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「今度からあいつ呼ぶの、やめるか」
「ああ、それがいいな」
「そうするか」
口々に言い合って、その後もう一度飲みなおしてそれぞれ家路に着いた。
二日後にサークルの集まりがあったが、峰元は顔を出さなかった。
しかし元々あまり顔を出していなかったし、親しい人が一人もいないので、誰も気にはしていなかった。
ただ、その日に事故があった。沖田が階段から落ちて死んだのだ。
その場に居合わせた人によると、まるで見えない誰かに強く押されでもしたかのように大きくバランスを崩すと、頭から勢いよく落ちたのだそうだ。
即死だった。
次の日の話題は、当然沖田一色になった。
「二十歳になったばかりだったのによう」
「いいやつだったな」
「ほんと、かわいそうに」
みなで口々に残念がったが、この日も峰元はその姿を現さなかった。
そして翌日のこと、今度は相場が死んだ。
死因は心臓発作だそうだが、相場の心臓が悪いなんて話は、誰一人聞いたことがなかった。
「おい、中一日で二人目だぜ」
「いったいどうなってるんだ」
「まあ、偶然だとは思うけどね」
「ああ、それがいいな」
「そうするか」
口々に言い合って、その後もう一度飲みなおしてそれぞれ家路に着いた。
二日後にサークルの集まりがあったが、峰元は顔を出さなかった。
しかし元々あまり顔を出していなかったし、親しい人が一人もいないので、誰も気にはしていなかった。
ただ、その日に事故があった。沖田が階段から落ちて死んだのだ。
その場に居合わせた人によると、まるで見えない誰かに強く押されでもしたかのように大きくバランスを崩すと、頭から勢いよく落ちたのだそうだ。
即死だった。
次の日の話題は、当然沖田一色になった。
「二十歳になったばかりだったのによう」
「いいやつだったな」
「ほんと、かわいそうに」
みなで口々に残念がったが、この日も峰元はその姿を現さなかった。
そして翌日のこと、今度は相場が死んだ。
死因は心臓発作だそうだが、相場の心臓が悪いなんて話は、誰一人聞いたことがなかった。
「おい、中一日で二人目だぜ」
「いったいどうなってるんだ」
「まあ、偶然だとは思うけどね」
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