165 / 171
第35章 穏やかな夕暮れ
穏やかな夕暮れⅣ
しおりを挟む
その部屋の中に人影が居たのだ。ルーナだ。
ルーナは様子を窺いながら、そっとこちらに歩み寄る。その隙に、カイルが部屋へと飛び込んだ。
「此方は私がお預かりしておりました。お返し致しますね」
差し出されたのは、リネットとアンジェラの為に縫ったハンカチだった。事件も解決したし、招待しても良い頃だろうか。
振り返り、クラウの左手を握ってみる。
「此処でお茶会をしたいの。リネットとアンジェラを呼んでも良いかなぁ」
「勿論、良いよ」
良かった。ほっと胸を撫で下ろし、クラウにハグをする。
ただ、お茶会はリビングで行うだろうから、この部屋を二人に見せられないのは残念だ。改めて、写真でもあればな、と思う。
「ね、座って話そう?」
「そうだね」
クラウの手を引き、新調されたソファーへと座った。嗅いだ事の無い、僅かな木の香りが鼻をくすぐる。この香りも数日経てば無くなるのかもしれない。何度か深呼吸してみる。
「そうだ、俺からも、一つお願いがあるんだ」
「何~?」
「お茶会が終わったら、今度こそ一緒にスケートリンクに行こう。きっと楽しいよ」
「うん!」
私も前回のスケートは中途半端で終わってしまった感じがしていたし、クラウが居るならもっと楽しめそうだ。先の予定がまた少しずつ埋まっていく。ワクワクして仕方が無い。
にこやかに話すクラウに、大きく頷いた。
徐々に暗くなっていく部屋に明かりが灯されていく。カーテンも閉められ、気分はすっかり夜だ。
カイルに再び遊びに誘われ、今度は綱引きをしてみる。やはり片手の握力だけでは呆気なくカイルに負けてしまい、クラウにその役目を任せた。
唸り声を上げながら、力ずくで綱を引っ張るカイルに、思わず小さな笑い声が漏れる。
その時、明らかに焦った様子のメイドが一人、部屋の中に入ってきたのだ。一礼し、ルーナへと駆け寄る。
何かあったのだろうか。訝る間にも耳打ちをされたルーナの顔は青ざめていき、此方を見る事もせずに床を蹴っていた。
「何かあったのかな」
「君、俺たちにも話してくれる?」
「はい⋯⋯」
取り残されたメイドは俯き、両手を強く握る。
「ルーナの父親が足を滑らせて、階段から転落してしまったらしく⋯⋯」
「えっ!?」
「怪我はしてるの?」
「いえ、そこまでは連絡が来ていなくて」
メイドは静かに首を横に振ると、ぎゅっと口を結ぶ。
「今はルーナのお父さんが心配だ。実家に帰らせてあげて」
「はい」
そのメイドも小さくお辞儀をすると、そそくさと部屋から出ていってしまった。
部屋に静寂が訪れる。
「ルーナのお父さん、大丈夫かな」
「分からない。今は無事を祈ろう」
又してもルーゼンベルクの身内に不幸が訪れてしまった。神様は何故、此処まで無慈悲なのだろう。自分たちにそっくりな神様たちの顔を思い浮かべてしまい、そっと首を横に振る。
「私、神様は嫌い」
「俺もだよ。あんな奴、好きにはなれない」
そう言い合った後で気付く。これでは自分で自分の事を『嫌い』と言っているのと同じなのではないか、と。
違う。分身であったとしても、人格は全くの別人だ。同じなんかではない。
クラウも自問自答をしていたのかもしれない。溜め息が重なった。
「深くは考えないでおこう?」
「うん、その方が良いよね」
神様が私たちであったとしても、私たちは神様ではない。そう結論を出した。
無性に眠い。自分でも、何故こんなにも眠いのか分からない。クラウの左手を握り、頭を預ける。
「ミユ?」
「クラウは今、幸せ?」
「幸せだよ」
「良かった⋯⋯」
自分の意思とは関係無く、瞼は閉じていた。
――――――――
黄緑色のラナンキュラスが舞う花畑に一人放り出され、途方に暮れていた。私は此処で、何をすべきなのだろう。
理由も無く足を前に動かし、前へと進み続ける。
すると、前方に人影が現れたのだ。それも、二つ。何処かで見た気がする人たちの後ろ姿――
近付くにつれて、二人の姿がはっきりと見えてくる。
「カノンと⋯⋯リエル?」
近寄り難い。私はもう、過去に戻りたくはない。足を止めようと指令を送るのに、勝手に身体は前へと進んでいく。お願いだから、立ち止まって。その思いも虚しく、とうとうカノンとリエルは振り返る。
「実結」
「こうして会うのは初めまして、だね」
リエルはにこっと微笑むと、静かに右手を差し出した。どうしてもその手を握る気にはなれず、両手を後ろへ隠してしまった。
カノンとリエルは苦笑する。
「俺、嫌われてる?」
「違うよ~。リエルとクラウを同一視したくないだけ」
「なんだ、そういう事か」
私の想いをカノンが代弁してくれ、うんうんと頷いてみせた。リエルは素直に手を引っこめる。
「実結、なんで私たちが夢に出てきたか分かる~?」
考えてみても、理由なんて全く思い付かない。又、首をブンブンと振ってみせる。
「そりゃそうだよね。予兆なんて無かったし」
「予兆?」
リエルは小さく「うーん」と唸ると、カノンと顔を見合わせた。頷き合うと、二人の視線は此方へ向く。
「これから先、ミユは誰かの事を恨む日が来ると思う。でも、覚えておいて欲しい」
リエルはすっと息を吸い込むと、クリクリの瞳を若干つり上げる。
「恨んだ相手は、ミユ以上に傷付くかもしれない。たとえ、全ての非が相手にあったとしても」
カノンは俯き、唇を小さく動かす。
「私は最期まで恨んだ相手を許せなかった。実結にはそうなって欲しくないの」
「これは、俺たちの勝手な押し付けだから、必ず許せとは言わない。俺たちが言えるのは此処まで」
景色が段々と白んでいく。
カノンとリエルはにっこりと笑う。カノンの手が此方に伸びてきたかと思うと、ポンポンと私の頭に触れた。
「またね、実結」
声だけが頭に木霊する。
起きた時にはソファーではなく、ベッドに寝かされていた。傍には椅子に腰掛けたクラウが居る。私が目覚めたと分かった瞬間、抱き着いてきた。
「良かった⋯⋯」
「クラウ?」
「急に意識が無くなったんだよ。医者は心労が原因だろうって。ごめん、心配ばっかり掛けて」
そんなに疲れていたのだろうか。自分では良く分からない。
「兎に角、今は休んで」
「うん⋯⋯」
この様子では、夢の中での出来事は伝えられないな、と感じた。ただの夢かもしれないし、そもそも伝える必要は無いのかもしれない。
クラウの身体が離れると、小さな吐息を吐いた。
どういう訳か、やたらと眠い。睡魔には抗えず、視界は閉ざされていった。
ルーナは様子を窺いながら、そっとこちらに歩み寄る。その隙に、カイルが部屋へと飛び込んだ。
「此方は私がお預かりしておりました。お返し致しますね」
差し出されたのは、リネットとアンジェラの為に縫ったハンカチだった。事件も解決したし、招待しても良い頃だろうか。
振り返り、クラウの左手を握ってみる。
「此処でお茶会をしたいの。リネットとアンジェラを呼んでも良いかなぁ」
「勿論、良いよ」
良かった。ほっと胸を撫で下ろし、クラウにハグをする。
ただ、お茶会はリビングで行うだろうから、この部屋を二人に見せられないのは残念だ。改めて、写真でもあればな、と思う。
「ね、座って話そう?」
「そうだね」
クラウの手を引き、新調されたソファーへと座った。嗅いだ事の無い、僅かな木の香りが鼻をくすぐる。この香りも数日経てば無くなるのかもしれない。何度か深呼吸してみる。
「そうだ、俺からも、一つお願いがあるんだ」
「何~?」
「お茶会が終わったら、今度こそ一緒にスケートリンクに行こう。きっと楽しいよ」
「うん!」
私も前回のスケートは中途半端で終わってしまった感じがしていたし、クラウが居るならもっと楽しめそうだ。先の予定がまた少しずつ埋まっていく。ワクワクして仕方が無い。
にこやかに話すクラウに、大きく頷いた。
徐々に暗くなっていく部屋に明かりが灯されていく。カーテンも閉められ、気分はすっかり夜だ。
カイルに再び遊びに誘われ、今度は綱引きをしてみる。やはり片手の握力だけでは呆気なくカイルに負けてしまい、クラウにその役目を任せた。
唸り声を上げながら、力ずくで綱を引っ張るカイルに、思わず小さな笑い声が漏れる。
その時、明らかに焦った様子のメイドが一人、部屋の中に入ってきたのだ。一礼し、ルーナへと駆け寄る。
何かあったのだろうか。訝る間にも耳打ちをされたルーナの顔は青ざめていき、此方を見る事もせずに床を蹴っていた。
「何かあったのかな」
「君、俺たちにも話してくれる?」
「はい⋯⋯」
取り残されたメイドは俯き、両手を強く握る。
「ルーナの父親が足を滑らせて、階段から転落してしまったらしく⋯⋯」
「えっ!?」
「怪我はしてるの?」
「いえ、そこまでは連絡が来ていなくて」
メイドは静かに首を横に振ると、ぎゅっと口を結ぶ。
「今はルーナのお父さんが心配だ。実家に帰らせてあげて」
「はい」
そのメイドも小さくお辞儀をすると、そそくさと部屋から出ていってしまった。
部屋に静寂が訪れる。
「ルーナのお父さん、大丈夫かな」
「分からない。今は無事を祈ろう」
又してもルーゼンベルクの身内に不幸が訪れてしまった。神様は何故、此処まで無慈悲なのだろう。自分たちにそっくりな神様たちの顔を思い浮かべてしまい、そっと首を横に振る。
「私、神様は嫌い」
「俺もだよ。あんな奴、好きにはなれない」
そう言い合った後で気付く。これでは自分で自分の事を『嫌い』と言っているのと同じなのではないか、と。
違う。分身であったとしても、人格は全くの別人だ。同じなんかではない。
クラウも自問自答をしていたのかもしれない。溜め息が重なった。
「深くは考えないでおこう?」
「うん、その方が良いよね」
神様が私たちであったとしても、私たちは神様ではない。そう結論を出した。
無性に眠い。自分でも、何故こんなにも眠いのか分からない。クラウの左手を握り、頭を預ける。
「ミユ?」
「クラウは今、幸せ?」
「幸せだよ」
「良かった⋯⋯」
自分の意思とは関係無く、瞼は閉じていた。
――――――――
黄緑色のラナンキュラスが舞う花畑に一人放り出され、途方に暮れていた。私は此処で、何をすべきなのだろう。
理由も無く足を前に動かし、前へと進み続ける。
すると、前方に人影が現れたのだ。それも、二つ。何処かで見た気がする人たちの後ろ姿――
近付くにつれて、二人の姿がはっきりと見えてくる。
「カノンと⋯⋯リエル?」
近寄り難い。私はもう、過去に戻りたくはない。足を止めようと指令を送るのに、勝手に身体は前へと進んでいく。お願いだから、立ち止まって。その思いも虚しく、とうとうカノンとリエルは振り返る。
「実結」
「こうして会うのは初めまして、だね」
リエルはにこっと微笑むと、静かに右手を差し出した。どうしてもその手を握る気にはなれず、両手を後ろへ隠してしまった。
カノンとリエルは苦笑する。
「俺、嫌われてる?」
「違うよ~。リエルとクラウを同一視したくないだけ」
「なんだ、そういう事か」
私の想いをカノンが代弁してくれ、うんうんと頷いてみせた。リエルは素直に手を引っこめる。
「実結、なんで私たちが夢に出てきたか分かる~?」
考えてみても、理由なんて全く思い付かない。又、首をブンブンと振ってみせる。
「そりゃそうだよね。予兆なんて無かったし」
「予兆?」
リエルは小さく「うーん」と唸ると、カノンと顔を見合わせた。頷き合うと、二人の視線は此方へ向く。
「これから先、ミユは誰かの事を恨む日が来ると思う。でも、覚えておいて欲しい」
リエルはすっと息を吸い込むと、クリクリの瞳を若干つり上げる。
「恨んだ相手は、ミユ以上に傷付くかもしれない。たとえ、全ての非が相手にあったとしても」
カノンは俯き、唇を小さく動かす。
「私は最期まで恨んだ相手を許せなかった。実結にはそうなって欲しくないの」
「これは、俺たちの勝手な押し付けだから、必ず許せとは言わない。俺たちが言えるのは此処まで」
景色が段々と白んでいく。
カノンとリエルはにっこりと笑う。カノンの手が此方に伸びてきたかと思うと、ポンポンと私の頭に触れた。
「またね、実結」
声だけが頭に木霊する。
起きた時にはソファーではなく、ベッドに寝かされていた。傍には椅子に腰掛けたクラウが居る。私が目覚めたと分かった瞬間、抱き着いてきた。
「良かった⋯⋯」
「クラウ?」
「急に意識が無くなったんだよ。医者は心労が原因だろうって。ごめん、心配ばっかり掛けて」
そんなに疲れていたのだろうか。自分では良く分からない。
「兎に角、今は休んで」
「うん⋯⋯」
この様子では、夢の中での出来事は伝えられないな、と感じた。ただの夢かもしれないし、そもそも伝える必要は無いのかもしれない。
クラウの身体が離れると、小さな吐息を吐いた。
どういう訳か、やたらと眠い。睡魔には抗えず、視界は閉ざされていった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる