、なにか分かる方法は…。」
「それは、ニノマエ様からお情けをいただくことだと…。」
「あの、それ違うからね。」

 取り敢えず否定しておく。

「あのね、何度も言うけど、お情けとか言っているうちは無理だから。」
「では、愛してください…。」

 うーん。残念なベリルさんだ…。
というか、もしかして…。うわ、聞くのも辛いな…。

「もしかして、ベリルもスピネルも…。未体験…?」
「は、はい…。ですので、何も知りませんので…。」

 あ、そういう事ね。

「ベリル、スピネル。愛し合うって事は情けをもらうことではないんだよ。
お互いが愛していると実感できる事なんだ。それは別に情けというものではなく、それ以外の方法でもできるんだ。」
「はい。」

「例えば、うーん…、竜人族の事は良く分からないけど、どこか触られるとくすぐったいというか、変な気持ちになるというか、そんな箇所はないかな?」
「はい。それですと尻尾の付け根辺りが…。
 あ、でも、そこを触られると婚姻するという意味もありますので…。」
「では、そこが性感帯なのかもしれないね。
 だから、大切な部分を触られるという事が信頼関係を生み、婚姻に結び付けるという事か。
 なかなか興味深いね。
 では、そこは手で触るの?」
「そうです。」

 竜人族の結婚の儀式のようなものを勉強できたよ。
しかし、この世界の結婚ってのはどんなものなのかね?
戸籍とかもしっかりしていないと思うし…。

「そうか。じゃぁ、キスというものはしないの?」
「それはしますが、あくまでも挨拶程度の事でしか考えません。」
「ふーん。では、舌とかは絡ませないの。」
「え、舌と舌を…ですか?」
「うん。その他にも耳にキスしたり、首筋にキスしたり…。」
「ひゃぁ…、そんな事することが“お情け”なのでしょうか?」

うん…、彼女たちが思う“お情け”とは、合体して男が果ててそれで終わりという伯爵家と同じパターンのようだ…。

「あのね…。“お情け”とか言ったっけ?その間、君たちは何をしていようと思ってたの?」
「はい。ずっと我慢しています。」
「私は、天井の節目を数えようと…。」

 ダメだ、こりゃ。
 
「あのね…。俺の話を聞いてた?
 君たちが気持ちが良い、甘美な気持ちになる。俺も甘美な気持ちになる。
 お互いがお互いに甘美になった最後が繋がる、つまり一体となるって事ね。
 そうじゃなければ自己顕示を満足させてるだけか凌辱と同じ事だよ…。」
「しかし、私たちは何も知らずに村を出ましたので…。」
「逆にそれがいいんじゃないの。」

 俺は勇気を出して彼女たちを隣に座らせる。
何で勇気を出したかというと、またディートリヒのお世話になってしまうから…。
少しでも強い心を持たなければ、皆に心配をかけてしまう…。
俺が不安になればなるほど、彼女たちはもっと不安になってしまう…。

「じゃぁ、俺のこれからすることを受け入れてね。」
「ひゃい(ふぁい)。」

 うん緊張しているね。でも、その緊張が緩み始めると変わってくると思う…。
俺はベリルに口づけをする。
先ずは軽くバードキス。その姿をスピネルが見ている。
そして、唇の先を軽く舌でノックする…。ベリルも口を少し開け、受け入れてくれる。
最初は舌の先同士を軽く触れ、その後少し奥に入れて絡ませる。フレンチキスだ。
ベリルも最初は緊張して、動きがぎこちなかったが、だんだん自然に舌の動きがなめらかになってくる。
一旦ここで終わり、もう一度バードキスで終わる。

 ベリルが顔を赤面してモジモジしながら話してくれる。

「ニノマエ様…。その…、キスというのはとろけるような気分になるものなのですね。」
「うん。それにね。今は俺がベリルの方にお邪魔したけど、その逆もありなんだよ。」
「そうなのですね。それもお互いがとろけるのに必要な事なのですね。」

 同じ事をスピネルにもする。
スピネルの方が感じやすいのだろう…。フレンチキスになった途端、身体に力が入らなくなり、俺にしなだれてくる。これからの事はベリルには見ててもらった方が良いな…。

「スピネルは感じやすいね。」
「はぁ…、こんなにもキスというものは甘美なのですね…。」
「これが最初の挨拶だ。じゃ、スピネル。次にいくね。」
 
 スピネルの首筋にキスをする。
するとスピネルが甘美な声をあげる…。耳、そして耳たぶを少し噛むと、スピネルはしなだれるだけでなく、身体をガクガクとし始める。
 
「ニ、ニノマエ様…、すみません…。身体が思うように動きません…。」
「うん…。それが悦びだと思う。どんな気持ち?」
「あ…、気持ち良いというか…、身体が水のようになるというか…。それとお腹が熱くなってきています…。」
「じゃ、首と肩、そしてその下にキスをしていくね。」

 首筋、肩、そして背中…、そして胸に移る…。
 もうその頃にはスピネルはとろとろな顔になり、甘美な声を出している。
胸に少しキスをしただけで、身体がビクッとする。
その後、俺は後ろから抱きしめる。もちろん背中にキスをしながら胸を柔らかく揉む…。
スピネルは感度が良いのだろう。時よりビクッとしながら甘美な声を出している。

「どうスピネル?どんな感じ?」
「え、そ、そんな、言葉にならないくらい、気持ちが良いです。とろけてしまいます…。」
「これが愛するって事の準備なんだよ。」
「え…、これが準備なのですか?」
「うん。今スピネルは気持ち良くなっているでしょ。下はどう?」
「下って…、は、はい…、濡れています…。」
「うん。濡れるってことはそれで男性のあれを入れる準備ができたって事なんだよ。」
「あ、そうなんですね。」
「でもね、それだけではダメなんだよ。」
「ダメといいいますと?」
「それはね。スピネルがどうしたいのかって事なんだ。」
「それは…。ニノマエ様にも同じような気持ちになってもらいたいと思います。」
「うん。それが愛し合うって事なんだよ。
 一人で気持ちよくなっても、それは自慰行為と一緒なんだ。
 二人で居るのなら、二人で気持ち良くなる…、甘美な気持ちになるって事が大切なんだ。
 じゃぁ、もう少し進めるね。」

 俺はもう少しだけ進める。
彼女を寝かし、胸を優しく揉み、お腹に口づけをし舌を這わせる。
スピネルはすぐに甘美な声を上げ、俺を抱きしめる。
その後、おへその下にいき、繁みに口づけをする。

「はぅ!」

 スピネルはのけぞった。
その後濡れている箇所にキスをし、舌を少しだけ入れる。

「そ、そこは汚いところです…。」
「汚くなんてないよ。
愛し合うって汚いことではないんだ。
スピネルがして欲しいことをする、俺もして欲しい事をしてもらうって事が愛し合うって事だと思うよ。」
「で、でも…。あ、あぁ…。ニノマエ様、気持ち良い…。」
「うん。じゃぁ、最後だけど少しだけ我慢してね。」

 俺はスピネルをうつ伏せにし、背中から舌を這わせ尻尾の付け根までいき、丹念に舐める。
その後、尻尾の根本を少し吸った。

「あ、あぁぁ…。変です…。あぁ…。」

 彼女は身体をビクビクッとのけ反らせ、綺麗な雫を出した。

「あ…、あぁ…すみません。大事なベッドを汚してしまいました…。」
「スピネル、そんな事は無いんだよ。
 汚くなんてないんだ。
 気持ちが頂点に達することを“オーガズム”に達するって言うけど、それを“イク”って言うんだ。」
「“イク”というんですね。でも、何度もそのような気持ちになりました。」
「うん。女性は何度もそのような気持ちになれるんだよ。そして最高に達するとスピネルは綺麗な水を出してくれるって事になるんだ。」
「は、はい。少し恥ずかしいですが…、その通りです。」
「で、どうだい?
 今、スピネルはお腹の中に何か熱いものを感じないかい。」
「はい、熱いです。ポカポカというよりも、この熱いほてりを何とかしてほしいと思います。」
「うん。それが一つになるって合図だと思うよ。
 それは、お情けではなく、二人が気持ちが最高潮になって準備が整ったという事なんだ。
 今日はスピネルはここまでにしよう。マナを集める事も今をイメージすると分かりやすくなるよ。」

 スピネルは少し考える。

「しかし、ニノマエ様は気持ち良くなっておりません。」
「それは、今度で十分だよ。」

 少し強がりを言ってみた。
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