天井の赤い染み

ツヨシ

文字の大きさ
上 下
1 / 2

しおりを挟む
昔住んでいたマンションでの出来事。

ある日、ソファーで横になっているとき、俺は気付いた。

天井になんだか赤黒い染みがあることに。

――なんだあ?

その大きさは人の頭くらい。

形もそんなもんだ。

しかし疲れていたのでそれ以上は追求しなかった。


次の日の朝、天井を見上げると、やはり丸くて赤黒い染みがあった。

そして仕事から帰って見てみると、頭のようなものから頭よりは幅が狭い四角形の何かが生えていた。

それは俺には頭、そして首に見えた。

――なんか気持ち悪いなあ。

大家に相談することも考えたが、面倒だと思い、結局そのままにした。


翌日の夜には、首に見えるものの下に、どう見ても胴体にしか見えない染みが出現していた。

そしてその次の日には、胴体の右上部から棒のようなものが生えていた。

俺にはそれは頭、首、胴体、そして右腕に見えた。

――やっぱり大家に言うべきかな。

と思いつつも、その日はとりあえず寝た。


翌日、仕事から帰ってくると、今度は胴体の左上部から棒のようなものが現れた。

それはやっぱり、左腕にしか見えなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

壊れた顔

ツヨシ
ホラー
画廊で買った不気味な絵はいわくつきだった。

あのバス停を降りたときに

ツヨシ
ホラー
山の中のバス停で、血にまみれた老婆が乗ってきた。

真名を告げるもの

三石成
ホラー
松前謙介は物心ついた頃から己に付きまとう異形に悩まされていた。 高校二年に進級をした数日後、謙介は不思議な雰囲気を纏う七瀬白という下級生と出会う。彼は謙介に付きまとう異形を「近づくもの」と呼び、その対処法を教える代わりに己と主従の契約を結ぶことを提案してきて…… この世ならざるものと対峙する、現代ファンタジーホラー。

歩きスマホ

宮田 歩
ホラー
イヤホンしながらの歩きスマホで車に轢かれて亡くなった美咲。あの世で三途の橋を渡ろうとした時、通行料の「六文銭」をモバイルSuicaで支払える現実に——。

失政の秘密

夢見楽土
ホラー
ある飲み屋で、先輩と後輩がオカルト話に興じます。我が国の政治の裏にある恐ろしい真意とは何か。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。 小説家になろう様にも掲載しています。 ※このお話はフィクションです。

規則怪談:漆黒の山荘

太宰菌
ホラー
温泉山荘の規則は以下の通り、厳守してください。規則を守らない者は、それに同化され、永遠に山荘から離れることができない!

インター・フォン

ゆずさくら
ホラー
家の外を何気なく見ているとインターフォンに誰がいて、何か細工をしているような気がした。 俺は慌てて外に出るが、誰かを見つけられなかった。気になってインターフォンを調べていくのだが、インターフォンに正体のわからない人物の映像が残り始める。

悪魔の園児、血まみれの復讐劇

おちんぽの書
ホラー
天使のような園児・コトが、地獄の力によっていじめっ子たちへの凄惨な復讐劇を開始。園は血塗れ地獄絵図に。さらに強大な力を求め、異世界との門を開き、悪魔たちと契約。強大な力と狂気が融合したアズの運命は? 血まみれ復讐劇の幕開け。

処理中です...