27 / 31
秘書の恋路(康弘視点)
しおりを挟む
「今日はもう雨は降らないといいですね……」
頬を掠める湿度を纏った風とペトリコールの匂いに顔をしかめた市岡の言葉に、康弘はどんよりした空を仰ぎ見て首肯した。
「そうだな……。このあとデートするなら晴れたほうがいい」
うっすらと目を細めて市岡を見ると、彼があからさまに動揺した。その姿に確信を得て、彼の肩に手を回す。
「最近、相馬さんとよく出かけているそうじゃないか。ご機嫌取りなんて面倒だと散々文句を言っておきながら、結局は楽しんでいたんだろう?」
「べ、別に……そういうわけでは」
「だが、俺からの指示がなくても昼食を一緒にとったり、仕事後に出掛けたりしているそうじゃないか。瑞希から聞いているぞ」
「それは……知紗さんが誘ってくれるのに断る理由がないだけです」
「ほう、知紗さんか……」
わざわざ復唱してニヤリと笑うと、市岡が「早く戻りますよ」と車のドアをやや乱暴に閉め、足早に会社内に入っていった。その背中を見ながらくつくつと笑う。
(相馬さんは押しが強そうだから、奥手な市岡にはぴったりかもしれないな。むしろ、いっそこのままもらってやってほしい)
市岡家の者は代々うちで秘書を務めてくれているので、彼とも子供の頃からの付き合いなのでよく分かる。相馬知紗を逃したら、次はいつ市岡に春が訪れるか分からないと――
(いや、来ないかもしれない……)
康弘は困り顔でフッと笑った。
市岡は勉強や仕事に関してはそつがないのに、こと恋愛に関しては驚くほどに奥手だ。そのせいで未だに誰とも交際したことがない。あの容姿なので過去寄ってきた女性は星の数ほどいたが、『仕事の邪魔』だと言ってすべて一蹴してきた。そんな彼の塩対応にめげずに追いかけてくれる知紗は本当に貴重なのだ。
(慣れればデレるんだが……如何せん最初が冷たすぎて皆心が折れるんだよな……)
「相馬さんが孝成の初めての女性になってくれたらいいのに」
「……っ! 仕事中に名前で呼ばないでください!」
はぁっと溜息をついて願望が口をつく。すると、市岡が康弘の腹に肘鉄を食らわせて、顔を真っ赤にして怒ってきた。そんな彼を意に介さず、エレベーターに乗り込む。
「そんなに怖い顔をしなくてもいいだろう。――で、本当のところどうなんだ? もう付き合っているのか?」
「黙秘権を行使します」
「ここは裁判所ではないから無効だ。それで?」
強引に話を進めると、市岡が今日一げんなりした顔を向けてくる。だが、空気を読む気も彼の心を汲み取る気もさらさらない。市岡が話しはじめるまで視線を逸らさずジッと見ていると、根負けしたのか彼が大きな溜息をついた。
「実は三日前……お酒の勢いで関係を持ってしまいました」
「それはおめでとう。ようやく春がきたな」
「……おめでたいんでしょうか? でも、その後も知紗さんは普通なんです。いつもと何も変わらず食事に行ったり出かけたり……。していることは恋人と変わらないのに、明確な言葉がなくて……」
「明確な言葉が欲しいなら自分から言えばいいじゃないか」
「でも告白してフラれたら……」
(このへたれ……)
目的の階についたのでエレベーターを降り、社長室のドアを開きながら嘆息する。
なぜこの男は、恋愛が絡むとこんなにも無能になるのだろうか。
「分かった。俺が相馬さんと話してやる」
(俺たちがうまくいったのは二人のおかげでもあるのだから、次は俺が協力する番だ)
そう意気込んで昼食に瑞希と知紗を同時に呼び出したのだが、二人はさして疑問に思うことなく機嫌良くやってきた。
そして当たり前のように市岡のためのお弁当を出す知紗に、彼女自身は付き合っているつもりなのがありありと分かった。
(ここまであからさまなのに、どうして気づかないのだろうか。不思議だ)
「これは言葉にしなくても明確だろう。お弁当を作ってくれているんだから付き合えているじゃないか」
「どういう理屈ですか……。お弁当なら関係を持つ前から作ってくれていましたよ」
「だからそれこそが好意の証だろう。お前がハッキリしないと、相馬さんが勘違い女みたいになるじゃないか」
お弁当を広げてお茶の用意をしてくれる瑞希と知紗を見ながら、ヒソヒソ声で市岡に話しかける。が、察しが悪くて嫌になる。
康弘が溜息をついてソファーに腰掛けると、瑞希が可愛い顔で康弘の袖口を引っ張ってきた。その嬉しそうな表情が見られただけでも、四人で食事をと提案した甲斐があったものだ。
「四人で食事をしようだなんて珍しいですね……」
「すみません。市岡が相馬さんと付き合いたいと悩んでいまして……。後押しができたらなと思い、呼んだんです。瑞希は相馬さんから何か聞いていますか?」
「ええ。先日、知紗から告白して付き合いはじめたと……」
(やはりそうか……。そういえば酒の勢いでとか言っていたが、どうせ酒が弱い市岡のことだ。告白のくだりを覚えていないんだろう)
聞いている話と違うとおろおろしはじめた瑞希の手を握る。
「まわりくどいのは嫌いなので単刀直入にお伺いします。相馬さんは、うちの秘書とどういう関係ですか?」
「社長!」
市岡の悲鳴に近い制止の呼びかけを無視して知紗の顔をジッと見据えると、彼女は照れたように笑いながら市岡を見た。
「報告が遅れてすみませんでした。先日、私から告白してお付き合いをはじめました。酔った勢いで告白してしまったから、社長は不安に思っているかもしれませんが、私本気です! 必ず孝成さんを幸せにしますから!」
「……だそうだ。彼女にここまで言わせておいて、お前から言うことはないのか?」
告白? と動揺している市岡をじろりと睨む。彼は知紗と康弘の顔を交互に見たのち、顔を真っ赤にして立ち上がった。そんな彼を見上げて嘆息する。
「瑞希、二人で話したほうが良さそうなので俺たちは別のところで食事をしましょう」
そう言って瑞希が作ってくれた弁当を手早くランチバックに戻して立ち上がると、瑞希が「え? え?」と困惑しながらついてくる。
「や、康弘さん。いいんですか?」
「構いません。大切な告白を酒のせいで覚えていないへたれは、相馬さんに叱られればいいんです」
そう言って、瑞希を連れて空いている応接室に入り鍵を閉めた。
頬を掠める湿度を纏った風とペトリコールの匂いに顔をしかめた市岡の言葉に、康弘はどんよりした空を仰ぎ見て首肯した。
「そうだな……。このあとデートするなら晴れたほうがいい」
うっすらと目を細めて市岡を見ると、彼があからさまに動揺した。その姿に確信を得て、彼の肩に手を回す。
「最近、相馬さんとよく出かけているそうじゃないか。ご機嫌取りなんて面倒だと散々文句を言っておきながら、結局は楽しんでいたんだろう?」
「べ、別に……そういうわけでは」
「だが、俺からの指示がなくても昼食を一緒にとったり、仕事後に出掛けたりしているそうじゃないか。瑞希から聞いているぞ」
「それは……知紗さんが誘ってくれるのに断る理由がないだけです」
「ほう、知紗さんか……」
わざわざ復唱してニヤリと笑うと、市岡が「早く戻りますよ」と車のドアをやや乱暴に閉め、足早に会社内に入っていった。その背中を見ながらくつくつと笑う。
(相馬さんは押しが強そうだから、奥手な市岡にはぴったりかもしれないな。むしろ、いっそこのままもらってやってほしい)
市岡家の者は代々うちで秘書を務めてくれているので、彼とも子供の頃からの付き合いなのでよく分かる。相馬知紗を逃したら、次はいつ市岡に春が訪れるか分からないと――
(いや、来ないかもしれない……)
康弘は困り顔でフッと笑った。
市岡は勉強や仕事に関してはそつがないのに、こと恋愛に関しては驚くほどに奥手だ。そのせいで未だに誰とも交際したことがない。あの容姿なので過去寄ってきた女性は星の数ほどいたが、『仕事の邪魔』だと言ってすべて一蹴してきた。そんな彼の塩対応にめげずに追いかけてくれる知紗は本当に貴重なのだ。
(慣れればデレるんだが……如何せん最初が冷たすぎて皆心が折れるんだよな……)
「相馬さんが孝成の初めての女性になってくれたらいいのに」
「……っ! 仕事中に名前で呼ばないでください!」
はぁっと溜息をついて願望が口をつく。すると、市岡が康弘の腹に肘鉄を食らわせて、顔を真っ赤にして怒ってきた。そんな彼を意に介さず、エレベーターに乗り込む。
「そんなに怖い顔をしなくてもいいだろう。――で、本当のところどうなんだ? もう付き合っているのか?」
「黙秘権を行使します」
「ここは裁判所ではないから無効だ。それで?」
強引に話を進めると、市岡が今日一げんなりした顔を向けてくる。だが、空気を読む気も彼の心を汲み取る気もさらさらない。市岡が話しはじめるまで視線を逸らさずジッと見ていると、根負けしたのか彼が大きな溜息をついた。
「実は三日前……お酒の勢いで関係を持ってしまいました」
「それはおめでとう。ようやく春がきたな」
「……おめでたいんでしょうか? でも、その後も知紗さんは普通なんです。いつもと何も変わらず食事に行ったり出かけたり……。していることは恋人と変わらないのに、明確な言葉がなくて……」
「明確な言葉が欲しいなら自分から言えばいいじゃないか」
「でも告白してフラれたら……」
(このへたれ……)
目的の階についたのでエレベーターを降り、社長室のドアを開きながら嘆息する。
なぜこの男は、恋愛が絡むとこんなにも無能になるのだろうか。
「分かった。俺が相馬さんと話してやる」
(俺たちがうまくいったのは二人のおかげでもあるのだから、次は俺が協力する番だ)
そう意気込んで昼食に瑞希と知紗を同時に呼び出したのだが、二人はさして疑問に思うことなく機嫌良くやってきた。
そして当たり前のように市岡のためのお弁当を出す知紗に、彼女自身は付き合っているつもりなのがありありと分かった。
(ここまであからさまなのに、どうして気づかないのだろうか。不思議だ)
「これは言葉にしなくても明確だろう。お弁当を作ってくれているんだから付き合えているじゃないか」
「どういう理屈ですか……。お弁当なら関係を持つ前から作ってくれていましたよ」
「だからそれこそが好意の証だろう。お前がハッキリしないと、相馬さんが勘違い女みたいになるじゃないか」
お弁当を広げてお茶の用意をしてくれる瑞希と知紗を見ながら、ヒソヒソ声で市岡に話しかける。が、察しが悪くて嫌になる。
康弘が溜息をついてソファーに腰掛けると、瑞希が可愛い顔で康弘の袖口を引っ張ってきた。その嬉しそうな表情が見られただけでも、四人で食事をと提案した甲斐があったものだ。
「四人で食事をしようだなんて珍しいですね……」
「すみません。市岡が相馬さんと付き合いたいと悩んでいまして……。後押しができたらなと思い、呼んだんです。瑞希は相馬さんから何か聞いていますか?」
「ええ。先日、知紗から告白して付き合いはじめたと……」
(やはりそうか……。そういえば酒の勢いでとか言っていたが、どうせ酒が弱い市岡のことだ。告白のくだりを覚えていないんだろう)
聞いている話と違うとおろおろしはじめた瑞希の手を握る。
「まわりくどいのは嫌いなので単刀直入にお伺いします。相馬さんは、うちの秘書とどういう関係ですか?」
「社長!」
市岡の悲鳴に近い制止の呼びかけを無視して知紗の顔をジッと見据えると、彼女は照れたように笑いながら市岡を見た。
「報告が遅れてすみませんでした。先日、私から告白してお付き合いをはじめました。酔った勢いで告白してしまったから、社長は不安に思っているかもしれませんが、私本気です! 必ず孝成さんを幸せにしますから!」
「……だそうだ。彼女にここまで言わせておいて、お前から言うことはないのか?」
告白? と動揺している市岡をじろりと睨む。彼は知紗と康弘の顔を交互に見たのち、顔を真っ赤にして立ち上がった。そんな彼を見上げて嘆息する。
「瑞希、二人で話したほうが良さそうなので俺たちは別のところで食事をしましょう」
そう言って瑞希が作ってくれた弁当を手早くランチバックに戻して立ち上がると、瑞希が「え? え?」と困惑しながらついてくる。
「や、康弘さん。いいんですか?」
「構いません。大切な告白を酒のせいで覚えていないへたれは、相馬さんに叱られればいいんです」
そう言って、瑞希を連れて空いている応接室に入り鍵を閉めた。
3
あなたにおすすめの小説
訳あって、お見合いした推しに激似のクールな美容外科医と利害一致のソロ活婚をしたはずが溺愛婚になりました
羽村 美海
恋愛
【タイトルがどうもしっくりこなくて変更しました<(_ _)>】
狂言界の名門として知られる高邑家の娘として生を受けた杏璃は、『イケメン狂言師』として人気の双子の従兄に蝶よ花よと可愛がられてきた。
過干渉気味な従兄のおかげで異性と出会う機会もなく、退屈な日常を過ごしていた。
いつか恋愛小説やコミックスに登場するヒーローのような素敵な相手が現れて、退屈な日常から連れ出してくれるかも……なんて夢見てきた。
だが待っていたのは、理想の王子様像そのもののアニキャラ『氷のプリンス』との出会いだった。
以来、保育士として働く傍ら、ソロ活と称して推し活を満喫中。
そんな杏璃の元に突如縁談話が舞い込んでくるのだが、見合い当日、相手にドタキャンされてしまう。
そこに現れたのが、なんと推し――氷のプリンスにそっくりな美容外科医・鷹村央輔だった。
しかも見合い相手にドタキャンされたという。
――これはきっと夢に違いない。
そう思っていた矢先、伯母の提案により央輔と見合いをすることになり、それがきっかけで利害一致のソロ活婚をすることに。
確かに麗しい美貌なんかソックリだけど、無表情で無愛想だし、理想なのは見かけだけ。絶対に好きになんかならない。そう思っていたのに……。推しに激似の甘い美貌で情熱的に迫られて、身も心も甘く淫らに蕩かされる。お見合いから始まるじれあまラブストーリー!
✧• ───── ✾ ───── •✧
✿高邑杏璃・タカムラアンリ(23)
狂言界の名門として知られる高邑家のお嬢様、人間国宝の孫、推し一筋の保育士、オシャレに興味のない残念女子
✿鷹村央輔・タカムラオウスケ(33)
業界ナンバーワン鷹村美容整形クリニックの副院長、実は財閥系企業・鷹村グループの御曹司、アニキャラ・氷のプリンスに似たクールな容貌のせいで『美容界の氷のプリンス』と呼ばれている、ある事情からソロ活を満喫中
✧• ───── ✾ ───── •✧
※R描写には章題に『※』表記
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません
※随時概要含め本文の改稿や修正等をしています。
✿エブリスタ様にて初公開23.10.18✿
交際マイナス一日婚⁉ 〜ほとぼりが冷めたら離婚するはずなのに、鬼上司な夫に無自覚で溺愛されていたようです〜
朝永ゆうり
恋愛
憧れの上司と一夜をともにしてしまったらしい杷留。お酒のせいで記憶が曖昧なまま目が覚めると、隣りにいたのは同じく状況を飲み込めていない様子の三条副局長だった。
互いのためにこの夜のことは水に流そうと約束した杷留と三条だったが、始業後、なぜか朝会で呼び出され――
「結婚、おめでとう!」
どうやら二人は、互いに記憶のないまま結婚してしまっていたらしい。
ほとぼりが冷めた頃に離婚をしようと約束する二人だったが、互いのことを知るたびに少しずつ惹かれ合ってゆき――
「杷留を他の男に触れさせるなんて、考えただけでぞっとする」
――鬼上司の独占愛は、いつの間にか止まらない!?
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~
花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。
だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。
エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。
そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。
「やっと、あなたに復讐できる」
歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。
彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。
過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。
※ムーンライトノベルにも掲載しております。
独占欲全開の肉食ドクターに溺愛されて極甘懐妊しました
せいとも
恋愛
旧題:ドクターと救急救命士は天敵⁈~最悪の出会いは最高の出逢い~
救急救命士として働く雫石月は、勤務明けに乗っていたバスで事故に遭う。
どうやら、バスの運転手が体調不良になったようだ。
乗客にAEDを探してきてもらうように頼み、救助活動をしているとボサボサ頭のマスク姿の男がAEDを持ってバスに乗り込んできた。
受け取ろうとすると邪魔だと言われる。
そして、月のことを『チビ団子』と呼んだのだ。
医療従事者と思われるボサボサマスク男は運転手の処置をして、月が文句を言う間もなく、救急車に同乗して去ってしまった。
最悪の出会いをし、二度と会いたくない相手の正体は⁇
作品はフィクションです。
本来の仕事内容とは異なる描写があると思います。
定時で帰りたい私と、残業常習犯の美形部長。秘密の夜食がきっかけで、胃袋も心も掴みました
藤森瑠璃香
恋愛
「お先に失礼しまーす!」がモットーの私、中堅社員の結城志穂。
そんな私の天敵は、仕事の鬼で社内では氷の王子と恐れられる完璧美男子・一条部長だ。
ある夜、忘れ物を取りに戻ったオフィスで、デスクで倒れるように眠る部長を発見してしまう。差し入れた温かいスープを、彼は疲れ切った顔で、でも少しだけ嬉しそうに飲んでくれた。
その日を境に、誰もいないオフィスでの「秘密の夜食」が始まった。
仕事では見せない、少しだけ抜けた素顔、美味しそうにご飯を食べる姿、ふとした時に見せる優しい笑顔。
会社での厳しい上司と、二人きりの時の可愛い人。そのギャップを知ってしまったら、もう、ただの上司だなんて思えない。
これは、美味しいご飯から始まる、少し大人で、甘くて温かいオフィスラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる