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第15話 姉妹の関係
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ミキさんは俺の決意というか思いを汲み取ってくれたようだ。
「私は違う国にいるけど、イサークさんもそのうちいろんな国に行けるようになるから、この世界のことをいっぱい学んでね。」
「ありがとうございます。
でも、先ずはここでの生活が安定することだと思ってます。」
「へぇ。イサークさんって異世界のヒトの割に慎重派なんだね。」
「だから、私は勇者でも冒険者でもなく、薬草採取で生計を立てていたんですからね。」
「ふふふ。でも、そういうヒトが居るってのも異世界らしくて良いね。
あ、そうだ。イサークさんの向こうでの生活をラノベにしたら売れるんじゃない?」
「薬草採取が、ですか?それともテイムですか?」
「そうか…地味か…。うーん。それじゃ、こっちに来た時の話をラノベにするとか?」
「ゴミ袋3袋で1,800万の事でしょうか?」
「あ…、リアル過ぎるか…。」
そんな話をしてると3時になる。
リヤカーを動かし、コンビニ巡りと、公園での食事タイムだ。
「うわ!本当にテイムしてるんだね。
これだけたくさんの動物が居るのに、喧嘩も鳴き声も出さないなんて、凄いよ。」
クロウ達がご飯を食べ、次にブラック達、最後にシロ達が食事を終えると、容器しか残っていない。
「すご!これをイサークさんが毎日してるの?」
「あぁ。そうだよ。」
「体調が悪くなった時とかは?」
「今の所、それは無いけど、そうなったら耕さん達に手伝ってもらえるよう、伝言でも頼むことにしようかな。」
「毎日が大変なんだね。」
「いや、みんな一緒だと思うよ。
ユエさんは朝起きて仕事に行って夕方帰って来るだろ。俺は3時に起きて6時には終わって、その後アパートの掃除をする。時間帯は違っても、皆働いていることに違いはないからね。」
「イサークさんのその考え方、凄いと思う。
あー、私も頑張って良い人見つけられれば、少しは生活も変わるかな。」
「別に良い人を見つけなくても、ミキさんがジュエリー・デザイナーという凄い道が開けてるんじゃないですか。」
「まぁそうだけどね。独り身ってのは心に来るんだよね。」
「分かりますよ。私もそうでしたから。」
・
・
・
ミキさんはユエさんの部屋に戻っていった。
ミキさんも考えるところがあったのかずっと黙っている姿を見て、ユエさんは何かを感じ取ったようだ。
「ミキ、イサークさんの事好きになっちゃったんでしょ。」
「あ、分かる?」
「そりゃ姉妹だからね。」
「でも、あたしには勿体ないくらいのヒトだね。」
「うん…。わたしにも勿体ないくらいのヒトだもん。」
「恋人か…。いいね。その響き。」
「そうだね。でも、恋人って友達と何が違うのかな。」
「何でも話せて…、お互いを理解して…、たまに一緒に寝て…。」
「ミキ…、もしミキが良ければ…」
「あ…、それ言っちゃう?
…でも、私もそれで良いかな…なんて思ってるんだけど…。
でもユエが良ければ…だよ。」
「その前に、イサークさんの気持ち…だよね。」
「うん…。ミキはいつ向こうへ帰るんだっけ。」
「明後日かな。」
「なら、善は急げだね。」
・
・
・
夕刻、皆で一緒に和食の店に行く。
ユエさんやミキさんといった日本人には、畳と呼ばれる草の香りと、お香と呼ばれているものを燻し香りを楽しむ風習があることをユエさんに教えてもらった。
どことなく落ち着いた感じがする。
どこからか、同じ間隔で木を叩くような音も聞こえる。
「やっぱ日本人は和食よね!」
小皿に出てくる料理が少ない…、これじゃ腹いっぱいにならんと思ったが、和食というのは器と料理の色合いを楽しみ、時間をかけて食事を楽しむそうだ。
そう教えてもらって小一時間経つと、成る程、お腹も何となく満足しているような感覚に陥って来る。時間をかけながら少量を食べていくことで健康的な食事として他の国では評価されていることを教えてもらった。
ミキさんが中座している時、ユエさんが俺に尋ねてくる。
「イサークさん…。」
「ん?ユエさん、どうした?」
「今朝、ミキと話してたでしょ。
で、ミキの事どう思った?」
「芯を持っている女性だね。自分の道を進んでいく事に戸惑いがないね。」
「うん。でもね、独り身って偶に不安になる時があるんだよね。」
「そうだね。俺もそうだったよ。」
「だからね、そんな時はミキの相談相手になってほしいの。」
「ん?別に構わないよ。」
「ありがとね。
それと…、イサークさんの世界では奥さんって何人も居るんでしょ?」
「それは貴族とか権力者だね。俺のような庶民には関係ない世界だよ。」
「もし…、イサークさんが奥さん何人も居て良いよって、言ってくれたなら…。」
「へ?」
「私とミキをもらって欲しいんだけど…。
ダメ…かな…。」
えぇと、ユエさんは何を言っているんだ?
姉妹で夫婦って?俺、庶民なんだけど…。
「あ、あのね…、この世界では一夫一妻だから夫婦にはなれないけど、その…世の中にはポリアモリーってのがあってね、愛しているヒトは複数いて、そのヒトたちと協同して暮らしていくってスタイルもあるんだよ。
もし、そんな事をイサークさんが許してくれるなら…その…。」
「ユエさん。
俺はこの世界の事は、まだよく知らないけど、俺の世界の事を話すと強い男性や権力を持った男性には、何人もの女性が付くってことはザラにある話だよ。
だから、俺の中でも、そこの部分は考えなくても良いと思う。
だけど、ユエさんとミキさんが苦しまないようにしてくれれば良いと思う。それだけかな。」
「うん。イサークさん、ありがとね。
私もミキも姉妹って言っても、ほとんど思考回路とかが一緒で、子どもの頃から好きになるヒトが同じだったんだよ…。
でもね、どっちかが告ると、どっちかが苦しんじゃうでしょ。
それがお互いの心を傷つけてしまうことも何度もあったんだ。
だから、今回はお互いの気持ちをぶつけて、一番良い方法が無いかを話し合ったんだ。
その結果、イサークさんさえ良ければ、恋人を2人にして欲しいんだけど…。」
「ユエさん、俺は構わないけど、こちらの世界ではそんな事は可能なのかい?」
「うん。問題ないよ。
イサークさん、ミキ、そして私が納得すれば良いだけの事だからね。」
「えぇと、何て言ったっけ?あ、束縛だ。
そんな感情は大丈夫?」
「だって、私たち姉妹だから。
って、言ってた傍から恥ずかしくなっちゃった。」
「ユエ、無理はしてない?」
「大丈夫よ。ミキと一緒になって考えた事だからね。
それに、イサークさん、姉妹丼よ!姉妹丼!ラノベにも出てくるけど、それって夢じゃない?」
いや、だからラノベというモノがどういったものなのかを知る必要もあるんだけど…。
「えぇと…、ユエさんとミキさんが良ければ、それで良いんだけどね。
それと、一度ラノベというモノを読んでみたいんだけど。」
「え?ラノベを?
うん。分かったわ。それじゃ、先ずは初心者コースから入って、中級、上級と進んでいきましょうね。」
ダンジョンのようなのか?
初心者クラスのラノベとか、コースによって何が変わるんだろうか…。
「っていう事だから、ミキ!もう安心していいわよ。」
紙を貼ったような引き戸を開けて、照れ笑い気味にミキさんが入って来る。
「えへへ。」
「聞き耳立ててたんでしょ。だから安心して良いわよ。」
「ユエもそれで良いの?自慢の彼氏でしょ?」
「他人に自慢しても、唯一の肉親に自慢したいわけじゃないもの。
それに、イサークさんって、とっても紳士よ。」
「うわ!そんな話、ここでする?」
「だって、3人が恋人だもん。姉妹丼よ!姉妹丼!」
「それはラノベ用語。俗には3〇って言うんだからね。で、どっちが上で…」
「もう!それは帰ってからのお楽しみって事で!」
なんか俺だけ赤面しているんだが…。
当の本人たちは、もう吹っ切れたのか、いろいろな画策をし始めている。
少し、身の危険を感じたので、中座することした。
「私は違う国にいるけど、イサークさんもそのうちいろんな国に行けるようになるから、この世界のことをいっぱい学んでね。」
「ありがとうございます。
でも、先ずはここでの生活が安定することだと思ってます。」
「へぇ。イサークさんって異世界のヒトの割に慎重派なんだね。」
「だから、私は勇者でも冒険者でもなく、薬草採取で生計を立てていたんですからね。」
「ふふふ。でも、そういうヒトが居るってのも異世界らしくて良いね。
あ、そうだ。イサークさんの向こうでの生活をラノベにしたら売れるんじゃない?」
「薬草採取が、ですか?それともテイムですか?」
「そうか…地味か…。うーん。それじゃ、こっちに来た時の話をラノベにするとか?」
「ゴミ袋3袋で1,800万の事でしょうか?」
「あ…、リアル過ぎるか…。」
そんな話をしてると3時になる。
リヤカーを動かし、コンビニ巡りと、公園での食事タイムだ。
「うわ!本当にテイムしてるんだね。
これだけたくさんの動物が居るのに、喧嘩も鳴き声も出さないなんて、凄いよ。」
クロウ達がご飯を食べ、次にブラック達、最後にシロ達が食事を終えると、容器しか残っていない。
「すご!これをイサークさんが毎日してるの?」
「あぁ。そうだよ。」
「体調が悪くなった時とかは?」
「今の所、それは無いけど、そうなったら耕さん達に手伝ってもらえるよう、伝言でも頼むことにしようかな。」
「毎日が大変なんだね。」
「いや、みんな一緒だと思うよ。
ユエさんは朝起きて仕事に行って夕方帰って来るだろ。俺は3時に起きて6時には終わって、その後アパートの掃除をする。時間帯は違っても、皆働いていることに違いはないからね。」
「イサークさんのその考え方、凄いと思う。
あー、私も頑張って良い人見つけられれば、少しは生活も変わるかな。」
「別に良い人を見つけなくても、ミキさんがジュエリー・デザイナーという凄い道が開けてるんじゃないですか。」
「まぁそうだけどね。独り身ってのは心に来るんだよね。」
「分かりますよ。私もそうでしたから。」
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ミキさんはユエさんの部屋に戻っていった。
ミキさんも考えるところがあったのかずっと黙っている姿を見て、ユエさんは何かを感じ取ったようだ。
「ミキ、イサークさんの事好きになっちゃったんでしょ。」
「あ、分かる?」
「そりゃ姉妹だからね。」
「でも、あたしには勿体ないくらいのヒトだね。」
「うん…。わたしにも勿体ないくらいのヒトだもん。」
「恋人か…。いいね。その響き。」
「そうだね。でも、恋人って友達と何が違うのかな。」
「何でも話せて…、お互いを理解して…、たまに一緒に寝て…。」
「ミキ…、もしミキが良ければ…」
「あ…、それ言っちゃう?
…でも、私もそれで良いかな…なんて思ってるんだけど…。
でもユエが良ければ…だよ。」
「その前に、イサークさんの気持ち…だよね。」
「うん…。ミキはいつ向こうへ帰るんだっけ。」
「明後日かな。」
「なら、善は急げだね。」
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夕刻、皆で一緒に和食の店に行く。
ユエさんやミキさんといった日本人には、畳と呼ばれる草の香りと、お香と呼ばれているものを燻し香りを楽しむ風習があることをユエさんに教えてもらった。
どことなく落ち着いた感じがする。
どこからか、同じ間隔で木を叩くような音も聞こえる。
「やっぱ日本人は和食よね!」
小皿に出てくる料理が少ない…、これじゃ腹いっぱいにならんと思ったが、和食というのは器と料理の色合いを楽しみ、時間をかけて食事を楽しむそうだ。
そう教えてもらって小一時間経つと、成る程、お腹も何となく満足しているような感覚に陥って来る。時間をかけながら少量を食べていくことで健康的な食事として他の国では評価されていることを教えてもらった。
ミキさんが中座している時、ユエさんが俺に尋ねてくる。
「イサークさん…。」
「ん?ユエさん、どうした?」
「今朝、ミキと話してたでしょ。
で、ミキの事どう思った?」
「芯を持っている女性だね。自分の道を進んでいく事に戸惑いがないね。」
「うん。でもね、独り身って偶に不安になる時があるんだよね。」
「そうだね。俺もそうだったよ。」
「だからね、そんな時はミキの相談相手になってほしいの。」
「ん?別に構わないよ。」
「ありがとね。
それと…、イサークさんの世界では奥さんって何人も居るんでしょ?」
「それは貴族とか権力者だね。俺のような庶民には関係ない世界だよ。」
「もし…、イサークさんが奥さん何人も居て良いよって、言ってくれたなら…。」
「へ?」
「私とミキをもらって欲しいんだけど…。
ダメ…かな…。」
えぇと、ユエさんは何を言っているんだ?
姉妹で夫婦って?俺、庶民なんだけど…。
「あ、あのね…、この世界では一夫一妻だから夫婦にはなれないけど、その…世の中にはポリアモリーってのがあってね、愛しているヒトは複数いて、そのヒトたちと協同して暮らしていくってスタイルもあるんだよ。
もし、そんな事をイサークさんが許してくれるなら…その…。」
「ユエさん。
俺はこの世界の事は、まだよく知らないけど、俺の世界の事を話すと強い男性や権力を持った男性には、何人もの女性が付くってことはザラにある話だよ。
だから、俺の中でも、そこの部分は考えなくても良いと思う。
だけど、ユエさんとミキさんが苦しまないようにしてくれれば良いと思う。それだけかな。」
「うん。イサークさん、ありがとね。
私もミキも姉妹って言っても、ほとんど思考回路とかが一緒で、子どもの頃から好きになるヒトが同じだったんだよ…。
でもね、どっちかが告ると、どっちかが苦しんじゃうでしょ。
それがお互いの心を傷つけてしまうことも何度もあったんだ。
だから、今回はお互いの気持ちをぶつけて、一番良い方法が無いかを話し合ったんだ。
その結果、イサークさんさえ良ければ、恋人を2人にして欲しいんだけど…。」
「ユエさん、俺は構わないけど、こちらの世界ではそんな事は可能なのかい?」
「うん。問題ないよ。
イサークさん、ミキ、そして私が納得すれば良いだけの事だからね。」
「えぇと、何て言ったっけ?あ、束縛だ。
そんな感情は大丈夫?」
「だって、私たち姉妹だから。
って、言ってた傍から恥ずかしくなっちゃった。」
「ユエ、無理はしてない?」
「大丈夫よ。ミキと一緒になって考えた事だからね。
それに、イサークさん、姉妹丼よ!姉妹丼!ラノベにも出てくるけど、それって夢じゃない?」
いや、だからラノベというモノがどういったものなのかを知る必要もあるんだけど…。
「えぇと…、ユエさんとミキさんが良ければ、それで良いんだけどね。
それと、一度ラノベというモノを読んでみたいんだけど。」
「え?ラノベを?
うん。分かったわ。それじゃ、先ずは初心者コースから入って、中級、上級と進んでいきましょうね。」
ダンジョンのようなのか?
初心者クラスのラノベとか、コースによって何が変わるんだろうか…。
「っていう事だから、ミキ!もう安心していいわよ。」
紙を貼ったような引き戸を開けて、照れ笑い気味にミキさんが入って来る。
「えへへ。」
「聞き耳立ててたんでしょ。だから安心して良いわよ。」
「ユエもそれで良いの?自慢の彼氏でしょ?」
「他人に自慢しても、唯一の肉親に自慢したいわけじゃないもの。
それに、イサークさんって、とっても紳士よ。」
「うわ!そんな話、ここでする?」
「だって、3人が恋人だもん。姉妹丼よ!姉妹丼!」
「それはラノベ用語。俗には3〇って言うんだからね。で、どっちが上で…」
「もう!それは帰ってからのお楽しみって事で!」
なんか俺だけ赤面しているんだが…。
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