5 / 6
5
しおりを挟む
あのときと違うのは、少し歩いては振り返り、入り口がちゃんとあるかどうかを確認していたことです。
気をつけていないと、何故だか入り口が消えてしまうような気がしたからです。
そしてそれを何回か繰り返しました。
さらに歩いて振り返ると、信じられないことにそこは真っ暗だったのです。
――えっ?
ついさっきまで、明るい入り口がけっこう大きく見えていたのです。
入口からここまで、せいぜい百メートルを超えたぐらいでしょうか。
それなのに入り口が消えてしまっている。
そんなことがあるはずがないのです。
呆然と見ていると、唐突に声がしました。
「やあ」
振り返るとそこにとうやがいました。
行方不明になったときと、全く同じ姿のままで。
「なんで一人で帰っちゃうんだよ。冷たいやつだな。ずっと待っていたんだぜ」
「……」
「さあ、俺と一緒に行こう」
その声を聞いたとき、私はそうだなと思いました。
とうやと一緒に行かなければならないなと思いました。
「うん」
私がそう言ったときです。
気をつけていないと、何故だか入り口が消えてしまうような気がしたからです。
そしてそれを何回か繰り返しました。
さらに歩いて振り返ると、信じられないことにそこは真っ暗だったのです。
――えっ?
ついさっきまで、明るい入り口がけっこう大きく見えていたのです。
入口からここまで、せいぜい百メートルを超えたぐらいでしょうか。
それなのに入り口が消えてしまっている。
そんなことがあるはずがないのです。
呆然と見ていると、唐突に声がしました。
「やあ」
振り返るとそこにとうやがいました。
行方不明になったときと、全く同じ姿のままで。
「なんで一人で帰っちゃうんだよ。冷たいやつだな。ずっと待っていたんだぜ」
「……」
「さあ、俺と一緒に行こう」
その声を聞いたとき、私はそうだなと思いました。
とうやと一緒に行かなければならないなと思いました。
「うん」
私がそう言ったときです。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説





リューズ
宮田歩
ホラー
アンティークの機械式の手に入れた平田。ふとした事でリューズをいじってみると、時間が飛んだ。しかも飛ばした記憶ははっきりとしている。平田は「嫌な時間を飛ばす」と言う夢の様な生活を手に入れた…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる