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第二章
2-12 奴隷は買いませんよ⑥
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「あ、ここは…。カルムさんの店か…。」
「おぉ、お気づきになられましたか?」
カルムさんは安堵する。
「ご迷惑をおかけしました。それで、治療したお二人はどうなりました?」
「ははは。ご自身の心配より奴隷を心配なさるのですか。ホントにお優しい方ですな。ご安心ください。2名とも無事で、欠損部分も程なく回復することでしょう。」
あ、俺、今まで気づかなかったけど、治癒魔法をかけると欠損した部分は直ぐに再生される訳じゃないんだ…。
「ところで、自分はどれくらいぶっ倒れていたんでしょうか?」
「普通の人であれば、先ず場所と時間を確認されることが一番なのに…。ホントに面白い人だ。」
カルムさんは、もうすぐお昼の鐘が鳴るころだと教えてくれる。そうすると、意識が飛んだ時間は、2時間くらいか。
「介抱していただき、ありがとうございます。奴隷を確認したいと思いますが、可能でしょうか。」
「彼女はまだ回復中ですし、治療の際に意識を無くしました。あ、命に別状は無いようなので、彼女の目が覚めたらお会いになるという事で如何ですか。」
「そうですか。では、昼食がてら外をぶらぶらとしていますね。」
「ニノマエ様、少しお時間をいただければと思いますが、昼食を取りながら少しお話ししませんか。」
カルムさんは昼食に誘ってくれた。断るのも何なので、それを受け入れることにする。
昼食を取りながら、何気ない話をする。食後のお茶が出された時、カルムが俺に尋ねる。
「ニノマエ様、奴隷をお買い求めになられた後はどうなさいますか?」
「ん?それは今後の活動という意味ですか?それであれば、薬草などを採取できるよう冒険者として登録します。」
「ほほう。昨日の話からブレてませんね。それで結構だと思います。」
カルムさんが何故そんな話をするのか分からない。何か裏があるのだろうか。
「冒険者パーティーに奴隷を入れることができないという事ではありませんので問題は無いでしょう。では、当店から冒険者ギルドで登録されるまで、ニノマエ様が恥をかかないようにいたします。」
「それはどういう意味ですか?」
「はい。先ず奴隷をお買い求めになられる方は、その場でお持ち帰りされます。そのため、当店で用意させていただく衣服よりも良いものを準備されてお帰りになられるのが一般的です。」
あ、そうか。奴隷を購入しても着の身着のまま帰ることは無いんだ…勉強した。
「ありがとうございます。そういった経験が全くないので、いろいろと教えていただけるとありがたいです。」
「ニノマエ様は、ほんとに謙虚でいらっしゃいますな。では、当店で見繕った服をお付けいたします。」
「そんな事をしていただいても良いのですか?」
「これも当店の奴隷を治療していただいたということで。」
カルムさんからの親切を素直に受け取っておこう。
「それと…」
小さな声で話し始める。
「ニノマエ様の魔法ですが…、非常に危険な魔法です。」
「危険ですか?」
「はい。それはニノマエ様個人が危険だということではなく、ニノマエ様の魔法が国や政治的に利用される可能性があるということです。」
「そうなんですか…。」
「そうです。なので、信頼できる人物の前でしか、あのヒーレスをお使いにならない方が良いと思われます。その方がニノマエ様の為だと思っています。」
「分かりました。では、カルムさんは信頼できるお方としてお付き合いいただければと思います。」
「末永くご贔屓にしてください。」
「ははは、奴隷を買えるだけのお金なんて、もうありませんよ。」
カルムさんとの昼食を終え、お店に戻ってきた。
店の前には、いつもの黒服のボディガードさんが立っている。
「お館様、あの奴隷が目を覚ましました…。」
「分かった。
ニノマエ様、奴隷が目を覚ましたようです。」
そう伝えると、カルムさんは店の中に入り、ボディガードに必要な書類を持ってくるよう指示し、奴隷が療養している部屋に案内された。
「先ずは奴隷紋を彼女に施さなければなりません。ニノマエ様との契約内容ですが、主人の命令には逆らえない事、主人を傷つけない事…その他、ご希望のものはございますか?」
俺…、奴隷を購入することは初体験ですよ…。制約事項なんて何も知らないよ。
「それで結構です。あ、それと主が死んだ場合や許可を出した場合は奴隷を解放するって事で。」
「分かりました。」
わ、知ったかぶりしちゃった…。
彼女が療養している部屋に到着する。ノックの後、カルムさんと俺は部屋に入る。
「この方がお前を買ってくださるニノマエ様だ。」
「よおひく(よろしく)、おえあいいあう(おねがいします)。」
呂律が回っていない。そうだった。彼女は舌も切られていて、まだしゃべることに慣れていなんだな。
「あ、ごめん。無理にしゃべらなくていいから。さっきみたい首を振ってくれればいい。ハイなら縦、イイエなら横にね。」
彼女はコクコクと縦に2回首を動かした。
彼女はまだ、再生の途中のようで、あちこち浮腫んでいる。それに顔も腕、足も包帯のようなもので覆われている。まだまだの状況。
「分かったよ。これから自分を助けてほしい。よろしく頼むよ。」
縦に2回首を動かした。
「ニノマエ様、奴隷紋の準備ができました。」
さて、どこに紋を施すか…。
「どの部分に紋を施すのが良い?」
俺は奴隷に聞いてみるも、首をかしげる。良く分からないようだ。
「カルムさん、奴隷紋は普通どこにつけるんですか?」
「首や背中が多いですかね。」
「そうですか。」
女性だから、余り目立たないところの方が良いと思うが…。
「カルムさん、目立たないところでお願いします。」
「普段見えない箇所で目立たないところと言えば、うーん。。。腰やお尻、後は腿くらいでしょうか。」
「分かりました。では彼女にどこが良いのか聞きますので、少し待ってて下さい。」
彼女に説明し、腰、お尻、腿のどれが良いかを確認すると、腿のところで2回縦に首を振った。
「では、腿にお願いします。」
「承知いたしました。では、ニノマエ様、この奴隷紋に血を一滴流してください。」
人差し指をナイフで切り、血を一滴垂らした。
「これで、契約は完了です。そして、これが当店で見繕った衣類でございます。どうぞお受け取りください。」
衣類一式を受け取り、お礼を言う。
「カルムさん、無理を承知でもう一つだけお願いを聞いていただけませんか。」
「はい。何でしょう。」
「彼女ですが、まだ本調子ではないようです。申し訳ありませんが、明日の朝までこのまま休ませていただくことはできませんか。」
「ははは。そんなことであれば何の問題もありません。では、明朝お引き取りいただくことにいたしましょう。」
「ありがとうございます。代金はここでお支払いすれば良いですか。」
「では、先ほどの部屋に行きましょうか。」
別室に移ってから代金を支払うことにする。カルムさんは、昨日俺が提示した金貨3枚で良いということだったので、その場で金貨3枚を渡した。
「今回は、とても良い取引をさせていただき、ありがとうございました。今後も末永いお付き合いをしていただければと思います。」
営業スマイルをさく裂させたよ。
奴隷なんて、そんな易々と買える身分ではない。それに、衣食住の生活費が2倍となる。おっさん頑張らないといかん。
「では、明朝彼女を引き取りに来ますので、それまでよろしくお願いします。」
お礼を言い、いつもの薬草採取に出かけるのであった。
「おぉ、お気づきになられましたか?」
カルムさんは安堵する。
「ご迷惑をおかけしました。それで、治療したお二人はどうなりました?」
「ははは。ご自身の心配より奴隷を心配なさるのですか。ホントにお優しい方ですな。ご安心ください。2名とも無事で、欠損部分も程なく回復することでしょう。」
あ、俺、今まで気づかなかったけど、治癒魔法をかけると欠損した部分は直ぐに再生される訳じゃないんだ…。
「ところで、自分はどれくらいぶっ倒れていたんでしょうか?」
「普通の人であれば、先ず場所と時間を確認されることが一番なのに…。ホントに面白い人だ。」
カルムさんは、もうすぐお昼の鐘が鳴るころだと教えてくれる。そうすると、意識が飛んだ時間は、2時間くらいか。
「介抱していただき、ありがとうございます。奴隷を確認したいと思いますが、可能でしょうか。」
「彼女はまだ回復中ですし、治療の際に意識を無くしました。あ、命に別状は無いようなので、彼女の目が覚めたらお会いになるという事で如何ですか。」
「そうですか。では、昼食がてら外をぶらぶらとしていますね。」
「ニノマエ様、少しお時間をいただければと思いますが、昼食を取りながら少しお話ししませんか。」
カルムさんは昼食に誘ってくれた。断るのも何なので、それを受け入れることにする。
昼食を取りながら、何気ない話をする。食後のお茶が出された時、カルムが俺に尋ねる。
「ニノマエ様、奴隷をお買い求めになられた後はどうなさいますか?」
「ん?それは今後の活動という意味ですか?それであれば、薬草などを採取できるよう冒険者として登録します。」
「ほほう。昨日の話からブレてませんね。それで結構だと思います。」
カルムさんが何故そんな話をするのか分からない。何か裏があるのだろうか。
「冒険者パーティーに奴隷を入れることができないという事ではありませんので問題は無いでしょう。では、当店から冒険者ギルドで登録されるまで、ニノマエ様が恥をかかないようにいたします。」
「それはどういう意味ですか?」
「はい。先ず奴隷をお買い求めになられる方は、その場でお持ち帰りされます。そのため、当店で用意させていただく衣服よりも良いものを準備されてお帰りになられるのが一般的です。」
あ、そうか。奴隷を購入しても着の身着のまま帰ることは無いんだ…勉強した。
「ありがとうございます。そういった経験が全くないので、いろいろと教えていただけるとありがたいです。」
「ニノマエ様は、ほんとに謙虚でいらっしゃいますな。では、当店で見繕った服をお付けいたします。」
「そんな事をしていただいても良いのですか?」
「これも当店の奴隷を治療していただいたということで。」
カルムさんからの親切を素直に受け取っておこう。
「それと…」
小さな声で話し始める。
「ニノマエ様の魔法ですが…、非常に危険な魔法です。」
「危険ですか?」
「はい。それはニノマエ様個人が危険だということではなく、ニノマエ様の魔法が国や政治的に利用される可能性があるということです。」
「そうなんですか…。」
「そうです。なので、信頼できる人物の前でしか、あのヒーレスをお使いにならない方が良いと思われます。その方がニノマエ様の為だと思っています。」
「分かりました。では、カルムさんは信頼できるお方としてお付き合いいただければと思います。」
「末永くご贔屓にしてください。」
「ははは、奴隷を買えるだけのお金なんて、もうありませんよ。」
カルムさんとの昼食を終え、お店に戻ってきた。
店の前には、いつもの黒服のボディガードさんが立っている。
「お館様、あの奴隷が目を覚ましました…。」
「分かった。
ニノマエ様、奴隷が目を覚ましたようです。」
そう伝えると、カルムさんは店の中に入り、ボディガードに必要な書類を持ってくるよう指示し、奴隷が療養している部屋に案内された。
「先ずは奴隷紋を彼女に施さなければなりません。ニノマエ様との契約内容ですが、主人の命令には逆らえない事、主人を傷つけない事…その他、ご希望のものはございますか?」
俺…、奴隷を購入することは初体験ですよ…。制約事項なんて何も知らないよ。
「それで結構です。あ、それと主が死んだ場合や許可を出した場合は奴隷を解放するって事で。」
「分かりました。」
わ、知ったかぶりしちゃった…。
彼女が療養している部屋に到着する。ノックの後、カルムさんと俺は部屋に入る。
「この方がお前を買ってくださるニノマエ様だ。」
「よおひく(よろしく)、おえあいいあう(おねがいします)。」
呂律が回っていない。そうだった。彼女は舌も切られていて、まだしゃべることに慣れていなんだな。
「あ、ごめん。無理にしゃべらなくていいから。さっきみたい首を振ってくれればいい。ハイなら縦、イイエなら横にね。」
彼女はコクコクと縦に2回首を動かした。
彼女はまだ、再生の途中のようで、あちこち浮腫んでいる。それに顔も腕、足も包帯のようなもので覆われている。まだまだの状況。
「分かったよ。これから自分を助けてほしい。よろしく頼むよ。」
縦に2回首を動かした。
「ニノマエ様、奴隷紋の準備ができました。」
さて、どこに紋を施すか…。
「どの部分に紋を施すのが良い?」
俺は奴隷に聞いてみるも、首をかしげる。良く分からないようだ。
「カルムさん、奴隷紋は普通どこにつけるんですか?」
「首や背中が多いですかね。」
「そうですか。」
女性だから、余り目立たないところの方が良いと思うが…。
「カルムさん、目立たないところでお願いします。」
「普段見えない箇所で目立たないところと言えば、うーん。。。腰やお尻、後は腿くらいでしょうか。」
「分かりました。では彼女にどこが良いのか聞きますので、少し待ってて下さい。」
彼女に説明し、腰、お尻、腿のどれが良いかを確認すると、腿のところで2回縦に首を振った。
「では、腿にお願いします。」
「承知いたしました。では、ニノマエ様、この奴隷紋に血を一滴流してください。」
人差し指をナイフで切り、血を一滴垂らした。
「これで、契約は完了です。そして、これが当店で見繕った衣類でございます。どうぞお受け取りください。」
衣類一式を受け取り、お礼を言う。
「カルムさん、無理を承知でもう一つだけお願いを聞いていただけませんか。」
「はい。何でしょう。」
「彼女ですが、まだ本調子ではないようです。申し訳ありませんが、明日の朝までこのまま休ませていただくことはできませんか。」
「ははは。そんなことであれば何の問題もありません。では、明朝お引き取りいただくことにいたしましょう。」
「ありがとうございます。代金はここでお支払いすれば良いですか。」
「では、先ほどの部屋に行きましょうか。」
別室に移ってから代金を支払うことにする。カルムさんは、昨日俺が提示した金貨3枚で良いということだったので、その場で金貨3枚を渡した。
「今回は、とても良い取引をさせていただき、ありがとうございました。今後も末永いお付き合いをしていただければと思います。」
営業スマイルをさく裂させたよ。
奴隷なんて、そんな易々と買える身分ではない。それに、衣食住の生活費が2倍となる。おっさん頑張らないといかん。
「では、明朝彼女を引き取りに来ますので、それまでよろしくお願いします。」
お礼を言い、いつもの薬草採取に出かけるのであった。
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