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本編
16.抱いて?
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「トゥッリア……」
アウルスが涙を滲ませた声でわたくしの名を呼び、唇を重ねてくる。まるで奪うように強く唇を押し当ててきて、その強い想いに体がゾクリと震えた。
そして、「トゥッリア」ともう一度名を呼ぶと舌が口内に入ってくる。
「んっ……っんぅ」
彼の舌がわたくしの舌を執拗に絡め取り、口の中を這い回る。口腔内をぐるりと舐められると、体が小さく跳ねた。クチュクチュと口の中の粘膜を蹂躙されて、貪られる口付けがこの前の交わりを連想させる気がして、お腹の奥がズクリと疼いた気がした。
その熱に、全身の体温が一気に上がる。
「っんぅ、んんっ」
舌に乗せられてアウルスの唾液が喉の奥に流し込まれてくる。そして彼の舌がわたくしの舌のつけ根をなぞる。まるで呑めと促されているようで、わたくしはそれをゴクリと呑み込んだ。
アウルスの唾液はなぜかほろ苦くて……まるで媚薬のようにわたくしを酔わせる。魔族の血が濃いせいなのか分からないけれど……彼の体液にはあふれ出る魔力が混ざっているのかもしれない。その魔力を受け続けたらどうなるんだろうという興味と怖さが、わたくしの中をぐるぐると巡る。
でもその考えは、すぐにアウルスによって中断されてしまった。彼に上顎を舐められ、舌を絡めて吸われると思考が濁って、何も考えられなくなってしまう。
「ふっ、は……っ、ぁ、っ」
「トゥッリアッ、そのような顔をされると我慢ができなくなるではないか……。今すぐ押し倒したくなってしまう。其方には休息が必要なのに……」
唇が離れた時には、わたくしは目をとろんとさせ、自分一人では立っていられずに、アウルスに寄りかかって体を預けていた。それを見たアウルスが困った顔で、わたくしをベッドへと運ぶ。
「アウルス……我慢なんていらないわ。それに夕方まで眠ったのよ。もう充分休んだわ……」
「だが……其方の想いを知った私は……自分でも止まれない自信がある。悩んでいた己や其方を閉じ込め繋がねばならぬと思っていた己が何だったのだと思うほどに、容易く私の全てを受け入れてくれたことが嬉しくて堪らぬのだ」
アウルスはわたくしの手をギュッと握り、祈るように額に当て目を瞑る。
わたくしを欲望のままに傷つけないように色々と葛藤してくれているのだろう。
わたくしは、そんな優しい彼の頭を撫でた。「大丈夫」だと伝えたくて……。
「トゥッリア……。私は正直なところ、其方が私を愛し受け入れてくれるのは、もっと先だとも思っていた。いや、全てを受け入れてくれる日は、もしかすると来ないのかも知れぬと思っていたところもあったと思う。その場合は其方の精神に干渉し心を操ってでも、私に溺れ愛するようにしようと考えていたくらいだ……。ゆえに、予想外すぎて……私は正直なところ嬉しさと戸惑いでどうにかなりそうだ。今、其方を抱けば壊してしまうもしれぬ。己で己を制御できないくらい暴走してしまいそうだ……」
…………。
アウルスがわたくしを壊してしまわないように気をつけたいと思っている気持ちはよく分かった。
だけれど、ひとつ聞き捨てならない言葉が聞こえた気がする。いや、気がするのではなく聞こえた……。
なので、わたくしは彼の頰をグニグニと摘んで、睨みつける。そのわたくしの行動に、彼は驚き己の頬を押さえながら、わたくしを不思議そうな表情で見た。
「トゥッリア?」
「精神干渉? バカなことを言わないで頂戴。心を操って……表面上は貴方の望むとおりになっても、それは本当の意味で貴方の望むカタチではないでしょう? そんなことをしても苦しいだけよ。やめなさい」
「わ、分かっている。なので、私もできればしたくないと考えていたし、今はトゥッリアの母なる海の如く深い心の前で、そのような考えが愚かだということも自覚している」
そう言って、「すまぬ」と頭を下げる彼に、「分かってくれたならもういいわよ」と微笑みかける。
少しシュンとしているところは可愛らしいと思うのだけれど、彼はこれからもわたくしを縛ろうとするかもしれない。それはその都度話し合えばいいと思うし、その度に不安を解消できるように努めたいとも思う。
そんなことを考えながら、わたくしはアウルスにギュッと抱きつき、甘えるように彼の胸に頬擦りした。
「ねぇ、アウルス……。今、わたくしは貴方に抱かれたいと思うわ。お互いの心の内をさらけ出せたなら、次は体も結ばれたいと思うのだけれど、どうかしら?」
「だが……」
「どんな貴方でも受け入れると言ったでしょう? 毎日は無理かもしれないけれど、たまになら貴方の暴走くらい受け止めてあげるわよ」
わたくしが挑戦的に笑うと、アウルスが「トゥッリア」と上擦った声で名を呼ぶ。
「っ、よいのか? これから先は、其方がもう無理だと泣いても止められぬぞ」
「ええ、望むところよ」
わたくしのその言葉にアウルスが笑う。その笑みが支配的に感じて、わたくしはゴクリと喉を鳴らした。
アウルスはその笑みのまま、お互いの衣服を魔法で剥ぎ取り、わたくしを組み敷き上に覆い被さってくる。そして胸を揉まれた。彼の手の中で淫美に形を変える己の胸にドキドキしながら、彼に身を委ねる。
すると、彼が胸の先端に吸いついてきた。クリクリと舌で先端を捏ねながら、片方の先端も指で弄られて、体がピクリと震える。
「ん、はぁ……っ、んぅ」
彼の舌の動きに鼻にかかったような甘ったるい声が自然と漏れ出る。その自分の声が恥ずかしくて、顔を逸らすと咎めるように先端を甘噛みされた。
「はぅ、っ」
「トゥッリア、なぜ目を逸らすのだ。ちゃんと私を見ていろ」
「っ、で、でも恥ずかしくて、っぅ」
アウルスは低い声音でそんなことを言いながら、乳房を下から持ち上げるようにして胸を寄せ、その谷間に頬擦りをしてきた。でも視線はわたくしを捉えたままだ。
目を逸らさずに自分を見ろ……と言う彼の言葉は、わたくしの恥ずかしい気持ちを煽るつもりではなく、これから先もずっと自分から目を逸らさずに見ていて欲しいという心の表れなのだろう。
そう思うと……とても愛しく感じた。
わたくしはその想いのままに手を伸ばし、彼の頭を撫でる。なんだか彼を抱き締めて甘やかしてあげたくなった。だから、よしよしと甘やかすように彼の髪に指を通し梳くように撫でる。すると、彼の動きが止まった。
「トゥッリア、くすぐったい」
「あら、わたくしに撫でられるのは嫌?」
「嫌ではない。嬉しい」
そう言うと、彼はすぐにわたくしを抱き締め、チュッと軽く唇を寄せる。そして何度も何度も優しい口付けをくれた。
気持ちいい……それになんだか心が温かくなる……。
目を閉じて、啄むような彼の優しい口付けを受けていると、彼の左手がわたくしの太ももに這わされた。
その手の動きにお腹の奥がズクリと疼く。
「トゥッリア……其方の蜜を味わわせてくれ」
「えっ? っ、ああっ!」
その言葉を理解するより早く、アウルスがわたくしの脚の間に体を滑り込ませる。
脚の間に顔をうずめて、熱い舌が敏感なところをぬるぬると這い回った。音を立てて愛液をジュルッとすすり、チュッと花芽に吸いつかれると腰が跳ねてしまう。
先程の優しい口付けとは対照的な彼の舌に、戸惑いを覚える間もなく、否応なく体が昂められていく。
「ひあっ、ああっ……待っ、ああっ!」
尖らせた舌先でクニクニと花芽を舐られると、その強い刺激に腰が浮き、縋りつくように彼の髪をくしゃっと掴んだ。いけないと思いつつも腰をアウルスの舌に押しつけてしまう。その己の行為が恥ずかしくてたまらないのに、止められない。
ダメ……これ……我慢できない。すぐイッちゃう……。
まるで生きているみたいに動く舌がわたくしの花芽に巻きつき吸いつく。そのあまりの気持ちよさに我慢なんてできなかった。
「やぁっ、も……────っ!!」
目の前がチカチカする。体を大きくしならせ、法悦の波に呑まれる。高いところに昇ったような感覚に頭がフワフワして、グッタリと弛緩すると、彼の舌が次は花弁を開き蜜口にうねうねと挿入ってきた。ぐにょぐにょと中を舐られて、イッたばかりの体には強すぎる快感に彼の肩に脚を巻きつかせ、頭をグッと掴んでしまう。
やだやだ、これ無理……。
「ひぁあっ!!」
そうすると、舌と一緒に指が一本差し込まれた。
その刺激に腰が跳ねる。
「ふぁ、あっ……やぁ、アウルス……も、もぉ、ダメッ、待っ」
「と言っても、トゥッリアが私を押さえつけているのだぞ。ほら、望み通りもっと舐めてやろうか? それとも其方の体に巡らせてある私の魔力を取り除こうか?」
「えっ……やっ、ひっ、あつっ、熱いっ」
突然彼の手がわたくしの下腹部に伸びてくる。すると、彼の指が挿入っている中も下腹部も……それどころか全身が熱を持ったみたいに、とても熱くなった。
わたくしはその熱にはくはくと息をした。生理的な涙が自然と頬をつたう。
「────っ!!」
これ気持ちよすぎる……頭も体も熱くて変だ……。
体を大きく仰け反らせ、イヤイヤと首を横に振る。彼の肩に巻きつけていた脚はもうピンと爪先まで伸びてビクビクと震えていて、自分では止められない。
「ふっ、まさか今のでイッたのか? トゥッリアは私の魔力が好きなのだな。そんなにも気持ちがよいのなら、もっと私の魔力を受けるがよい」
「ひっ、やっ……ち、違っ、ダメッ、それ……ひあぁぁっ!!」
熱い。それに体の奥の深いところに自分とは違う魔力が轟いている。得体の知れないくらい力強いものが、わたくしの体に巻きつき支配していくのを感じて、わたくしは大粒の涙をボロボロとこぼしながら泣き続けた。
だけれど、体はビクビクと痙攣したみたいに止まらなくてイキ続けている。
も、もう無理……変になりそう……。
「や、やだ、アウ、ルス……ッ、変、変なのっ」
「可愛い。可愛すぎるぞ、トゥッリア。もっと変になればよい。もっと私にさらけ出せ」
そう言ったのと同時に彼の聳り勃った熱い昂りが、わたくしの体を貫くように一気に奥まで突き入れられた。
「ひあぁぁぁっ!!」
とても大きな刺激と快感に、喉を晒して仰け反る。アウルスはわたくしの背中に手を回して抱き締め、その晒した喉に軽く歯を立て吸いついた。
「トゥッリア、すまぬ。止められそうにない」
彼の声が苦しそうで、その目が優しくできないことへの自己嫌悪に満ちている気がして、わたくしは喘ぎ声の合間に「大丈夫」と絞り出す。
どんな貴方でも受け入れると決めた。
だから、我慢なんてしなくていい。わたくしの覚悟を示すためにも、わたくしはアウルスの凶暴なまでの熱を受け止めたいと思う。
アウルスが涙を滲ませた声でわたくしの名を呼び、唇を重ねてくる。まるで奪うように強く唇を押し当ててきて、その強い想いに体がゾクリと震えた。
そして、「トゥッリア」ともう一度名を呼ぶと舌が口内に入ってくる。
「んっ……っんぅ」
彼の舌がわたくしの舌を執拗に絡め取り、口の中を這い回る。口腔内をぐるりと舐められると、体が小さく跳ねた。クチュクチュと口の中の粘膜を蹂躙されて、貪られる口付けがこの前の交わりを連想させる気がして、お腹の奥がズクリと疼いた気がした。
その熱に、全身の体温が一気に上がる。
「っんぅ、んんっ」
舌に乗せられてアウルスの唾液が喉の奥に流し込まれてくる。そして彼の舌がわたくしの舌のつけ根をなぞる。まるで呑めと促されているようで、わたくしはそれをゴクリと呑み込んだ。
アウルスの唾液はなぜかほろ苦くて……まるで媚薬のようにわたくしを酔わせる。魔族の血が濃いせいなのか分からないけれど……彼の体液にはあふれ出る魔力が混ざっているのかもしれない。その魔力を受け続けたらどうなるんだろうという興味と怖さが、わたくしの中をぐるぐると巡る。
でもその考えは、すぐにアウルスによって中断されてしまった。彼に上顎を舐められ、舌を絡めて吸われると思考が濁って、何も考えられなくなってしまう。
「ふっ、は……っ、ぁ、っ」
「トゥッリアッ、そのような顔をされると我慢ができなくなるではないか……。今すぐ押し倒したくなってしまう。其方には休息が必要なのに……」
唇が離れた時には、わたくしは目をとろんとさせ、自分一人では立っていられずに、アウルスに寄りかかって体を預けていた。それを見たアウルスが困った顔で、わたくしをベッドへと運ぶ。
「アウルス……我慢なんていらないわ。それに夕方まで眠ったのよ。もう充分休んだわ……」
「だが……其方の想いを知った私は……自分でも止まれない自信がある。悩んでいた己や其方を閉じ込め繋がねばならぬと思っていた己が何だったのだと思うほどに、容易く私の全てを受け入れてくれたことが嬉しくて堪らぬのだ」
アウルスはわたくしの手をギュッと握り、祈るように額に当て目を瞑る。
わたくしを欲望のままに傷つけないように色々と葛藤してくれているのだろう。
わたくしは、そんな優しい彼の頭を撫でた。「大丈夫」だと伝えたくて……。
「トゥッリア……。私は正直なところ、其方が私を愛し受け入れてくれるのは、もっと先だとも思っていた。いや、全てを受け入れてくれる日は、もしかすると来ないのかも知れぬと思っていたところもあったと思う。その場合は其方の精神に干渉し心を操ってでも、私に溺れ愛するようにしようと考えていたくらいだ……。ゆえに、予想外すぎて……私は正直なところ嬉しさと戸惑いでどうにかなりそうだ。今、其方を抱けば壊してしまうもしれぬ。己で己を制御できないくらい暴走してしまいそうだ……」
…………。
アウルスがわたくしを壊してしまわないように気をつけたいと思っている気持ちはよく分かった。
だけれど、ひとつ聞き捨てならない言葉が聞こえた気がする。いや、気がするのではなく聞こえた……。
なので、わたくしは彼の頰をグニグニと摘んで、睨みつける。そのわたくしの行動に、彼は驚き己の頬を押さえながら、わたくしを不思議そうな表情で見た。
「トゥッリア?」
「精神干渉? バカなことを言わないで頂戴。心を操って……表面上は貴方の望むとおりになっても、それは本当の意味で貴方の望むカタチではないでしょう? そんなことをしても苦しいだけよ。やめなさい」
「わ、分かっている。なので、私もできればしたくないと考えていたし、今はトゥッリアの母なる海の如く深い心の前で、そのような考えが愚かだということも自覚している」
そう言って、「すまぬ」と頭を下げる彼に、「分かってくれたならもういいわよ」と微笑みかける。
少しシュンとしているところは可愛らしいと思うのだけれど、彼はこれからもわたくしを縛ろうとするかもしれない。それはその都度話し合えばいいと思うし、その度に不安を解消できるように努めたいとも思う。
そんなことを考えながら、わたくしはアウルスにギュッと抱きつき、甘えるように彼の胸に頬擦りした。
「ねぇ、アウルス……。今、わたくしは貴方に抱かれたいと思うわ。お互いの心の内をさらけ出せたなら、次は体も結ばれたいと思うのだけれど、どうかしら?」
「だが……」
「どんな貴方でも受け入れると言ったでしょう? 毎日は無理かもしれないけれど、たまになら貴方の暴走くらい受け止めてあげるわよ」
わたくしが挑戦的に笑うと、アウルスが「トゥッリア」と上擦った声で名を呼ぶ。
「っ、よいのか? これから先は、其方がもう無理だと泣いても止められぬぞ」
「ええ、望むところよ」
わたくしのその言葉にアウルスが笑う。その笑みが支配的に感じて、わたくしはゴクリと喉を鳴らした。
アウルスはその笑みのまま、お互いの衣服を魔法で剥ぎ取り、わたくしを組み敷き上に覆い被さってくる。そして胸を揉まれた。彼の手の中で淫美に形を変える己の胸にドキドキしながら、彼に身を委ねる。
すると、彼が胸の先端に吸いついてきた。クリクリと舌で先端を捏ねながら、片方の先端も指で弄られて、体がピクリと震える。
「ん、はぁ……っ、んぅ」
彼の舌の動きに鼻にかかったような甘ったるい声が自然と漏れ出る。その自分の声が恥ずかしくて、顔を逸らすと咎めるように先端を甘噛みされた。
「はぅ、っ」
「トゥッリア、なぜ目を逸らすのだ。ちゃんと私を見ていろ」
「っ、で、でも恥ずかしくて、っぅ」
アウルスは低い声音でそんなことを言いながら、乳房を下から持ち上げるようにして胸を寄せ、その谷間に頬擦りをしてきた。でも視線はわたくしを捉えたままだ。
目を逸らさずに自分を見ろ……と言う彼の言葉は、わたくしの恥ずかしい気持ちを煽るつもりではなく、これから先もずっと自分から目を逸らさずに見ていて欲しいという心の表れなのだろう。
そう思うと……とても愛しく感じた。
わたくしはその想いのままに手を伸ばし、彼の頭を撫でる。なんだか彼を抱き締めて甘やかしてあげたくなった。だから、よしよしと甘やかすように彼の髪に指を通し梳くように撫でる。すると、彼の動きが止まった。
「トゥッリア、くすぐったい」
「あら、わたくしに撫でられるのは嫌?」
「嫌ではない。嬉しい」
そう言うと、彼はすぐにわたくしを抱き締め、チュッと軽く唇を寄せる。そして何度も何度も優しい口付けをくれた。
気持ちいい……それになんだか心が温かくなる……。
目を閉じて、啄むような彼の優しい口付けを受けていると、彼の左手がわたくしの太ももに這わされた。
その手の動きにお腹の奥がズクリと疼く。
「トゥッリア……其方の蜜を味わわせてくれ」
「えっ? っ、ああっ!」
その言葉を理解するより早く、アウルスがわたくしの脚の間に体を滑り込ませる。
脚の間に顔をうずめて、熱い舌が敏感なところをぬるぬると這い回った。音を立てて愛液をジュルッとすすり、チュッと花芽に吸いつかれると腰が跳ねてしまう。
先程の優しい口付けとは対照的な彼の舌に、戸惑いを覚える間もなく、否応なく体が昂められていく。
「ひあっ、ああっ……待っ、ああっ!」
尖らせた舌先でクニクニと花芽を舐られると、その強い刺激に腰が浮き、縋りつくように彼の髪をくしゃっと掴んだ。いけないと思いつつも腰をアウルスの舌に押しつけてしまう。その己の行為が恥ずかしくてたまらないのに、止められない。
ダメ……これ……我慢できない。すぐイッちゃう……。
まるで生きているみたいに動く舌がわたくしの花芽に巻きつき吸いつく。そのあまりの気持ちよさに我慢なんてできなかった。
「やぁっ、も……────っ!!」
目の前がチカチカする。体を大きくしならせ、法悦の波に呑まれる。高いところに昇ったような感覚に頭がフワフワして、グッタリと弛緩すると、彼の舌が次は花弁を開き蜜口にうねうねと挿入ってきた。ぐにょぐにょと中を舐られて、イッたばかりの体には強すぎる快感に彼の肩に脚を巻きつかせ、頭をグッと掴んでしまう。
やだやだ、これ無理……。
「ひぁあっ!!」
そうすると、舌と一緒に指が一本差し込まれた。
その刺激に腰が跳ねる。
「ふぁ、あっ……やぁ、アウルス……も、もぉ、ダメッ、待っ」
「と言っても、トゥッリアが私を押さえつけているのだぞ。ほら、望み通りもっと舐めてやろうか? それとも其方の体に巡らせてある私の魔力を取り除こうか?」
「えっ……やっ、ひっ、あつっ、熱いっ」
突然彼の手がわたくしの下腹部に伸びてくる。すると、彼の指が挿入っている中も下腹部も……それどころか全身が熱を持ったみたいに、とても熱くなった。
わたくしはその熱にはくはくと息をした。生理的な涙が自然と頬をつたう。
「────っ!!」
これ気持ちよすぎる……頭も体も熱くて変だ……。
体を大きく仰け反らせ、イヤイヤと首を横に振る。彼の肩に巻きつけていた脚はもうピンと爪先まで伸びてビクビクと震えていて、自分では止められない。
「ふっ、まさか今のでイッたのか? トゥッリアは私の魔力が好きなのだな。そんなにも気持ちがよいのなら、もっと私の魔力を受けるがよい」
「ひっ、やっ……ち、違っ、ダメッ、それ……ひあぁぁっ!!」
熱い。それに体の奥の深いところに自分とは違う魔力が轟いている。得体の知れないくらい力強いものが、わたくしの体に巻きつき支配していくのを感じて、わたくしは大粒の涙をボロボロとこぼしながら泣き続けた。
だけれど、体はビクビクと痙攣したみたいに止まらなくてイキ続けている。
も、もう無理……変になりそう……。
「や、やだ、アウ、ルス……ッ、変、変なのっ」
「可愛い。可愛すぎるぞ、トゥッリア。もっと変になればよい。もっと私にさらけ出せ」
そう言ったのと同時に彼の聳り勃った熱い昂りが、わたくしの体を貫くように一気に奥まで突き入れられた。
「ひあぁぁぁっ!!」
とても大きな刺激と快感に、喉を晒して仰け反る。アウルスはわたくしの背中に手を回して抱き締め、その晒した喉に軽く歯を立て吸いついた。
「トゥッリア、すまぬ。止められそうにない」
彼の声が苦しそうで、その目が優しくできないことへの自己嫌悪に満ちている気がして、わたくしは喘ぎ声の合間に「大丈夫」と絞り出す。
どんな貴方でも受け入れると決めた。
だから、我慢なんてしなくていい。わたくしの覚悟を示すためにも、わたくしはアウルスの凶暴なまでの熱を受け止めたいと思う。
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