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決戦編
なんくるないさー
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冷たい床に気づいて目が覚める。暗闇の中に一筋の光、スポットライトが照らすのは四角い箱だった。
辺りを見回すと、白くて四角い巨大な箱があった。2m程の高さのあるそれを、何かを探す銀色の身体を持った、サイボーグの阿久津光太郎だった。
4角の得体がしれない物体を掲げながら、掌を滑らせてまさぐる。
「あった…」
なんの変哲もない面に手を押し込むと、そこの部分が凹んだ。
「まて!何をしてるんだ!」
「おぉ佐藤大輔。起きたか。」
阿久津を止めようと身体を起こそうとしたが、バランスを崩して倒れる。手足を縛られていて、まるで魚のようだった。
「それはなんだ!何をするつもりなんだ!」
「どうするもこうするもこの機械を使って、もうワンランク上のステージに登るのさ。私は。」
「…………これは…なんだ?」
目の前にある白くて巨大な箱は四角形で、よくみればぶれているように見えて、動いてるようにも見えた。
「これが見えると言う事は、君も知らぬうちにゲートを開いていると言う事だ。これは多胞体と呼ばれる物。脳にあるゲートをナノマシンで3次元的に構築したんだ。」
1次元は線、それを組み合わせて次元が構築されていく。この中で図形は立体になる。円柱になったり四角形も面が増えていく。立体になったその図形に1次空を足すことで、多胞体が出来上がる。
3次元を構成する辺、3つの次元に時間の概念を足すことで"四次元"となる。つまり目の前にある物体は概念的な物を視覚化した疑似四次元ということだ。
「だが人間の脳では多胞体の形を認識できない。おそらく四角形に見えているだろうが、私には別の形に見えているよ。」
「よくわからんけども、止めさせてもらう。」
足の裾に忍ばせたナイフは、手元に持ってきていた。合弁を垂れてるバカの目を盗むのは容易い。縄は切り終え、ナイフを阿久津に向けて投げた。
ナイフは阿久津の体に沈んだ。
銀色の肌に触れた瞬間、まるで水に波紋を残して沈んだみたいだ。そしてナイフはその身体をすり抜けて、反対側の向こうまで飛んでいった。ナイフは音を立てて落ちる。
阿久津はその不可思議な出来事をまるでなかったかのように作業を進めている。
「なんなんだよおまえは…」
「身体はナノマシンで構成されている。物理的な攻撃は身体をすり抜けるぞ。諦めろ。」
森は燃やされていた。赤く猛々しい業火が木々を焼き払ってすすむ。
「うぉおおお!」
モノはその筋肉を活かし、脇に抱えた大木をふりまわして荒れ狂う。彼を取り囲む黒い兵士達はまるで竜巻に襲われたかのように巻き込まれ吹き飛ばされる。猛攻を生き残抜いた兵士は、台風と化したモノに銃を向けた。
「そんな隙の大きい技で倒れるか!」
どこの誰かが撃った弾は、運悪くモノの膝に命中。血が飛び散った
「あつッ!」
熱さにも似た痛みが足をとめる。動きが止まり、勢いのままうつ伏せに倒れ混むと地面の味が口のなかに広がった。
「やったぞ!取り囲め!」
残った兵士達が再度、地面に倒れたモノを取り囲む。銃口は全てモノの為に向けられていた。
周りの状況をみてモノは、両手を上げて反撃するのをやめた。その様子を見て1人、髭を蓄えた男がモノに向かって話し出した。
「それでいい獣め。お前らはそうやって俺達の言うことを聞いてりゃいいんだ。」
「そう思うか?」
「おっと、そんなワルい子みたいな顔をするな。絶滅危惧種の数を減らしたくは無い。」
髭の男の背後から首輪をつけられたペンタが現れた。
彼もまた、銃口を向けられて、身動きが取れなくなっていた。
「…親父」
悔しそうな表情で見つめる。
「くそ!息子を離せ!」
「暴れたら、お前ら二頭殺す。助かりたかったら、残りのゴリラの居場所を言え。」
銃を構える兵士たちは笑っている。彼らの下卑た表情が口よりも語っている。結果がどうしたって殺す気だろう。
だから俺は腰に着けた6個のクナイを取り出し、喉にめがけて投げ込んだ。
「うはぁ!!なんだぁ!」
一瞬でクナイは6人の喉へと突き刺さる。血を吐き、吹き上げて地面にたおれこんだ。
「ゴリラども!なんかしやがっ-」
引き金を引こうとしたバカの首を、ナイフで背後から切ってやった。声もあげれず、息もできず、血が溢れる。命つきるまで苦しむことだろう。
「見えない…光学迷彩だ!みんな気をつけ…」
元先輩として恥ずかしい限りだ。俺は汗臭い男の背後を取って、おおよそ心臓の位置にクナイを突き入れた。突然の死が断末魔を呼ぶ。
「あぁッ!くそ!いてぇ!!」
「気づくのが遅いんだよ。」
動かなくなった兵士を地面におろしてやった。まるで荷物を下ろすように崩れ落ちる。
「だれか…いるのか…」
モノが辺りを見回しながら呟く。どうにか教えてやりたいが、姿を表すのはまだ早い。彼らを置き去りにして地下研究所へ向かった。
辺りを見回すと、白くて四角い巨大な箱があった。2m程の高さのあるそれを、何かを探す銀色の身体を持った、サイボーグの阿久津光太郎だった。
4角の得体がしれない物体を掲げながら、掌を滑らせてまさぐる。
「あった…」
なんの変哲もない面に手を押し込むと、そこの部分が凹んだ。
「まて!何をしてるんだ!」
「おぉ佐藤大輔。起きたか。」
阿久津を止めようと身体を起こそうとしたが、バランスを崩して倒れる。手足を縛られていて、まるで魚のようだった。
「それはなんだ!何をするつもりなんだ!」
「どうするもこうするもこの機械を使って、もうワンランク上のステージに登るのさ。私は。」
「…………これは…なんだ?」
目の前にある白くて巨大な箱は四角形で、よくみればぶれているように見えて、動いてるようにも見えた。
「これが見えると言う事は、君も知らぬうちにゲートを開いていると言う事だ。これは多胞体と呼ばれる物。脳にあるゲートをナノマシンで3次元的に構築したんだ。」
1次元は線、それを組み合わせて次元が構築されていく。この中で図形は立体になる。円柱になったり四角形も面が増えていく。立体になったその図形に1次空を足すことで、多胞体が出来上がる。
3次元を構成する辺、3つの次元に時間の概念を足すことで"四次元"となる。つまり目の前にある物体は概念的な物を視覚化した疑似四次元ということだ。
「だが人間の脳では多胞体の形を認識できない。おそらく四角形に見えているだろうが、私には別の形に見えているよ。」
「よくわからんけども、止めさせてもらう。」
足の裾に忍ばせたナイフは、手元に持ってきていた。合弁を垂れてるバカの目を盗むのは容易い。縄は切り終え、ナイフを阿久津に向けて投げた。
ナイフは阿久津の体に沈んだ。
銀色の肌に触れた瞬間、まるで水に波紋を残して沈んだみたいだ。そしてナイフはその身体をすり抜けて、反対側の向こうまで飛んでいった。ナイフは音を立てて落ちる。
阿久津はその不可思議な出来事をまるでなかったかのように作業を進めている。
「なんなんだよおまえは…」
「身体はナノマシンで構成されている。物理的な攻撃は身体をすり抜けるぞ。諦めろ。」
森は燃やされていた。赤く猛々しい業火が木々を焼き払ってすすむ。
「うぉおおお!」
モノはその筋肉を活かし、脇に抱えた大木をふりまわして荒れ狂う。彼を取り囲む黒い兵士達はまるで竜巻に襲われたかのように巻き込まれ吹き飛ばされる。猛攻を生き残抜いた兵士は、台風と化したモノに銃を向けた。
「そんな隙の大きい技で倒れるか!」
どこの誰かが撃った弾は、運悪くモノの膝に命中。血が飛び散った
「あつッ!」
熱さにも似た痛みが足をとめる。動きが止まり、勢いのままうつ伏せに倒れ混むと地面の味が口のなかに広がった。
「やったぞ!取り囲め!」
残った兵士達が再度、地面に倒れたモノを取り囲む。銃口は全てモノの為に向けられていた。
周りの状況をみてモノは、両手を上げて反撃するのをやめた。その様子を見て1人、髭を蓄えた男がモノに向かって話し出した。
「それでいい獣め。お前らはそうやって俺達の言うことを聞いてりゃいいんだ。」
「そう思うか?」
「おっと、そんなワルい子みたいな顔をするな。絶滅危惧種の数を減らしたくは無い。」
髭の男の背後から首輪をつけられたペンタが現れた。
彼もまた、銃口を向けられて、身動きが取れなくなっていた。
「…親父」
悔しそうな表情で見つめる。
「くそ!息子を離せ!」
「暴れたら、お前ら二頭殺す。助かりたかったら、残りのゴリラの居場所を言え。」
銃を構える兵士たちは笑っている。彼らの下卑た表情が口よりも語っている。結果がどうしたって殺す気だろう。
だから俺は腰に着けた6個のクナイを取り出し、喉にめがけて投げ込んだ。
「うはぁ!!なんだぁ!」
一瞬でクナイは6人の喉へと突き刺さる。血を吐き、吹き上げて地面にたおれこんだ。
「ゴリラども!なんかしやがっ-」
引き金を引こうとしたバカの首を、ナイフで背後から切ってやった。声もあげれず、息もできず、血が溢れる。命つきるまで苦しむことだろう。
「見えない…光学迷彩だ!みんな気をつけ…」
元先輩として恥ずかしい限りだ。俺は汗臭い男の背後を取って、おおよそ心臓の位置にクナイを突き入れた。突然の死が断末魔を呼ぶ。
「あぁッ!くそ!いてぇ!!」
「気づくのが遅いんだよ。」
動かなくなった兵士を地面におろしてやった。まるで荷物を下ろすように崩れ落ちる。
「だれか…いるのか…」
モノが辺りを見回しながら呟く。どうにか教えてやりたいが、姿を表すのはまだ早い。彼らを置き去りにして地下研究所へ向かった。
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