あのバス停を降りたときに

ツヨシ

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それなのにいろいろと心の中で本人ですらよくわからない言い訳しながら、結局はバスに乗ってしまう。

奇妙なことに。

――とにかく……。

乗ってしまった限りは、目的の停留所で降りなければなりません。

それ以外の手立てはないのです。

私は決して眠るなと、自分に何度も何度も強く言い聞かせました。

あまりの気の張りようのためか、目は私の二十二年の人生の中で一番ではないかと思えるほどに、冴えに冴えわたっていました。

――これなら大丈夫だわ。

私はそう確信しました。

清清しい気持ちでした。

しかしそう思ったのもつかの間、私はまたしても意識を失ってしまったのです。

気付けば忌々しいことに、バスはいつもの山の中でした。

そして前にはいつもの運転手、同じ三人の乗客。

――まただわ。なんで?

そしてバスはあの停留所で停車し、不愉快な血の臭いを嫌がらせのように引き連れて、老婆が乗り込んできました。

が、私はあることに気がつきました。
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