長いトンネル

ツヨシ

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「うーん、そうだな」

「そうしよう」

引き返すことにしました。

そして歩いて歩いて歩きましたが、今度は何時まで経っても入口にたどり着けません。

「いったいどうなっている」

「俺に言われても」

しかし出口はまだ見ていませんが、入口は確かにありました。

そこから入って来たのですから。

自転車も入口にあるし、もう一度出口に向かうと言う選択肢はありません。

そして歩き続け、かれこれ一時間は歩いたでしょうか。

でも入り口がまだ見えてこないのです。

とうやが足を止めて言いました。

「おい、何でこのトンネルから出られないんだ?」

「俺に言われても」

そうは言っても、もう入口に向かうしかありません。

とうやが歩き始めたので、私もついて行きました。

歩きながらとうやが何かぶつぶつと言っていましたが、私は聞こえないふりをしました。

そしてさらに一時間ほど歩き続けたところ、ようやく入り口が見えました。

「やった、入口だ」

私は思わず走り出しました。
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