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衝撃の事実(隆文視点)
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「え? 祖母が?」
「はい、会長がお見えになっております。花秋先生が持ち込んだ薬について話があるそうです」
(報告なら書類で上げているんだが……)
秘書から祖母の訪問を知った隆文は眉をひそめたが、何か不可解な点があったんだろうと考え、応接室へ向かった。でもその道中で大きな溜息が漏れ出る。
(篠原より早く薬をつくるとか息巻いたけど、忙しすぎて全然侑奈に会えていないんだよな)
もう一ヵ月になる。研究員たちと研究所のほうに詰めているので、横浜のマンションに寝に帰ることが多くなり、最近では実家のほうに顔を出せていない。恒例となっている週末のお泊まりも中止続きだ。
正直なところ、まいっている。このままだと侑奈欠乏症でどうにかなりそうだ。
(ばあさん、侑奈連れてきてくれないかな。ははっ、そういうわけにはいかないか……)
「会長。失礼しま……す……」
虚しい笑いをこぼし応接室のドアをノックしてから開ける。すると、隆文の願いが叶ったのか、そこには祖母と侑奈、それから隆文と同期入社の女性研究員が一人いた。
「侑奈……!」
「隆文、お仕事中ごめんなさい。今日は話があってこちらにお邪魔させていただいたんです」
話というのが気になったが、ペコリと会釈して近寄ってきてくれる侑奈を腕の中に閉じ込める。そのまま侑奈の頭頂部に鼻をうずめて香りを吸い込むと、侑奈がくすぐったいと笑った。逃げてしまった彼女を名残惜しげに見つめていると、祖母が呆れた目を向けてくる。
「貴方……社員への示しがつかないからやめてくれる? 変な噂が立ったらどうするのよ」
「大丈夫だよ。彼女は同期だし、俺の侑奈への気持ちも知っているから」
隆文は入社時は本社で一般社員として学んでいた。今はグループ企業のほうを任せられたので、同期たちとは離れてしまったが今でもたまに連絡を取り合う仲なので特に問題はない。
そう答えながら侑奈と一緒にソファーに腰掛けた途端、祖母が隆文の頭を扇子で叩く。だが、侑奈に会えた嬉しさで舞い上がっている隆文には痛くも痒くもなかった。
「――で、話って?」
「四條くん、本当に花秋さんったらすごいんですよ!」
そう訊ねると祖母や侑奈ではなく、同期の女性――森岡が興奮気味に答えた。彼女は隆文の前に数枚の紙を広げ、ニコニコと話し始める。
「花秋さんの知識は本当に素晴らしいです。それに何より毒に耐性があるのが素晴らしい。この結果を見てください。媚薬や神経毒、そのどちらも花秋さんには効きませんでした」
「森岡さん、それは言っちゃ駄目!」
侑奈が立ち上がり森岡の口を塞ぐ。彼女は失敗したという顔をし、祖母はあらあらと大して困っていなさそうな顔で笑った。三人の様子を見るに、侑奈があの媚薬を試したのは明白だった。
「どういうことだ? この媚薬は玲瓏薬品が任せられたはずだ。それなのになぜそっちでやってるんだ? しかも侑奈まで巻き込んで」
隆文が声を荒らげ、応接室のテーブルを叩くと、ソファーに座り直そうとしていた侑奈の体が飛び上がる。が、祖母や森岡は一切動じていない。
「試すと言っても……性行為をしたわけじゃありません。服用後、蛋白質とアルコールを投与したんです。でも、まず興奮状態にも陥らなかったから、そもそも私には効かないと思います。ねぇ、隆文。これは有益な結果ですよね? 私の中にある毒の耐性が媚薬と神経毒の効果を打ち消したんです」
「ふざけるなっ!」
「ご、ごめんなさい。でも一体どんな毒なのか調べたくて」
「だからって自分の体で試す必要なんてないだろ! 最悪の事態を引き起こしたらどうするんだ!」
薬の開発に夢中になって侑奈に気が回らなかった間にまさかこんな危険なことをされているとは思わなかった。
隆文がきつい目で睨みつけると祖母と森岡が侑奈を庇う。
「そんなに怒らないであげて。実際とても助けられているのよ」
「そうですよ。そうやって四條くんが怒ると思ったから、そちらの開発チームに花秋さんが参加できなかったんです」
「あ、あのね……。自分の知識を色々と試してみたんだけど、どうしても最後のところで上手くいかなくて……もちろん危険性は理解しているし、安全性が確保できているかと問われればできてはいないんだけど。でも少しでも糸口を見つけられればと……」
めちゃくちゃ小さな声でぼそぼそと言い訳をする侑奈を睨みつける。すると、侑奈が「だって……」と泣きそうな顔をした。
「侑奈のじいさんが、侑奈の大学院進学を反対した理由がよく分かったよ。侑奈は研究者に向いていない」
「そんな……」
「四條くん、それは言い過ぎです!」
「言い過ぎなもんか! 研究や開発の過程で躓くたびに自分の体で試すのか? そんなことをしていたら、気がついたら体がボロボロになっているぞ! それどころか死んでしまうかもしれない」
侑奈を庇う森岡を怒鳴りつけると、二人が押し黙る。隆文は今にも泣きそうな顔で謝ってくる侑奈の顔を掴んだ。
「……っ!」
「それで? 毒の耐性って何? まさかそれも自分の体で試した結果得られたものだって言わないよな?」
隆文が問い質すと、侑奈の顔が見る見るうちに青ざめていき、しまいには縮こまり蚊の鳴くような声でまた「ごめんなさい」と謝った。
「隆文、少し落ち着きなさい。侑奈ちゃんが怯えているわ」
「ばあさんこそ、なぜ許したんだ? 有益な成果を得られた? そんなの結果論に過ぎないだろ。侑奈に何かあったら、どうするつもりだったんだ!」
ここは会社で会長である祖母に、部下としての線引きが必要だとかそんなことは今は考えられなかった。
ひとつ間違えば侑奈を失っていたのかもしれない。彼女たちも侑奈自身も、有益な研究成果のために『侑奈の命』を危険にさらしたのだ。
(たとえ侑奈だとて、そんなこと許せない……!)
「四條くん、ごめんなさい。私たちが軽率でした……。ですが、まずは花秋さんの頑張りを褒めてあげてください。この結果があれば多くの人を救えます」
必死になって侑奈を庇う森岡に嘆息する。
それが知りたくてこの一ヵ月必死になってきたのだ。隆文だとて、それがどれほど有益な情報なのか言われなくても分かる。だが、それでも侑奈をつかって得たのが許せないのだ。それがたとえ本人が望んだことでも……
「……俺は侑奈を失ってまで誰かを救いたいなんて思わない。愛する人を犠牲にして医療を発展させたいとも思わない……」
力なくそう言うと、侑奈が慌てて隆文の手を掴んだ。
今回は大事にはならなかったかもしれないが、もしも侑奈が毒に負けていたらと思うとゾッとする。
恐ろしくてたまらず侑奈を力一杯抱きしめる。震えが止まらなかった。
「ごめんなさい。ごめんなさい、隆文。貴方をそこまで傷つけるなんて思っていなかったんです。浅はかでした。二度としません」
「正直……研究者になる道だって諦めてほしい。屋敷の奥に閉じ込めて、すべての危険から守りたいくらいだ」
「隆文、それはやり過ぎだわ」
祖母から呆れと驚きが混じった叱責が飛んできたが、そんなこと別にどうでも良かった。
そんなことよりも侑奈を失うことのほうが耐えられない。
「はい、会長がお見えになっております。花秋先生が持ち込んだ薬について話があるそうです」
(報告なら書類で上げているんだが……)
秘書から祖母の訪問を知った隆文は眉をひそめたが、何か不可解な点があったんだろうと考え、応接室へ向かった。でもその道中で大きな溜息が漏れ出る。
(篠原より早く薬をつくるとか息巻いたけど、忙しすぎて全然侑奈に会えていないんだよな)
もう一ヵ月になる。研究員たちと研究所のほうに詰めているので、横浜のマンションに寝に帰ることが多くなり、最近では実家のほうに顔を出せていない。恒例となっている週末のお泊まりも中止続きだ。
正直なところ、まいっている。このままだと侑奈欠乏症でどうにかなりそうだ。
(ばあさん、侑奈連れてきてくれないかな。ははっ、そういうわけにはいかないか……)
「会長。失礼しま……す……」
虚しい笑いをこぼし応接室のドアをノックしてから開ける。すると、隆文の願いが叶ったのか、そこには祖母と侑奈、それから隆文と同期入社の女性研究員が一人いた。
「侑奈……!」
「隆文、お仕事中ごめんなさい。今日は話があってこちらにお邪魔させていただいたんです」
話というのが気になったが、ペコリと会釈して近寄ってきてくれる侑奈を腕の中に閉じ込める。そのまま侑奈の頭頂部に鼻をうずめて香りを吸い込むと、侑奈がくすぐったいと笑った。逃げてしまった彼女を名残惜しげに見つめていると、祖母が呆れた目を向けてくる。
「貴方……社員への示しがつかないからやめてくれる? 変な噂が立ったらどうするのよ」
「大丈夫だよ。彼女は同期だし、俺の侑奈への気持ちも知っているから」
隆文は入社時は本社で一般社員として学んでいた。今はグループ企業のほうを任せられたので、同期たちとは離れてしまったが今でもたまに連絡を取り合う仲なので特に問題はない。
そう答えながら侑奈と一緒にソファーに腰掛けた途端、祖母が隆文の頭を扇子で叩く。だが、侑奈に会えた嬉しさで舞い上がっている隆文には痛くも痒くもなかった。
「――で、話って?」
「四條くん、本当に花秋さんったらすごいんですよ!」
そう訊ねると祖母や侑奈ではなく、同期の女性――森岡が興奮気味に答えた。彼女は隆文の前に数枚の紙を広げ、ニコニコと話し始める。
「花秋さんの知識は本当に素晴らしいです。それに何より毒に耐性があるのが素晴らしい。この結果を見てください。媚薬や神経毒、そのどちらも花秋さんには効きませんでした」
「森岡さん、それは言っちゃ駄目!」
侑奈が立ち上がり森岡の口を塞ぐ。彼女は失敗したという顔をし、祖母はあらあらと大して困っていなさそうな顔で笑った。三人の様子を見るに、侑奈があの媚薬を試したのは明白だった。
「どういうことだ? この媚薬は玲瓏薬品が任せられたはずだ。それなのになぜそっちでやってるんだ? しかも侑奈まで巻き込んで」
隆文が声を荒らげ、応接室のテーブルを叩くと、ソファーに座り直そうとしていた侑奈の体が飛び上がる。が、祖母や森岡は一切動じていない。
「試すと言っても……性行為をしたわけじゃありません。服用後、蛋白質とアルコールを投与したんです。でも、まず興奮状態にも陥らなかったから、そもそも私には効かないと思います。ねぇ、隆文。これは有益な結果ですよね? 私の中にある毒の耐性が媚薬と神経毒の効果を打ち消したんです」
「ふざけるなっ!」
「ご、ごめんなさい。でも一体どんな毒なのか調べたくて」
「だからって自分の体で試す必要なんてないだろ! 最悪の事態を引き起こしたらどうするんだ!」
薬の開発に夢中になって侑奈に気が回らなかった間にまさかこんな危険なことをされているとは思わなかった。
隆文がきつい目で睨みつけると祖母と森岡が侑奈を庇う。
「そんなに怒らないであげて。実際とても助けられているのよ」
「そうですよ。そうやって四條くんが怒ると思ったから、そちらの開発チームに花秋さんが参加できなかったんです」
「あ、あのね……。自分の知識を色々と試してみたんだけど、どうしても最後のところで上手くいかなくて……もちろん危険性は理解しているし、安全性が確保できているかと問われればできてはいないんだけど。でも少しでも糸口を見つけられればと……」
めちゃくちゃ小さな声でぼそぼそと言い訳をする侑奈を睨みつける。すると、侑奈が「だって……」と泣きそうな顔をした。
「侑奈のじいさんが、侑奈の大学院進学を反対した理由がよく分かったよ。侑奈は研究者に向いていない」
「そんな……」
「四條くん、それは言い過ぎです!」
「言い過ぎなもんか! 研究や開発の過程で躓くたびに自分の体で試すのか? そんなことをしていたら、気がついたら体がボロボロになっているぞ! それどころか死んでしまうかもしれない」
侑奈を庇う森岡を怒鳴りつけると、二人が押し黙る。隆文は今にも泣きそうな顔で謝ってくる侑奈の顔を掴んだ。
「……っ!」
「それで? 毒の耐性って何? まさかそれも自分の体で試した結果得られたものだって言わないよな?」
隆文が問い質すと、侑奈の顔が見る見るうちに青ざめていき、しまいには縮こまり蚊の鳴くような声でまた「ごめんなさい」と謝った。
「隆文、少し落ち着きなさい。侑奈ちゃんが怯えているわ」
「ばあさんこそ、なぜ許したんだ? 有益な成果を得られた? そんなの結果論に過ぎないだろ。侑奈に何かあったら、どうするつもりだったんだ!」
ここは会社で会長である祖母に、部下としての線引きが必要だとかそんなことは今は考えられなかった。
ひとつ間違えば侑奈を失っていたのかもしれない。彼女たちも侑奈自身も、有益な研究成果のために『侑奈の命』を危険にさらしたのだ。
(たとえ侑奈だとて、そんなこと許せない……!)
「四條くん、ごめんなさい。私たちが軽率でした……。ですが、まずは花秋さんの頑張りを褒めてあげてください。この結果があれば多くの人を救えます」
必死になって侑奈を庇う森岡に嘆息する。
それが知りたくてこの一ヵ月必死になってきたのだ。隆文だとて、それがどれほど有益な情報なのか言われなくても分かる。だが、それでも侑奈をつかって得たのが許せないのだ。それがたとえ本人が望んだことでも……
「……俺は侑奈を失ってまで誰かを救いたいなんて思わない。愛する人を犠牲にして医療を発展させたいとも思わない……」
力なくそう言うと、侑奈が慌てて隆文の手を掴んだ。
今回は大事にはならなかったかもしれないが、もしも侑奈が毒に負けていたらと思うとゾッとする。
恐ろしくてたまらず侑奈を力一杯抱きしめる。震えが止まらなかった。
「ごめんなさい。ごめんなさい、隆文。貴方をそこまで傷つけるなんて思っていなかったんです。浅はかでした。二度としません」
「正直……研究者になる道だって諦めてほしい。屋敷の奥に閉じ込めて、すべての危険から守りたいくらいだ」
「隆文、それはやり過ぎだわ」
祖母から呆れと驚きが混じった叱責が飛んできたが、そんなこと別にどうでも良かった。
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