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下界にて
13:結婚
しおりを挟むその夜、来るべき運命の悲しみに暮れる私たち三人は、ひとしきり泣き合ったあと、大賢者も交えて残された時間をどう有意義に過ごすべきか話し合った。
ちなみに、気絶していたカーラは夜に意識を取り戻し、自分がなぜか素っ裸で隅に転がっている事に動揺をかくせなかった…。ていうか、服くらい着せてあげておけば良かったのに。
ユリナスの従者の女性がカーラの世話を買って出てくれたので、後の事は彼女にまかせたが、どうやらカーラはここ数年の記憶があやふやなようだった。何か夢の中にいるような感じだとカーラはいう。なんか最初にここにきた時と性格から雰囲気から全く別人のようになってしまった。カーラはいつのまにか成人になっている自分の姿にショックを受けていた。
その後、従者が付き添ってカーラを家に送っていったが、大分遅くに帰ってきた彼女が言うには、カーラの家に人間の姿をした魔物の子がいたので、その場で討伐したそうだ。それが魔物と交わって産んだ子だと知ったカーラがひどく落ち込んでいたので、眠るまで付き添っていたそうだ。
それはそれとして、あと三日の命と言われたが、明日は邪の月の日なので、実質二日しかない。
「なら、この私が見届け人になるから、ディックとマリアンヌは正式に結婚したらどうじゃ。」
なぜユリナスがこの兄妹が結ばれる事に拘っているのか、設定にもない話なのだが、どうやら、ディックとの仲を知りながら、マリアンヌを聖賢女の器候補として教会の聖処女に推したのがユリナスだったらしい。まあ大賢者としての罪滅ぼしなのだろう。
そういうわけで、式は明後日行う事になった。ユリナスは私たちと一緒にこの小屋にいてくれるそうで、従者達は夜が明ける前に町に向かうそうだ。
そして、翌日、式の準備を始める、ユリナスとディック。と言っても特別な事は何もない。ディック…お父さんとお母さんが二人きりになれるスペースを用意するだけだった。
そして当日の朝を迎えた。見届け人と新郎新婦(?)の他は、出席者は、ユリナスにだっこされた私。新郎新婦の服装(?)は前をはだけたガウン姿。お母さんはベッドに上体を起こした状態で、その脇にお父さんが膝立ちして寄り添っている。
大賢者に促されるまま、お父さんとお母さんが誓いの言葉を述べ、そして大賢者がアディアナ様の名で二人が夫婦となる事を宣言すると、二人の陰部の間に、何かふんわりとほの赤くて太い光の紐のような繋がりができていた。そのうち、お父さんは勃起して先っちょからなんか糸を引く透明な液を垂らし、お母さんの陰部も愛液が溢れ、シーツにしみを作り始めた…。なんだこれは。
「それでは、誓いの挿入じゃ。」
「あうあうー(なんじゃそりゃー)」
お父さんとお母さんは恥ずかしさで赤くなった顔を見合わせた。察したユリナスが付け加えた。
「あー、わしらはその前に退散するからの。防音と隠蔽の結界を張っておくから心置きなくやっとくれ。あ、ついでに防御と防振も付けとくかの。」
防振て…おちゃめすぎるぞ、大賢者。
そして、ユリナスにだっこされ、結界の外に出ていく時、二人が一つになるのが目の端に映った。
「あう…(座位か…)」
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