吸鬼

ツヨシ

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ざっと見たところ、手に入れたお札を全部貼ったようだ。

「お疲れさん。ところでお札は買えたのかい?」

「いや、在庫が一枚もなかった」

「そうか。それは残念だね。買った時、あるだけ全部買ったけど、その後は補充されなかったみたいだね。まあ、コンビニ弁当みたいに毎日売れる物じゃないだろうから」

上条は周りを見渡して言った。

「ところでここは何処で、この丸いもんはいったい何だ?」

桜井が何か言おうとしたが、その前に雅美が口を挟んだ。

「三人そろったから、もう始めるわよ。もう少しお札があれば、完璧だったんだけど。残念だわ」

桜井が上条の腕を取った。

「ここから出るよ」

二人で円の外に出た。

雅美はそのまま残った。

「はじめるわよ」

「何を?」

「あいつをここに呼び寄せるのよ」

「あれを、ここへか?」

「そうよ。私は子供の頃からあやかしのものを呼び寄せる力があったの。それを利用して、私が呼び寄せて祖父と父が退治するということを、何回かやったことがあるわ。だからあいつも、呼び寄せることが出来るはずよ」
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