私を捕まえにきたヤンデレ公爵様の執着と溺愛がヤバい

Adria

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本編

18.血の誓い

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 今日はわたくしとアウルスの婚姻の儀式が行われる……。
 アウルスから本当の姿を見せてもらって今日で三ヶ月目。彼は私を助けに行く前から色々と準備をしていたらしく、思った以上に早くその日を迎えることができた。


「まったく……わたくしが離縁する前から準備をしていたなんて呆れるわ」
「すまぬ。そろそろ破綻しているなとは思っていたゆえに、準備が終わればトゥッリアを捕まえ……いや、迎えに行こうと思っていたのだ。だが、アンドレアが予想外のことをしてくれたおかげでトゥッリアを迎えに行けるのが早まって、つい嬉しくて張り切ってしまった……」
「…………まあいいわ。アウルスが張り切って準備を推し進めてくれたから、思った以上に早く挙げることができたのだし、それはよかったとは思うわ」

 彼はギリギリまで婚儀の準備や確認などに奔走してくれていた。宣言どおり、世界一素晴らしい婚姻の儀式を取り行うために……。

 そう。今日わたくしはアウルスに嫁ぐ……。
 儀式等は代々神殿の祭祀を担ってきたグイスカルド公爵家の管轄なので、王族の婚姻は大神殿においてグイスカルド公爵による祝詞から始まる。この国の象徴でもある初代国王の魔族としての姿……蛇を巻きつけた獅子に祈りを捧げるのだ。

 わたくしは神殿の中に入り、その像を見つめる。

 アウルスの本当の姿……。

「今は……今言うべきことはお小言ではなく、アウルス……貴方への愛の言葉よね。この像の前で貴方に愛を誓いたいわ」

 わたくしがアウルスに向き合い、微笑みながらそう言うと、彼は嬉しそうに笑う。

「ああ、そうだな」

 彼は頷いて、わたくしの腰を抱く。そして唇を寄せてきた。その口付けを受け……たいと思ったところで、何やら視線を感じて、わたくしは後ろを振り返る。

 振り返ると、そこにはアウルスのお父様……先代公爵様がニヤニヤしながら立っていた。
 

 そ、そういえば、今日の主役であるアウルスが務めるわけにはいかないので、アウルスのお父様が大司教として儀式を執り行ってくださるのだった。それなのに、こんなところでイチャイチャしているなんて迂闊よね……。

 恥ずかしい……と思って、頬を赤らめ俯く。でもアウルスは邪魔をされたのが気に入らないようで、不満たっぷりな顔をしている。


「父上、邪魔をしないでくれ。今は儀式の前に……」
「本当によかったよ、トゥッリア様がアウルスを貰ってくれて! うちのアウルスはトゥッリア様に相当惚れ込んでいるからね。息子も幸せというものさ!」

 お義父様はアウルスの言葉を遮り、わたくしの手をしっかりと握り怒涛のように喋り始める。その表情はとてもよい笑顔だった……。

 そんなお義父様に、アウルスの眉間にさらに深くしわが刻まれる。


「アウルスのように癖の強い男を引き受けてくれるのはトゥッリア様しかいないと、常々思っていたんだけど、トゥッリア様ったら他所に嫁いじゃっただろう? 一時期は絶望したし、息子は一生ひとりなのだと私も妻もとても心配していたんだけど本当によかったよ、トゥッリア様が帰ってきてくれて。君なら、アウルスの手綱をしっかりと握ってくれるだろうし、これでグイスカルド公爵家は安泰だなぁ。いやぁ、よかった。よかった」
「父上……」

 アウルスの不満げな表情をものともせずに、お義父様は喋り続ける。

 さすが、アウルスのお父様だ。パワーが違う。
 そして会うたびにいつも思う。アウルスよりうちのお兄様たちとのほうが似ている気がすると……。なんというか……嵐のようなところとかが、とても似ているのよね……。

 わたくしがクスクス笑うと、アウルスが嘆息する。

「トゥッリア、笑いごとではない。さっさと儀式を始めよう。この会話にアンジェロたちまで混ざられたら厄介だ」
「ええ、そうね」

 それは確かに……。

 わたくしは納得しつつ、少し機嫌が悪くなったアウルスの手を握り頷く。そして、「この婚儀が終わったら血の誓いを立てましょうね」とふふふと笑いかける。


「正直なところ、正装しているアウルスを見るのは久しぶりなので、わたくしも少し浮き足立っている気がするわ。正装姿の貴方はまた趣きがあって、とてもステキだもの」

 今日はいつもと違って、なんだかドキドキして、落ち着かない……。

 頬を赤らめて彼を見つめると、彼は多幸感あふれる微笑みでわたくしのことを見つめて、「ありがとう。私も今日の其方の美しい姿に浮き足立っているぞ」と言ってくれる。


 その姿と言葉に胸が跳ねた。
 わたくしがドキドキと張り裂けそうな胸を押さえていると、彼がわたくしの手を取り、その手に優しい口付けをひとつ落とす。

「トゥッリア、婚姻の儀式の前に……ひとついいだろうか?」
「え? 何?」

 そう言って、アウルスはなぜかわたくしに跪いた。


「ア、アウルス!? どうしたの?」
「トゥッリア・リナーシタ王女殿下。私、アウルス・グイスカルドは永久とわの愛と忠誠を貴方に誓います。どうか私の愛を受けて欲しい……」

 アウルス……。

 突然、畏まって求婚してくるアウルスに驚いて、わたくしは固まってしまった。そんなわたくしを見てアウルスが困ったように笑う。


「返事はもらえないのか?」
「い、いえ、ごめんなさい。驚いてしまって……。えっと……。は、はい、喜んで。わたくし、トゥッリア・リナーシタはアウルス・グイスカルド公爵閣下の愛を受け……貴方にこの身を捧げたいと思います」

 予定になかったことをされて、わたくしはややパニックだ。顔を赤くして彼からの求婚を受けると、彼は嬉しそうに立ち上がり、わたくしの腰を抱く。


「トゥッリア、愛している。もう二度と離さぬぞ。トゥッリアの全てを捧げてもらえるなんて感動だ」
「も、もう! と、唐突に求婚の言葉なんてズルいわ。驚いてしまうじゃないの」
「ふっ、すまぬ。何度も愛の言葉を伝えてはいたが、このように畏まって婚姻の申し込みはしたことがなかったと思うてな」

 彼も照れ臭いのか鼻の頭を掻きながら、笑う。敢えて、儀式前に求婚の言葉をくれる彼にくすぐったいけれど、とても嬉しかった。

 わたくしたちは急に婚姻が決まったので、婚約式も十分な婚約期間もなしに今日という日を迎えたし、実際書類上の手続きのほうが多かったので、このように改めて婚姻を申し込んでもらえるなんて思ってもみなかったのだ。

 彼の心遣いがとても嬉しくて、わたくしはアウルスに抱きついて、「とても嬉しいけれど、返事を求めなくてもわたくしの心はもう決まっているのよ」と、はにかむように笑う。


「そのようなことは知っている。だが、敢えて言葉にしてこそだ。私はこれから先もトゥッリアに愛の言葉を伝え続けたいし、トゥッリアからも伝えて欲しい」

 ニッと少年のような笑みを浮かべる彼に、わたくしは「そうね」とクスクス笑った。





 その後は無事に婚姻の儀式をすませ、血の誓いのための儀式の準備に取り掛かる。どちらの両親もこのあとに控えているお祝いのパーティーに出席できなくなっては困るからと、婚儀後すぐの儀式について渋っていた。
 だけれど、アウルスがどうしてもと言ったので、わたくしとアウルス……それから大司教としてアウルスのお父様が大神殿の儀式の間に残ることとなった。


「本当にするのかい? 後日でよくない? というか、血の誓いで愛を誓うなんて、大袈裟すぎない? 古臭すぎない?」
「うるさい。しつこいぞ。ほら、さっさと始めるぞ」
「アウルス、お義父様になんて口の聞き方をするのよ」

 そう言って彼の横腹を肘でつつく。
 すると、彼はシュンとした顔で不満そうにわたくしを見つめた。

 何か言いたいことがありそうな表情ね……。


「何?」
「別に何もない。それより始めよう」
「……ええ」

 わたくしはアウルスの言葉に頷き深呼吸をする。

「わたくしからしていいかしら? 血の誓いの魔法陣って、とても古くて……従来わたくしたちが大きな魔法を使うときに用いる魔法陣よりも複雑で難しいでしょう? 早くしないと忘れてしまいそうで怖いの」
「それはよいが……。あまり気に負わず、のびのびと儀式を進めればよい」
「………………」

 ちゃんとえがけるか……ということで頭がいっぱいなので、とてもじゃないけれどのびのびなんて無理だ。不可能だ。

 わたくしは、頑張って覚えた……いえ、アウルスに叩き込まれた魔法陣を、魔力を最大に込めて描いた。


 ふぅ……ちゃんと描けたかしら……。次は……。

 魔法陣の中央で跪き、手をつくと指先に鋭い痛みとじんわりと熱が広がっていく。この血の誓いは名のとおり『血』が必要らしいので、その準備なのだろう。

 ということは、ちゃんと描けたということよね。
 わたくしはホッと胸を撫で下ろした。


「トゥッリア、誓いの言葉を」

 アウルスの言葉に無言で頷く。

 えっと……婚姻の儀式が終わったので、名前を間違えないようにしなくちゃ。今はわたくしもグイスカルドになったのだものね。

 深呼吸をして、言葉に魔力を乗せる。


「わたくし、トゥッリア・グイスカルドは……アウルス・グイスカルドがわたくしを裏切らぬ限りは彼の全てを受け入れ愛し、決して逃げず、死が二人を別つまで側にいることを誓う」

 血の誓いは破ると死ぬので、ある程度は細かく誓いを立てたいと思う。何があっても彼と一緒にいますなんて曖昧な言い方をしてはいけないのだ。

 アウルスがアンドレアのように、わたくしを裏切ることは決してない。それは分かっている。だけれど、念のためにそういう逃げ道を残してしまうわたくしを許して欲しい。


 誓いの言葉を口にすると……魔法陣が光り、その光がわたくしを包む。それと同時に指先の痛みと熱がひどくなった。急速に指から血と魔力が抜けていき、魔法陣にわたくしの血と魔力が満ちていくのが分かる。

 なるほど……お父様たちが渋った理由がこれだったのね。これはかなりキツイ……。



「トゥッリア、大丈夫か?」
「ええ……でも、わたくしの魔力では不十分だったのかしら? ちゃんとできたか不安だわ」
「そんなことはない。ちゃんと誓いは成ったゆえに安心しろ」

 魔法陣の上にペシャッと潰れるように倒れてしまったわたくしをアウルスが抱き起こしてくれる。彼はわたくしの指の傷を治し、失われた魔力を口付けで分けてくれる。

 とても温かくて心地がよかった。


「トゥッリア様、こちらで休もうか。次はアウルスの番だから……」
「は、はい……」

 わたくしはフラつく体をお義父様に支えてもらい、邪魔にならないように部屋の中央から退しりぞいた。

 自分の時はどのような感じなのか見えないから、少し楽しみなのよね……。

 ドキドキしながらアウルスを見つめる。


 アウルスが魔法陣を描き、誓いの言葉を口にすると、アウルスを中心に魔力が渦巻き、風が起こった。
 部屋の隅にいる私のドレスの裾がぶわりと翻ってしまうくらい大きな風に耐えながら、目を開くと、とても美しく幻想的な光が魔法陣から上がり、アウルスを包んでいる。

 ちなみに、アウルスは細かく言葉にするのではなく、永遠にわたくしに愛と忠誠を誓う。逃がさない。と言っていた。そこがアウルスらしいと思う。
 それに彼はわたくしとは違って、とても涼しい顔で儀式を行なっている。先程、わたくしに魔力を分け与え、今も魔力と血を吸われているとは思えないほどに、とても余裕綽々な表情だ。


「キレイですね……」
「そうだね、でもトゥッリア様の時も同じように幻想的で美しかったよ。だけど、君たちに限って違えることはないと思うが、あまりこういう危ないことはして欲しくないかな。廃った儀式というのは廃っただけの理由があるのだよ」
「申し訳ございません」
「謝らないで。どうせアウルスが無理を言ったのだろう? 彼はトゥッリア様が絡むと周りが見えなくなるからね。もしもその想いや行動が行き過ぎていると感じれば、頼って欲しいと思うよ。ちゃんと叱るから」

 お義父様の心配してくださる気持ちがとても嬉しい。
 だけれど、お義父様……行き過ぎた行動に関してはもう手遅れだと思います。わたくしはそう思いながら、「ありがとうございます」とだけお礼を伝え、頭を下げた。


「トゥッリアが嫌がることや困ることをするわけがないだろう。心配は無用だ」
「えー、そうかな。しそうだけど……」
「…………」

 わたくしは儀式を終えて近づいてきたアウルスの言葉に、どの口がそんなことを言えるのだろうと思いながら、ジットリとした目で見つめた。

 まあ、あの部屋は片づけてくれたし鎖も外してくれたので、話せば分かるからよいと言えばよいのだけれど……如何せん、暴走するとわたくしがどう思うか……というところにまで考えが及ばないので、その言葉は嘘になると思う……。

 そんなことを考えていると、なんだかおかしくなってわたくしはフフッと笑い出してしまった。


「トゥッリア、なぜ笑うのだ?」

 それを見てアウルスが不思議そうにわたくしの顔を覗き込む。お義父様は「今の君の発言が笑えるくらいおかしいってことじゃないの?」と言って、一緒に笑いはじめた。でも、アウルスはお義父様の言葉を無視する。


「トゥッリア? 何が嫌なのか、ちゃんと教えてくれ。直すから……」
「ふふふ、大丈夫よ。アウルスのとても重い愛情くらい受け止めてあげるわ。貴方こそ心配は無用なのよ」
「トゥッリア……」

 そう言って彼の頬に口付けると、彼はわたくしを腕の中に閉じ込め、唇に口付けをしてくれる。

 アウルス……。
 わたくしが一度間違えたせいで、貴方を不安にさせ、わたくしたちはとても長いまわり道をしてしまったけれど、今こうやって貴方の狂おしいほどの愛を受け、貴方の妻となれたことを嬉しく思うわ。


「アウルス、愛しているわ」
「ああ、私も。私も愛している。私の愛は未来永劫其方のものだ」
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