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僕の家の近くにブロック塀があり、その先はちょっとした空き地となっていた。
ある日のこと、そのブロック塀の向こうに女がいた。
丸顔で髪が長くて目の大きな女で、無表情で僕のほうを見ていた。
それを見て僕は思った。
――でかい女だなあ。
ブロック塀の高さは知っていた。
たしか160センチちょっとくらいだ。
そのブロック塀よりも首と頭が全て上に出ているということは、推定ではあるが190センチくらいはあるだろう。
十五歳にして180センチある僕よりもさらに高い。
僕でもブロック塀の横に立ったら、それより上になるのはせいぜい口から上だけだ。
女はじっと僕を見ていたが、僕は無視して通りすぎた。なんだか妙に気味が悪かったからだ。
それから時折、女を見た。
最初は気がつかなかったが、ある日を境にふと違和感を覚えた。
空き地は妙に縦に長く、僕の通る道側の長さはけっこう短いのだが、それでも少し斜めから女を見ることがあった。
そのとき、正面から見たときと違う感じを受けたのだ。
それはその女が経っている位置が、僕が最初に思っていたよりも、遠いのではないかと言うことだ。
――いや、まさかね。
勘違いだと思うことにした。
それからしばらくして、また女に出会った。
ある日のこと、そのブロック塀の向こうに女がいた。
丸顔で髪が長くて目の大きな女で、無表情で僕のほうを見ていた。
それを見て僕は思った。
――でかい女だなあ。
ブロック塀の高さは知っていた。
たしか160センチちょっとくらいだ。
そのブロック塀よりも首と頭が全て上に出ているということは、推定ではあるが190センチくらいはあるだろう。
十五歳にして180センチある僕よりもさらに高い。
僕でもブロック塀の横に立ったら、それより上になるのはせいぜい口から上だけだ。
女はじっと僕を見ていたが、僕は無視して通りすぎた。なんだか妙に気味が悪かったからだ。
それから時折、女を見た。
最初は気がつかなかったが、ある日を境にふと違和感を覚えた。
空き地は妙に縦に長く、僕の通る道側の長さはけっこう短いのだが、それでも少し斜めから女を見ることがあった。
そのとき、正面から見たときと違う感じを受けたのだ。
それはその女が経っている位置が、僕が最初に思っていたよりも、遠いのではないかと言うことだ。
――いや、まさかね。
勘違いだと思うことにした。
それからしばらくして、また女に出会った。
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