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第一章
1-4 人生初の会敵
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しばらく休みながら、今後の事を考える。
森を抜けるにはどうしたらよいか。迷子になった際は動かないのが得策だが、そうはいかない。
お天道様があるという事は、方角もわかるはず…。
そう考えた俺は切り株の年輪の間隔を見て、隙間が大きい方を南だとこれまでの世界の経験を活かし、ここよりも高い位置に行き森の全貌などを見てどちらに行くのかを決めたい。
どちらに行こうか、運に委ねるだけだ。
焚火を消して、行動開始する。
火を消している途中から、なんだか妙な感覚がする。
誰かが見ている…見られている…そんな感覚だ。
その感覚を研ぎすますと、後方50mくらいだろうか、そのあたりから複数のねっとりとした目つきが感じられる。
目を凝らしても何も見えない。
俺は地面に落ちてた石ころを持ち、何かいるであろう方向に投げる。
おっさん、腕力ないわ。ひょろーと流れ、5mくらい先にポトンと落ちる。
こりゃあかん。
もう一度小石を広い、今度はその小石にマナを押し込めるように念じ、風にそって当たれ!と思いながら投げる。
さっき以上のスピードで飛んでいき、数秒後にはイヤな感覚がする方から「グギャ・・・」と言った声のような音が聞こえる。
お!当たったのかもしれない。そう思うと、もう一度小石にマナを押し込める。
その刹那、音の聞こえた方からガサガサっと音がし始めた。
目を凝らして見てみると、体長1.2mくらいだろうか、緑色の物体がこちらの方に向かってくる。
「ギャギャギャ」と声を立てながら、緑色の奴が近づいてくる。
未知との遭遇!? 嫌な音は小さな緑色したヒト型の生き物。
あ、こいつら、ラノベの中で出てきたゴブリンそっくりだ。
俺はそう思うや否や、持っていた石ころをそいつらめがけて投げた。
当たらない。
ヤバい、だんだん近づいてくる。
普通だったら、パニック状態になり、背中を見せて逃げているところではあるが、何故か俺は妙に落ち着いている。もう一度小石を拾い、マナを押し込めながら、「当たれ!」と念じてそいつらに投げる。
すると、一匹の顔面目掛けて石が飛んでいき顔面に当たる。
「グギャ・・・」と鈍い声がして一匹がひるむ。
その間に俺は、先ほど練習した「八つ〇き光輪」を5つイメージし、掌の周りに集めると、緑の奴の方に「当たれ!」と念じ発射した。
俺が放った光は回転しながらそいつらの方に飛んでいった。20mくらい飛んだろうか、その後光は消えたが、緑色の奴もいなくなっていた。
あいつらはどうなったのか?
静かすぎる。念のためいつでも投げることができるよう光輪を3つ出し、音がした方へ歩いていく。時間が長く感じる。
刹那、ガサと音がして、緑色の奴がこん棒のようなものを持って襲ってきた。
「うわ!」
俺はとっさに腕で受け止めると、腕から鈍い音がし、激痛に襲われた。
しかし、頭は冷静だった。3つ出した光輪をそいつに向け投げる。
「グ…」という鈍い声が聞こえ、そいつの首は胴体から切り離されていた。
激痛に耐えながら、他に物音がしないか聞き耳を立てる。
緑色の奴は覚えた。そいつの姿をイメージし、周囲にいないかを探るも嫌な感覚はない。
どうやら、駆逐したらしい。
安堵するものの、腕の痛みが激しすぎる。
折れた?切れた?無くなった? そんなネガティブな思いをしながら腕を見るが、こん棒のようなものが当たった箇所は黒ずんでいた。おそらく内出血でもしているのだろう。
俺は、その場で腕が元通りになるよう「スーパーヒール」をかけ、少し休む。
初めての戦闘だった。
まさしく命のやり取りだ。
血が上り、やたらめったら叩き潰すという行為はしなかったが、命のやり取りを行うことは精神的にキツイ。
昔、家で飼っていた鶏を絞めたことがあった。
命を奪っているという感覚は無かったが殺めた後、親父からは「命の尊さを持って美味しさを知るんだ」という仏教めいた事を言われたことがあった。
では、この世界のこいつらは何だ? 食えるのか?
お互いが殺しあう対象なのか?敵対しあうモノなのか?
死と隣り合わせとなる世界で、切った張ったができる奴は相当肝が座っているのだろう。
やはり俺には無理だ。非戦闘系だな…と思う事にした。
しばらくして、腕の痛みが消えていることに気づいた。
おぉ、スーパーヒールは効いてる!
後は…、この緑の物体をどうするか、だ。
このまま放置しておくこともできるが、死骸を放置すれば、その肉を食らうために他の動物が集まってくる。早いうちに無くさないと血の匂いを嗅ぎつけた動物に再度襲われるという無限ループが始まる。
ええいままよ!と思い、周りを散策し、緑色の奴4体をビジネスバッグに放り込んだ。
入りましたよ…。でも、バッグの中が血でべとべとになるのか…。
恐る恐るバッグを見るが、バッグに血は付いていなかった。
少し安堵したが、こんな奴らがまたやって来るのがイヤだったので、この場を早々に退散することにし、歩いている最中は、緑色の奴をイメージし、周囲に居るかいないかを調べながら道なき道を歩く。
小一時間ほど歩いた頃だろうか。
遠くの方から金属音のような高い音が聞こえる。
森には似つかない音だと思い、音がする方に向かう。
すると、少し森が拓けたところに人らしき者が4つと、白い物体が5匹入り乱れている。
剣のようなものや盾のようなものが見え隠れし、たまに火のようなものが飛んでいる。
あぁ、これが戦いだ…と思って見ていると、白い奴に殴られたのだろう。人らしき者が吹っ飛んだ。
「こりゃ、まずいな…。」
正直、俺が助けに入っても、確実に殺される確率は高い。
しかし、見て見ぬふりをするのも心苦しい。
であれば、やる事はひとつ。さっき覚えた創造魔法を射程範囲で飛ばすだけ。
それで、相手がビビれば4人も逃げることはできるだろう。
俺は、八つ〇き光輪を5つ出し、戦闘が行われている方向に走った。
「聞こえるか!今から魔法を放つから「今だ」と言ったら、かがんでくれ。」
俺は大声で叫ぶと、4人の中の一人がこちらに気づく。
「助太刀感謝。了解した。」
お!かっこいいな。武士みたいだ。と思うも、もう少しで射程距離の20m…。射程に入る前にさっきのように当たれ!と念じながら走る。
光輪を投げ、1,2秒後に大声で叫ぶと同時にかまいたちを4つ準備する。
「今だ!」
4人は一斉にかがんだ。
俺の声に気づいた1匹の白い奴が、俺という存在を確認する。持っていた鉄の棒を振り上げ、突進してくる。
が、5つの光輪は、すごいスピードで白い奴に近づく。
一つの光輪が突進してきた白い奴の腕と首を切って消えた。
俺の存在に気づいていない残りの4匹は、かがんだ姿を見て一瞬きょとんとしたが、チャンスだと思ったのか、持っていた得物を頭上に掲げ、打ち下ろそうとする。
が、肉薄した光輪が4匹の得物と腕を同時に切り落としていた。
「うが・・・ぎゃ・・・」
悲痛なのか叫びなのか分からない声を上げ4匹はひるむ。そこに4人のうち剣と盾を持った2人が2匹の動きを止め、後ろの1人が火の玉を1匹に当て燃える。
残りの1匹に俺の“かまいたち”を投げる。
5つのかまいたちが1匹の肉を切り刻むが、致命傷には至らない。
俺は5mほどに近づいた白い奴に向け、圧縮した空気をイメージし奴にぶつける
「波〇拳!」
少しでも白い奴を吹っ飛ばし、距離を取りたかった一手であった。
が、白い奴は吹っ飛ぶどころか、その場所に居る。
ヤバい、発動しなかったか…。俺死ぬパターンだな。
と覚悟を決め目をつむるが、白い奴が動く気配がしない。
静かに目を開くと、白い奴の腹にバスケットボール大の穴が開いており即死していた。
森を抜けるにはどうしたらよいか。迷子になった際は動かないのが得策だが、そうはいかない。
お天道様があるという事は、方角もわかるはず…。
そう考えた俺は切り株の年輪の間隔を見て、隙間が大きい方を南だとこれまでの世界の経験を活かし、ここよりも高い位置に行き森の全貌などを見てどちらに行くのかを決めたい。
どちらに行こうか、運に委ねるだけだ。
焚火を消して、行動開始する。
火を消している途中から、なんだか妙な感覚がする。
誰かが見ている…見られている…そんな感覚だ。
その感覚を研ぎすますと、後方50mくらいだろうか、そのあたりから複数のねっとりとした目つきが感じられる。
目を凝らしても何も見えない。
俺は地面に落ちてた石ころを持ち、何かいるであろう方向に投げる。
おっさん、腕力ないわ。ひょろーと流れ、5mくらい先にポトンと落ちる。
こりゃあかん。
もう一度小石を広い、今度はその小石にマナを押し込めるように念じ、風にそって当たれ!と思いながら投げる。
さっき以上のスピードで飛んでいき、数秒後にはイヤな感覚がする方から「グギャ・・・」と言った声のような音が聞こえる。
お!当たったのかもしれない。そう思うと、もう一度小石にマナを押し込める。
その刹那、音の聞こえた方からガサガサっと音がし始めた。
目を凝らして見てみると、体長1.2mくらいだろうか、緑色の物体がこちらの方に向かってくる。
「ギャギャギャ」と声を立てながら、緑色の奴が近づいてくる。
未知との遭遇!? 嫌な音は小さな緑色したヒト型の生き物。
あ、こいつら、ラノベの中で出てきたゴブリンそっくりだ。
俺はそう思うや否や、持っていた石ころをそいつらめがけて投げた。
当たらない。
ヤバい、だんだん近づいてくる。
普通だったら、パニック状態になり、背中を見せて逃げているところではあるが、何故か俺は妙に落ち着いている。もう一度小石を拾い、マナを押し込めながら、「当たれ!」と念じてそいつらに投げる。
すると、一匹の顔面目掛けて石が飛んでいき顔面に当たる。
「グギャ・・・」と鈍い声がして一匹がひるむ。
その間に俺は、先ほど練習した「八つ〇き光輪」を5つイメージし、掌の周りに集めると、緑の奴の方に「当たれ!」と念じ発射した。
俺が放った光は回転しながらそいつらの方に飛んでいった。20mくらい飛んだろうか、その後光は消えたが、緑色の奴もいなくなっていた。
あいつらはどうなったのか?
静かすぎる。念のためいつでも投げることができるよう光輪を3つ出し、音がした方へ歩いていく。時間が長く感じる。
刹那、ガサと音がして、緑色の奴がこん棒のようなものを持って襲ってきた。
「うわ!」
俺はとっさに腕で受け止めると、腕から鈍い音がし、激痛に襲われた。
しかし、頭は冷静だった。3つ出した光輪をそいつに向け投げる。
「グ…」という鈍い声が聞こえ、そいつの首は胴体から切り離されていた。
激痛に耐えながら、他に物音がしないか聞き耳を立てる。
緑色の奴は覚えた。そいつの姿をイメージし、周囲にいないかを探るも嫌な感覚はない。
どうやら、駆逐したらしい。
安堵するものの、腕の痛みが激しすぎる。
折れた?切れた?無くなった? そんなネガティブな思いをしながら腕を見るが、こん棒のようなものが当たった箇所は黒ずんでいた。おそらく内出血でもしているのだろう。
俺は、その場で腕が元通りになるよう「スーパーヒール」をかけ、少し休む。
初めての戦闘だった。
まさしく命のやり取りだ。
血が上り、やたらめったら叩き潰すという行為はしなかったが、命のやり取りを行うことは精神的にキツイ。
昔、家で飼っていた鶏を絞めたことがあった。
命を奪っているという感覚は無かったが殺めた後、親父からは「命の尊さを持って美味しさを知るんだ」という仏教めいた事を言われたことがあった。
では、この世界のこいつらは何だ? 食えるのか?
お互いが殺しあう対象なのか?敵対しあうモノなのか?
死と隣り合わせとなる世界で、切った張ったができる奴は相当肝が座っているのだろう。
やはり俺には無理だ。非戦闘系だな…と思う事にした。
しばらくして、腕の痛みが消えていることに気づいた。
おぉ、スーパーヒールは効いてる!
後は…、この緑の物体をどうするか、だ。
このまま放置しておくこともできるが、死骸を放置すれば、その肉を食らうために他の動物が集まってくる。早いうちに無くさないと血の匂いを嗅ぎつけた動物に再度襲われるという無限ループが始まる。
ええいままよ!と思い、周りを散策し、緑色の奴4体をビジネスバッグに放り込んだ。
入りましたよ…。でも、バッグの中が血でべとべとになるのか…。
恐る恐るバッグを見るが、バッグに血は付いていなかった。
少し安堵したが、こんな奴らがまたやって来るのがイヤだったので、この場を早々に退散することにし、歩いている最中は、緑色の奴をイメージし、周囲に居るかいないかを調べながら道なき道を歩く。
小一時間ほど歩いた頃だろうか。
遠くの方から金属音のような高い音が聞こえる。
森には似つかない音だと思い、音がする方に向かう。
すると、少し森が拓けたところに人らしき者が4つと、白い物体が5匹入り乱れている。
剣のようなものや盾のようなものが見え隠れし、たまに火のようなものが飛んでいる。
あぁ、これが戦いだ…と思って見ていると、白い奴に殴られたのだろう。人らしき者が吹っ飛んだ。
「こりゃ、まずいな…。」
正直、俺が助けに入っても、確実に殺される確率は高い。
しかし、見て見ぬふりをするのも心苦しい。
であれば、やる事はひとつ。さっき覚えた創造魔法を射程範囲で飛ばすだけ。
それで、相手がビビれば4人も逃げることはできるだろう。
俺は、八つ〇き光輪を5つ出し、戦闘が行われている方向に走った。
「聞こえるか!今から魔法を放つから「今だ」と言ったら、かがんでくれ。」
俺は大声で叫ぶと、4人の中の一人がこちらに気づく。
「助太刀感謝。了解した。」
お!かっこいいな。武士みたいだ。と思うも、もう少しで射程距離の20m…。射程に入る前にさっきのように当たれ!と念じながら走る。
光輪を投げ、1,2秒後に大声で叫ぶと同時にかまいたちを4つ準備する。
「今だ!」
4人は一斉にかがんだ。
俺の声に気づいた1匹の白い奴が、俺という存在を確認する。持っていた鉄の棒を振り上げ、突進してくる。
が、5つの光輪は、すごいスピードで白い奴に近づく。
一つの光輪が突進してきた白い奴の腕と首を切って消えた。
俺の存在に気づいていない残りの4匹は、かがんだ姿を見て一瞬きょとんとしたが、チャンスだと思ったのか、持っていた得物を頭上に掲げ、打ち下ろそうとする。
が、肉薄した光輪が4匹の得物と腕を同時に切り落としていた。
「うが・・・ぎゃ・・・」
悲痛なのか叫びなのか分からない声を上げ4匹はひるむ。そこに4人のうち剣と盾を持った2人が2匹の動きを止め、後ろの1人が火の玉を1匹に当て燃える。
残りの1匹に俺の“かまいたち”を投げる。
5つのかまいたちが1匹の肉を切り刻むが、致命傷には至らない。
俺は5mほどに近づいた白い奴に向け、圧縮した空気をイメージし奴にぶつける
「波〇拳!」
少しでも白い奴を吹っ飛ばし、距離を取りたかった一手であった。
が、白い奴は吹っ飛ぶどころか、その場所に居る。
ヤバい、発動しなかったか…。俺死ぬパターンだな。
と覚悟を決め目をつむるが、白い奴が動く気配がしない。
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