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「あの絵、捨てて!」
「えっ、いや確かに気味の悪い絵かもしれないけど、気に入って買ったんだから、捨てるなんてとても……」
「いいから捨ててよ!」
「別に捨てなくても、布をかぶせて見えないようにすれば」
「いいから捨てて!」
私は正直言ってむっとしました。
いくら彼女でも、気に入らないからと言って私が好んで買ったばかりの絵を捨てろだなんて。
その後、ちょっとした口論になりました。
その最中に舞子が言いました。
「だってあの女が描いたやつなんか!」
――あの女?
「あの女って、どの女」
「あの女よ。美大生の」
私はこの絵は美大生が描いたことを、舞子には言っていませんでした。
でも舞子はそのことを知っていました。
私は舞子を問いただしました。
最初はとても話しづらそうでしたが、やがて全てを打ち明けてくれました。
昔、ある男と付き合っていたのですが、その男には彼女がいました。
つまり二股だったのです。
しかし舞子はそのことを知らなかったそうです。
やがて男は先に付き合っていた女を捨てて、舞子に乗り換えるような形になったそうです。
「えっ、いや確かに気味の悪い絵かもしれないけど、気に入って買ったんだから、捨てるなんてとても……」
「いいから捨ててよ!」
「別に捨てなくても、布をかぶせて見えないようにすれば」
「いいから捨てて!」
私は正直言ってむっとしました。
いくら彼女でも、気に入らないからと言って私が好んで買ったばかりの絵を捨てろだなんて。
その後、ちょっとした口論になりました。
その最中に舞子が言いました。
「だってあの女が描いたやつなんか!」
――あの女?
「あの女って、どの女」
「あの女よ。美大生の」
私はこの絵は美大生が描いたことを、舞子には言っていませんでした。
でも舞子はそのことを知っていました。
私は舞子を問いただしました。
最初はとても話しづらそうでしたが、やがて全てを打ち明けてくれました。
昔、ある男と付き合っていたのですが、その男には彼女がいました。
つまり二股だったのです。
しかし舞子はそのことを知らなかったそうです。
やがて男は先に付き合っていた女を捨てて、舞子に乗り換えるような形になったそうです。
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