吸鬼

ツヨシ

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「その封印したい奴を、巫女が足止めしてたんじゃないのか」

「上条の言うとおりだ。方法まではわからないけど、お札を貼り入口を塞ぐまで、巫女がその何かを洞窟内に留めておいたんだ。だから巫女は外に出ることが出来ずに、一緒に洞窟に封じこまれてしまったんだ」

「そうなると……」

「そう。巫女は最初から死ぬ気だったんだろうね」

上条が言った。

「すごいな。死ぬ覚悟で、その得体の知れないものとこの洞窟に残るなんて」

「そうか。それはほんとすごいと思うぜ。で、その巫女さん、美人だったらいいのにな」

――巫女が美人だろうが不細工だろうが、木本に関係ないだろう。

上条は思った。

桜井は苦笑いしている。

「で、これ以上なにか探すもん、あんのかよ」

「今日のところはこれくらいでいいかな。何かあればまた来ればいいと思うよ」

「それじゃあこんな辛気臭いところ、さっさと出ようぜ」

言い終わらないうちに、木本はすたすたと洞窟から出て行ってしまった。

二人が後を追う。

外に出て車に乗ったところで、木本が言った。

「なんか、首が痛てえ」


病院に行き、CTスキャンまで撮ったが、何処にも異常は見られなかった。

「でもほんとに、首が痛てえんだよ。それもかなり」
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