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探求編
ぷち逃避行
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小屋から走って一時間の所に小さな洞窟があった。出口にモノの側近ゴリラ·カシスが立っていて俺に向かって4回胸を叩いた。
「俺はいらないだろ?」
普通は2回胸を叩かないとカシスに殺されるが、僕はいつだって顔パスだ。カシスは鼻をならす。手土産のバナナをトスして洞窟にすすんだ。
「みんな!」
「大輔!」
俺の顔見るなり、母さんが抱きついてきた。
「心配したわ…」
「俺はしてない。殺したくても殺せないだろう。」
髪をくしゃくしゃっとかきみだしてきた。
「生きてたな大輔。」
「ユーリスさん。俺はあんたに言わないと、いけない事がある。っておいおいおい何やってんだよ!」
硬い石の上には頭を開かれ、脳が剥き出しになった少女がいた。手から袖口にかけて血で赤くなったドクターが側にいるが、絵面は最強にゴアだ。
彼は俺に気づくと何かパソコンのユニットのような物を摘まんで、それと一緒に手を振ってきた。
「お帰り大輔くん。お母さんすごいよね、まるで逃げることになれてるみたい。」
大きい図体。ずっと被っているガスマスクのせいで表情はわからないが、優しい声色から笑顔になったいることだけは伝わった。
スコープと呼ばれていた少女の頭を開いているのにも関わらず。
「ん?ああこれね。今ユニット外してる所なんだ。僕は元医者だからこんなの朝飯前なんだよね。」
「…ユニット?」
「スコープはブレインが出来る前からドーベルマンにいた。障害で言葉を喋られなかった彼女は、バイオコープの臨床試験に志願し、思考向上装置をとりつけた。おかげで正確なシミュレートと思考性能の向上した。とてつもなくな。」
「ボスの言う通り。それでマスターにこの[思考向上装置]を利用され、マインドコントロールされたんだ。いまリセットした所。縫合するからボスが続けて。」
「俺らのことは話した。俺の事もだ。後はお前らの事だ。話せ。」
ユーリスは怒りでつり上がった目を向ける。
「すまない。おれ、実はニートで」
返事はバナナの皮だった。顔面にぶつかって飛び散る果肉が濃厚で甘い匂いが鼻に漂う。
「嘘は突くな。逃げようとして弓を使っても無駄だ。俺に反応できないアクションはない。」
超反応と彼は言っていた。視覚ないに起きた刺激はすべて脳内に処理されて行動に移せる力。その上に身体能力もいじられており、ちょっとしたヒーローのようだ。
母さんがバナナ皮を取り、ユーリスに投げ返した。
「大輔は知らないこと、誘おうと思ったけど色々あって…その…ニートになったから。」
「だがあの弓の技術はなんだ?」
「元々集中力は人の何百倍も持ってる子だった。一つの事に集中すれば、足にナイフが刺さっても気づかない。それに弓に関しては才能があったのよ。」
「番犬さん…あんたはなんだ?」
「私は日本にある諜報機関よ。」
「何て名前?」
「諜報機関。」
「何て言った?」
「諜報機関よ。"諜報機関"って名前の諜報機関。」
あまりの突飛な話しに置いてきぼりを食らった。思考停止する俺とユーリス。スコープの頭を縫いながら肩を揺らして笑うドクター。少し間の抜けた雰囲気が俺たちを囲む。
「なに?」
「わかったもういいよ。その話を信じる。諜報機関も信じるし、その力は疑いようもない。バイオスコープを出し抜いて、俺らにたどり着いたんだからな。」
「気づいてたの…」
「もちろんな。まぁなんにしても俺らも同じことしようとしたしな。いけよ。」
「母さん。どういうこと?」
いきなり真に迫った言葉を話した。俺は母さんの肩を持って目を合わせる。母さんも同じように合わせるが、目の色が真剣さに満ちていた。
「私に計画がある。それを実行に移すのよ。」
「なぁ待ってくれ。2ヶ月間会えなかった、でも奇跡みたいな事が起きてやっと会えたんだ。親孝行もしたい。俺は変わったんだ。だから一緒にいたいよ母さん。」
今まで親の脛かじりだった俺は、この島で思い直し、考えを改め、生き直した。そして、失う恐怖も、やらない後悔の救えなさも知った。だからその思いを不器用な言葉にした。
母さんには伝わったようで、目に涙を浮かべるがそれをすぐに拭った。
「いまの言葉が最高の親孝行よ。」
「母さん…」
「実は言うと…あなたを救うためにこの島に来たわけじゃない。バイオコープの企みを追っているうちに、ユーリスダグラスに行き着いたの。家族の力を合わせてね。」
「家族って…父さんも?」
「お金は出してくれたけど父さんは関係ない。伸一よ。」
「兄貴が母さんと同じ…」
「時間がない、もういくわ。」
お母さんは額にキスをして洞窟を出ていった。
「それでなんだ?俺に言わなきゃならないコトって。」
さっきまでのマスターとのやり取りを話すと、ユーリスは黙り込んだ。
「ボス…この島の事ってなにか知ってるの?」
「わからん。遺言とメッセージ、それと日記でこの島とこの時期を探り当てたんだ。だがまぁアイツに聞いた方がいいな。」
「話は終わったか?」
背後からモノが現れた。ホコリまみれの姿で彼が仲間ゴリラを引き連れていた。
「終わったみたいだな。ならついてきてくれ。」
「俺はいらないだろ?」
普通は2回胸を叩かないとカシスに殺されるが、僕はいつだって顔パスだ。カシスは鼻をならす。手土産のバナナをトスして洞窟にすすんだ。
「みんな!」
「大輔!」
俺の顔見るなり、母さんが抱きついてきた。
「心配したわ…」
「俺はしてない。殺したくても殺せないだろう。」
髪をくしゃくしゃっとかきみだしてきた。
「生きてたな大輔。」
「ユーリスさん。俺はあんたに言わないと、いけない事がある。っておいおいおい何やってんだよ!」
硬い石の上には頭を開かれ、脳が剥き出しになった少女がいた。手から袖口にかけて血で赤くなったドクターが側にいるが、絵面は最強にゴアだ。
彼は俺に気づくと何かパソコンのユニットのような物を摘まんで、それと一緒に手を振ってきた。
「お帰り大輔くん。お母さんすごいよね、まるで逃げることになれてるみたい。」
大きい図体。ずっと被っているガスマスクのせいで表情はわからないが、優しい声色から笑顔になったいることだけは伝わった。
スコープと呼ばれていた少女の頭を開いているのにも関わらず。
「ん?ああこれね。今ユニット外してる所なんだ。僕は元医者だからこんなの朝飯前なんだよね。」
「…ユニット?」
「スコープはブレインが出来る前からドーベルマンにいた。障害で言葉を喋られなかった彼女は、バイオコープの臨床試験に志願し、思考向上装置をとりつけた。おかげで正確なシミュレートと思考性能の向上した。とてつもなくな。」
「ボスの言う通り。それでマスターにこの[思考向上装置]を利用され、マインドコントロールされたんだ。いまリセットした所。縫合するからボスが続けて。」
「俺らのことは話した。俺の事もだ。後はお前らの事だ。話せ。」
ユーリスは怒りでつり上がった目を向ける。
「すまない。おれ、実はニートで」
返事はバナナの皮だった。顔面にぶつかって飛び散る果肉が濃厚で甘い匂いが鼻に漂う。
「嘘は突くな。逃げようとして弓を使っても無駄だ。俺に反応できないアクションはない。」
超反応と彼は言っていた。視覚ないに起きた刺激はすべて脳内に処理されて行動に移せる力。その上に身体能力もいじられており、ちょっとしたヒーローのようだ。
母さんがバナナ皮を取り、ユーリスに投げ返した。
「大輔は知らないこと、誘おうと思ったけど色々あって…その…ニートになったから。」
「だがあの弓の技術はなんだ?」
「元々集中力は人の何百倍も持ってる子だった。一つの事に集中すれば、足にナイフが刺さっても気づかない。それに弓に関しては才能があったのよ。」
「番犬さん…あんたはなんだ?」
「私は日本にある諜報機関よ。」
「何て名前?」
「諜報機関。」
「何て言った?」
「諜報機関よ。"諜報機関"って名前の諜報機関。」
あまりの突飛な話しに置いてきぼりを食らった。思考停止する俺とユーリス。スコープの頭を縫いながら肩を揺らして笑うドクター。少し間の抜けた雰囲気が俺たちを囲む。
「なに?」
「わかったもういいよ。その話を信じる。諜報機関も信じるし、その力は疑いようもない。バイオスコープを出し抜いて、俺らにたどり着いたんだからな。」
「気づいてたの…」
「もちろんな。まぁなんにしても俺らも同じことしようとしたしな。いけよ。」
「母さん。どういうこと?」
いきなり真に迫った言葉を話した。俺は母さんの肩を持って目を合わせる。母さんも同じように合わせるが、目の色が真剣さに満ちていた。
「私に計画がある。それを実行に移すのよ。」
「なぁ待ってくれ。2ヶ月間会えなかった、でも奇跡みたいな事が起きてやっと会えたんだ。親孝行もしたい。俺は変わったんだ。だから一緒にいたいよ母さん。」
今まで親の脛かじりだった俺は、この島で思い直し、考えを改め、生き直した。そして、失う恐怖も、やらない後悔の救えなさも知った。だからその思いを不器用な言葉にした。
母さんには伝わったようで、目に涙を浮かべるがそれをすぐに拭った。
「いまの言葉が最高の親孝行よ。」
「母さん…」
「実は言うと…あなたを救うためにこの島に来たわけじゃない。バイオコープの企みを追っているうちに、ユーリスダグラスに行き着いたの。家族の力を合わせてね。」
「家族って…父さんも?」
「お金は出してくれたけど父さんは関係ない。伸一よ。」
「兄貴が母さんと同じ…」
「時間がない、もういくわ。」
お母さんは額にキスをして洞窟を出ていった。
「それでなんだ?俺に言わなきゃならないコトって。」
さっきまでのマスターとのやり取りを話すと、ユーリスは黙り込んだ。
「ボス…この島の事ってなにか知ってるの?」
「わからん。遺言とメッセージ、それと日記でこの島とこの時期を探り当てたんだ。だがまぁアイツに聞いた方がいいな。」
「話は終わったか?」
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「終わったみたいだな。ならついてきてくれ。」
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