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第五章
5-12 出発!
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翌朝、俺は身体がこわばっていた。
そう、シングルの布団で3人が寝る、真ん中の俺は動けないんだ…。
両脇の女性陣は布団に満足しているようだ。
「身体が軽いです。」
「こんなふかふかの中で寝るのは至福の時ですね。」
二人でウフフキャッキャしてるよ。
「さて、お二方、朝食を食べたら南門に向かうよ。
ナズナは先行して、敷物と地図を買って南門に来て。俺とディートリヒは馬車を借りて南門に行くからね。」
「はい(はい)。」
俺たちは琥珀亭を後にし、ナズナは店に、俺とディートリヒは馬車を借りた店に行く。
ディートリヒが店員と話し、一台の馬車がやって来る。
2頭立ての幌馬車だ。
おぉ!西部劇の番組で見たまんまのものだ!胸が躍るぜ!
馬車の中を見ると、うん…、まんま西部劇…。
そりゃクッションが必要になるわな…。
それに車輪がタイヤじゃない。木枠に地面に接する部分の金属が張り付けてある車輪だ。
ゴムはこの世界に来てから見た事がない。
俺とディートリヒが操縦できないため、店員さんに南門まで操縦してもらう。
その間だけでも尻が痛い。これは過酷な旅になるぞ…。
俺は道すがら開いている店で厚手の毛布を購入し、敷布団を織りたたみ、毛布でくるんで座る場所に敷いた。
ナズナも途中で合流し、敷物を座席に置いていく。
少しはマシになったか…、でもこれはずっと座っていると痛くなるやつで、俺のようなおっさんは腰をやられるやつだよ。
道中、暇になったらいろいろと考えてみることにしよう。
南門に到着するとレルネさんルカさんは大きなリュックを背負っていた。
聞けば故郷へのお土産だそうだ。その荷物を馬車の中に積み込んでいると、“ヤハネの光”の4名と何故か1名加わっている。
「何でシーラさんが居るんだ?」
「はい。これでも評定官の資格を持っております。今回の依頼でヤハネの皆さんが滞りなく護衛任務を遂行できるのかをチェックするためです。勿論ギルド長の承認も取り付けてあります。」
残念なヒトも来るのか…。前途多難だな…。
ここで返すのも大人げないので、彼らの荷物も馬車に積みこんで南門を出発。
先ずは湖を目指すため、一路南を目指した。
馬車の中では俺とディートリヒ、ナズナが座り、反対側にレルネさん、ルカさんとシーラさん、ベアトリーチェさんが座っている。対面状態で座っている。
御者席にはバーンさん、ブライオンさん、エミネさんが座っている。
これで置いてある荷物も含めいっぱいいっぱいだ。
その時はバーンさんか、ブライオンさんに歩いてもらおう…。
あ、俺は無理です。ゆっくり歩くことはできても、馬と同じスピードで歩くことなんてできません。
道中いろいろな話を聞く。
先ず大きな荷物を持ってきたルカさんにアイテムボックスは持っているかと聞くと、持っていないとの事。勿論“ヤハネの光”も持っていない。アイテムボックスは非常に希少で高価なため、なかなか市場に出回らないようで、1m四方のスペースで100kgくらい入るバッグでも金貨3枚くらいするようだ。
それじゃ、俺の持っている8個(2,000kg)のバッグは一体いくらになるんだろう…。少し不安になってきたが、レルネさんに確認すると売れば良いとの事だったので、レルネさんに金貨5枚で1個売る事にした。これで荷台がすっきりした。
“ヤハネの光”のベアトリーチェさんとシーラさんも憧れの眼差しで見ているが、金貨5枚など持っている訳もなく失望しかけている。
「なぁ、ベアトリーチェさんとエミネさん、アイテムバッグがあれば少しは依頼が楽になるか?」
「それは全然違います。重いモノを持って戦闘なんかできませんし、依頼品を納入する時にも楽になりますから。本当は会ったその場でニノマエさんから欲しいって頼めばよかったんですが、なかなか踏ん切りがつかなくて…。」
「その時銀貨1枚だよ、って言ってくれてたら、自分は売ってたと思うけどね。」
俺は、笑いながら前に乗っているエミネさんにバッグを渡す。
「え、私たちこんなバッグを買えるだけのお金持っていませんよ。」
「うん。知っている。でもね、これは初期投資って言うんだ。
金貨5枚なんて大金だって事はわかってるから、月々決めて返してくれるだけで良いよ。
それに、前途有望な若いヒトが困っているなら、助けるのが年寄りの役目だよ。ね、レルネさん。」
「何故、儂に振るのじゃ。それに何故儂から金を取るんじゃ?おかしいじゃろ。」
「だって、レルネさんはお金持ちですからね。」
「まぁ、仕方がないの。エミネとベアトリーチェと言ったか?おぬしらは魔法をたしなんでおるの。
この遠征が終わったら儂の店に来い。タダとは言わんが、格安で主らの装備品を見繕ってやろう。」
「という事ですよ。良かったですね。おかあさ…、いえ、エミネさん。」
「え、おかあ…さん? あ、はい。良かったです。
少し迷ってたんです。
これからCランクになるのに装備品が貧弱だなって…。それに、今のままオークの依頼を受けても誰かがケガするんじゃないかと思ってましたから。」
エミネ母さん、それ正解です。
俺も同じ事思っていましたから。
ベアトリーチェさんも安心した顔をしている。
「一応、説明しておきますが、その袋は5.4m四方で2tしか入りませんのでご了承くださいね。」
「は?2t?何かの間違いじゃないのか?そんなおっきなもの俺たち一生かかっても無理だぞ。」
バーンさん不安になってきている。
「バーンさん、おっきくなんてないんです。
本来であれば、もっと重いものが入るくらいの容量なんですが、敢えて重量制限をかけているんですよ。」
「すみません…、行ってることが全然理解できないんですが。」
はいバーンさん、俺と一緒で文系の脳筋確定です。
「それよりも、魔法の事を教えてほしい…。」
お、ベアトリーチェさん久しぶりに声を聞いたよ。あ、ブライオンさんもまだ声を聞いていないか。
この2人って寡黙なんだよね。
「魔法であれば、レルネさんが適任でしょうね。」
「何を言うか、イチの方が“とんでも魔法”撃てるだろうに。」
「自分の魔法はいかんのです。放つことはできても教えることが難しいんですよ。」
「そりゃ、そうじゃの。あんな“とんでも魔法”を無詠唱で撃つ奴なぞ見た事はないからの。」
「あの、すみません。その“とんでも魔法”とは何でしょうか?」
「ぬ?シーラとか言ったか?そちは北西に出来たあのキラキラした大地を見ておらぬのか?」
「いえ、スタンピード後には行きましたが、当日は屋内待機命令がかかっていましたので…。
あの場所がどうかしたのですか?」
「あの場所をあんなふうにしてしまったのは、ここにいるイチじゃ。」
「えええええーーーー」
ヤハネさん含め、全米中が驚愕した…。
え?みんな知らなかったの?確か壁にいたよね。
「ヤハネのみなさんはあの時どこにいらっしゃったのですか?」
「私たちは弱いからって、一つ目の壁に居て馬車が出て行った後は街の掃討に加わっていました。
そしたら急に外が静かになって、間もなくしてスタンピードが終息したと連絡がありました。」
納得。だから知らないんだ。
「それが良かったのか悪かったのかは分からぬが、あそこをあんなことにしたのがイチなのじゃ。」
「なんか歯がゆいです…。」
おれは頬をポリポリを掻くが、ベアトリーチェさんの眼が変わっている。
「ニノマエさん、いえ師匠と呼ばせてください!是非私を弟子にしてください。」
「いえ、その前に私を娶っていただくのが先です!」
シーラさん…、ブレないね…。
それにベアトリーチェさん…、この遠征中にもう一人残念なヒトが発生するような予感がしてきた。
そう、シングルの布団で3人が寝る、真ん中の俺は動けないんだ…。
両脇の女性陣は布団に満足しているようだ。
「身体が軽いです。」
「こんなふかふかの中で寝るのは至福の時ですね。」
二人でウフフキャッキャしてるよ。
「さて、お二方、朝食を食べたら南門に向かうよ。
ナズナは先行して、敷物と地図を買って南門に来て。俺とディートリヒは馬車を借りて南門に行くからね。」
「はい(はい)。」
俺たちは琥珀亭を後にし、ナズナは店に、俺とディートリヒは馬車を借りた店に行く。
ディートリヒが店員と話し、一台の馬車がやって来る。
2頭立ての幌馬車だ。
おぉ!西部劇の番組で見たまんまのものだ!胸が躍るぜ!
馬車の中を見ると、うん…、まんま西部劇…。
そりゃクッションが必要になるわな…。
それに車輪がタイヤじゃない。木枠に地面に接する部分の金属が張り付けてある車輪だ。
ゴムはこの世界に来てから見た事がない。
俺とディートリヒが操縦できないため、店員さんに南門まで操縦してもらう。
その間だけでも尻が痛い。これは過酷な旅になるぞ…。
俺は道すがら開いている店で厚手の毛布を購入し、敷布団を織りたたみ、毛布でくるんで座る場所に敷いた。
ナズナも途中で合流し、敷物を座席に置いていく。
少しはマシになったか…、でもこれはずっと座っていると痛くなるやつで、俺のようなおっさんは腰をやられるやつだよ。
道中、暇になったらいろいろと考えてみることにしよう。
南門に到着するとレルネさんルカさんは大きなリュックを背負っていた。
聞けば故郷へのお土産だそうだ。その荷物を馬車の中に積み込んでいると、“ヤハネの光”の4名と何故か1名加わっている。
「何でシーラさんが居るんだ?」
「はい。これでも評定官の資格を持っております。今回の依頼でヤハネの皆さんが滞りなく護衛任務を遂行できるのかをチェックするためです。勿論ギルド長の承認も取り付けてあります。」
残念なヒトも来るのか…。前途多難だな…。
ここで返すのも大人げないので、彼らの荷物も馬車に積みこんで南門を出発。
先ずは湖を目指すため、一路南を目指した。
馬車の中では俺とディートリヒ、ナズナが座り、反対側にレルネさん、ルカさんとシーラさん、ベアトリーチェさんが座っている。対面状態で座っている。
御者席にはバーンさん、ブライオンさん、エミネさんが座っている。
これで置いてある荷物も含めいっぱいいっぱいだ。
その時はバーンさんか、ブライオンさんに歩いてもらおう…。
あ、俺は無理です。ゆっくり歩くことはできても、馬と同じスピードで歩くことなんてできません。
道中いろいろな話を聞く。
先ず大きな荷物を持ってきたルカさんにアイテムボックスは持っているかと聞くと、持っていないとの事。勿論“ヤハネの光”も持っていない。アイテムボックスは非常に希少で高価なため、なかなか市場に出回らないようで、1m四方のスペースで100kgくらい入るバッグでも金貨3枚くらいするようだ。
それじゃ、俺の持っている8個(2,000kg)のバッグは一体いくらになるんだろう…。少し不安になってきたが、レルネさんに確認すると売れば良いとの事だったので、レルネさんに金貨5枚で1個売る事にした。これで荷台がすっきりした。
“ヤハネの光”のベアトリーチェさんとシーラさんも憧れの眼差しで見ているが、金貨5枚など持っている訳もなく失望しかけている。
「なぁ、ベアトリーチェさんとエミネさん、アイテムバッグがあれば少しは依頼が楽になるか?」
「それは全然違います。重いモノを持って戦闘なんかできませんし、依頼品を納入する時にも楽になりますから。本当は会ったその場でニノマエさんから欲しいって頼めばよかったんですが、なかなか踏ん切りがつかなくて…。」
「その時銀貨1枚だよ、って言ってくれてたら、自分は売ってたと思うけどね。」
俺は、笑いながら前に乗っているエミネさんにバッグを渡す。
「え、私たちこんなバッグを買えるだけのお金持っていませんよ。」
「うん。知っている。でもね、これは初期投資って言うんだ。
金貨5枚なんて大金だって事はわかってるから、月々決めて返してくれるだけで良いよ。
それに、前途有望な若いヒトが困っているなら、助けるのが年寄りの役目だよ。ね、レルネさん。」
「何故、儂に振るのじゃ。それに何故儂から金を取るんじゃ?おかしいじゃろ。」
「だって、レルネさんはお金持ちですからね。」
「まぁ、仕方がないの。エミネとベアトリーチェと言ったか?おぬしらは魔法をたしなんでおるの。
この遠征が終わったら儂の店に来い。タダとは言わんが、格安で主らの装備品を見繕ってやろう。」
「という事ですよ。良かったですね。おかあさ…、いえ、エミネさん。」
「え、おかあ…さん? あ、はい。良かったです。
少し迷ってたんです。
これからCランクになるのに装備品が貧弱だなって…。それに、今のままオークの依頼を受けても誰かがケガするんじゃないかと思ってましたから。」
エミネ母さん、それ正解です。
俺も同じ事思っていましたから。
ベアトリーチェさんも安心した顔をしている。
「一応、説明しておきますが、その袋は5.4m四方で2tしか入りませんのでご了承くださいね。」
「は?2t?何かの間違いじゃないのか?そんなおっきなもの俺たち一生かかっても無理だぞ。」
バーンさん不安になってきている。
「バーンさん、おっきくなんてないんです。
本来であれば、もっと重いものが入るくらいの容量なんですが、敢えて重量制限をかけているんですよ。」
「すみません…、行ってることが全然理解できないんですが。」
はいバーンさん、俺と一緒で文系の脳筋確定です。
「それよりも、魔法の事を教えてほしい…。」
お、ベアトリーチェさん久しぶりに声を聞いたよ。あ、ブライオンさんもまだ声を聞いていないか。
この2人って寡黙なんだよね。
「魔法であれば、レルネさんが適任でしょうね。」
「何を言うか、イチの方が“とんでも魔法”撃てるだろうに。」
「自分の魔法はいかんのです。放つことはできても教えることが難しいんですよ。」
「そりゃ、そうじゃの。あんな“とんでも魔法”を無詠唱で撃つ奴なぞ見た事はないからの。」
「あの、すみません。その“とんでも魔法”とは何でしょうか?」
「ぬ?シーラとか言ったか?そちは北西に出来たあのキラキラした大地を見ておらぬのか?」
「いえ、スタンピード後には行きましたが、当日は屋内待機命令がかかっていましたので…。
あの場所がどうかしたのですか?」
「あの場所をあんなふうにしてしまったのは、ここにいるイチじゃ。」
「えええええーーーー」
ヤハネさん含め、全米中が驚愕した…。
え?みんな知らなかったの?確か壁にいたよね。
「ヤハネのみなさんはあの時どこにいらっしゃったのですか?」
「私たちは弱いからって、一つ目の壁に居て馬車が出て行った後は街の掃討に加わっていました。
そしたら急に外が静かになって、間もなくしてスタンピードが終息したと連絡がありました。」
納得。だから知らないんだ。
「それが良かったのか悪かったのかは分からぬが、あそこをあんなことにしたのがイチなのじゃ。」
「なんか歯がゆいです…。」
おれは頬をポリポリを掻くが、ベアトリーチェさんの眼が変わっている。
「ニノマエさん、いえ師匠と呼ばせてください!是非私を弟子にしてください。」
「いえ、その前に私を娶っていただくのが先です!」
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