かくれんぼ

ツヨシ

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「ねえねえ、またかくれんぼするって」

とくちゃんがまた僕にすがってきた。

とくちゃんはちょっととろい子で、なんでか知らないけど何かあるといつも僕に引っ付いてくるんだ。

正直、うざいんだけど。

とくちゃんは、かくれんぼをするのを嫌がっている。

それはとくちゃんがいつもすぐに見つかって、みんなにばかにされるからだ。

とにかく隠れ方がへたくそで、それって隠れる気があんの、といった隠れ方をするので、見つかっちゃうのは当然だ。

とろいだけではなくて、頭も悪いんだな。

「ねえねえ、どこに隠れよう」

「山はどう?」

「山はだめだよ」

近くに山があるけど、かくれんぼのときは山に入ってはいけないと言う決まりがある。

山は大きくて広いので探すのも難しいし、なにより奥に入って迷子になったら大変だからだ。

僕は考えた。

要するに見つからなければいいんだから。

「わかったよ。なんとかするよ」
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