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(ふー)
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目が覚めると、ボクはふかふかのベッドに寝かされていた。カーテンの隙間から日の光が光線になって部屋の中に差し込んでいた。光線の色と角度から、時刻はどうやら昼過ぎのようだ。
ボクは体を起こしてベッドの縁に腰かけ、部屋の中を観察した。こぢんまりとした、質素だが清潔感のある部屋だった。
ボクは体のあちこちを手で触れて、怪我も痛みもない事を不思議に思いながらも、立ち上がって軽く体を動かして、眠っている間に固くなった筋肉をもみほぐした。
カーテンを開けて外を見ると、窓に面していたのは、色とりどりの花が咲く素敵な庭だった。庭の一角に設えられた小さなテーブルで、居眠りをする可愛い猫獣人の姿が見えた。
部屋のドアを開けて隣の居間を通り、玄関から外に出た。
外から建物を眺めると、まるでおとぎ話にでも出てきそうなとても小さな可愛いらしい石造りの家だった。家のまわりは簡素な木の柵で囲まれ、柵の周囲は様々な花を咲かせた草原になっていた。そして遠くに何か岩のような構造物が地面から突き出ているのが見えた。
ボクは家の壁づたいにさっきの庭の方へと歩いて行き、相変わらず居眠りしている猫獣人のいるテーブルの側へ行き、空いている椅子に腰かけた。
その気配に気付いたのか、猫獣人のからだがぴくっと震えると、目を開けてボクの方に視線を向けた。ボクは言った。
「ごめん、起こしちゃったかな。」
「…あ、おはようございます。」
「はい、おはよう。それからはじめまして。ここは君の家かい?」
「はい。そうです。私はパンジーです。充分おやすみになられましたか?…えっと」
「ボクの名前は、ライカーだよ、パンジーさん。」
「ライカー…ひょっとして、ライカー船長ですか?」
「そう、そのライカー。」
「ライカー船長、ひどいです!」
パンジーは急に怒り顔になって、ボクに言った。
「お空から急に大好きなお花畑に落っこちて来るんだもの!お花達が可愛そう!お花に謝って!」
「え?え?」
ボクは何の事を言われてるのかさっぱりわからず戸惑っていると、それを悟ったパンジーが、この先の草原で起きた事を教えてくれた。
曰く、一昨日の昼過ぎ、西の空からボクが乗っていたカプセルが飛んできて草原に突っ込み、土埃を巻き上げ地面を穿ちながら、何キロも滑ったのだそうだ。さっき見た構造物が、多分その宇宙船なのだろう。
「様子を見に行ったら、中から身体中血だらけのライカーさんが這い出てきて、そのまま地面に突っ伏して倒れてしまわれたんです。ここまで運ぶのにとっても骨が折れましたよ。」
そう言ってパンジーは口を尖らせた。
「そうか…。それは申し訳ない事をしたね。すまなかった。」
「でもお元気になられて、良かったです。」
そう言ってパンジーはにっこりと笑顔になった。
ボクは体を起こしてベッドの縁に腰かけ、部屋の中を観察した。こぢんまりとした、質素だが清潔感のある部屋だった。
ボクは体のあちこちを手で触れて、怪我も痛みもない事を不思議に思いながらも、立ち上がって軽く体を動かして、眠っている間に固くなった筋肉をもみほぐした。
カーテンを開けて外を見ると、窓に面していたのは、色とりどりの花が咲く素敵な庭だった。庭の一角に設えられた小さなテーブルで、居眠りをする可愛い猫獣人の姿が見えた。
部屋のドアを開けて隣の居間を通り、玄関から外に出た。
外から建物を眺めると、まるでおとぎ話にでも出てきそうなとても小さな可愛いらしい石造りの家だった。家のまわりは簡素な木の柵で囲まれ、柵の周囲は様々な花を咲かせた草原になっていた。そして遠くに何か岩のような構造物が地面から突き出ているのが見えた。
ボクは家の壁づたいにさっきの庭の方へと歩いて行き、相変わらず居眠りしている猫獣人のいるテーブルの側へ行き、空いている椅子に腰かけた。
その気配に気付いたのか、猫獣人のからだがぴくっと震えると、目を開けてボクの方に視線を向けた。ボクは言った。
「ごめん、起こしちゃったかな。」
「…あ、おはようございます。」
「はい、おはよう。それからはじめまして。ここは君の家かい?」
「はい。そうです。私はパンジーです。充分おやすみになられましたか?…えっと」
「ボクの名前は、ライカーだよ、パンジーさん。」
「ライカー…ひょっとして、ライカー船長ですか?」
「そう、そのライカー。」
「ライカー船長、ひどいです!」
パンジーは急に怒り顔になって、ボクに言った。
「お空から急に大好きなお花畑に落っこちて来るんだもの!お花達が可愛そう!お花に謝って!」
「え?え?」
ボクは何の事を言われてるのかさっぱりわからず戸惑っていると、それを悟ったパンジーが、この先の草原で起きた事を教えてくれた。
曰く、一昨日の昼過ぎ、西の空からボクが乗っていたカプセルが飛んできて草原に突っ込み、土埃を巻き上げ地面を穿ちながら、何キロも滑ったのだそうだ。さっき見た構造物が、多分その宇宙船なのだろう。
「様子を見に行ったら、中から身体中血だらけのライカーさんが這い出てきて、そのまま地面に突っ伏して倒れてしまわれたんです。ここまで運ぶのにとっても骨が折れましたよ。」
そう言ってパンジーは口を尖らせた。
「そうか…。それは申し訳ない事をしたね。すまなかった。」
「でもお元気になられて、良かったです。」
そう言ってパンジーはにっこりと笑顔になった。
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