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第35章 穏やかな夕暮れ
穏やかな夕暮れⅢ
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「なんだろう」
「ん?」
「誰か、新しい人でも引っ越してくるのかなぁ」
と言っても、引っ越してくるのなんて使用人くらいだろう。使用人の私室は一階の筈――
何となく気になってしまい、そっと腰を上げた。そろそろと扉へ向かう途中で、何かが私の右手首を掴んだ。
「きっと、調度品でも入れ替えてるんだよ。滅多にやらないから、大掛かりになるんだ」
「そうなの?」
「うん」
そういうものなのだろうか。半年程、公爵家に居るとはいえ、私には分からない事だらけだ。
調度品の交換なら邪魔になっては悪いし、いずれは目にする事が出来る。納得し、クラウと一緒に元の位置へ戻った。
もう一口、人肌のココアを頂く。
「あ~!」
この時、やっと思い出した。私たちは大事な事を忘れている。アレクとフレアへの返事を認めていないではないか。
「手紙書かなきゃ!」
「誰に?」
「アレクとフレア!」
「ああ!」
この調子だと、クラウもすっかり忘れていたのだろう。慌てた様子でベルを振り鳴らす。
今日はしっかりとライアンが登場した。もう疲れは取れたのだろうか。
「お呼びでしょうか?」
「ペンと便箋を」
「かしこまりました」
窃盗事件発生前と変わらず、ライアンは軽やかにお辞儀をする。
「ライアン」
「はい」
私がこうして声を掛ける事の方が珍しいからか、ライアンは声を上ずらせた。
「ちゃんと休めた? 身体に異常はない?」
その内容が予想外だったのか、ライアンは一瞬目を見開く。しかし、それも僅かな間で、すぐに嬉しそうな、にこやかな笑顔に変わった。
「きちんとお休みを頂きましたから。それも、ミエラ様とクローディオ様のお陰です。すぐに一式ご用意致しますので」
上機嫌なのか、廊下へ向かう足取りは軽い。
「さっきのミユ、ちゃんと公爵夫人してた」
「えっ?」
「元々気遣いは出来ると思ってたけど、やるじゃん」
何故かクラウも誇らしげだ。
私には殆ど自覚が無いのでちんぷんかんぷんなのだけれど、まあ、褒められたから良い事なのだろう。おまけに頭まで撫でてくれるので、酷く心地良い。
ものの数分でライアンが戻り、私用の羽根ペンとインクもテーブルに置かれた。今回の便箋は銀箔の雪の結晶が上下にあしらわれている。
「俺はアレクに書くから、ミユはフレアに。さっき話した内容を、ちゃんと書こう」
「うん」
諦めない、自由に生きる――
――――――――
フレアへ
領地で窃盗事件が起きて、バタバタしててごめんね。手紙ありがとう。それに、返事待っててくれてありがとう。私たちも、やっと、ちゃんと話出来たんだ。
寿命が分かったって、それで何かを諦めるのは可笑しい。
やりたい事をやろう。叶わないと思っても、そんな思い込みは捨てて、楽しんだもん勝ちだって。クラウが言ってくれた。
確かにそうなの。出来ないって思い込んで、諦めてきた事は今までにも沢山ある。でも、それじゃ駄目なんだって気付かせてくれた。
私たちはもう自由なんだもん。やりたい事やって、楽しく生きようね!
ミエラ・ヴァルターより
――――――――
書きたい事はきちんと書けた筈だ。
もう一度、書き連ねた文章に目を通し、丁寧に三つ折にする。ライアンに渡すと、便箋とお揃いの封筒に入れてくれた。青色の封蝋を押して、クラウの物と重ねる。
「頼んだよ」
「お任せ下さい」
二人の会話を聞きながら、ふと窓の外に目を遣ってみる。空は薄い黄色――夕暮れに近付いていた。
もうそんなに時間が経っていたなんて。何かに集中していると、時間を忘れる事はあるものだけれど。
そう言えば、部屋の外の物音が止んでいる。調度品の交換は終わったのだろうか。
足早に去っていくライアンを見送り、そのまま扉を眺めていた。
「どうかした?」
「うん。調度品の交換が終わったみたい。音が聞こえなくなったから」
「もうそんな時間か……」
クラウは時計に目を向けると、小さく頷いた。
「ミユ、ちょっとこっちに来て欲しい」
「えっ? 何処行くの?」
「こっち」
こっちではなく、場所が知りたいのに。
気配を察知したカイルが我先にと廊下へ飛び出し、私たちが追い付くのを待っている。私はと言えば、クラウに右手を掴まれ、戸惑いながら足を動かすのだった。廊下に飾ってある絵画やガラスの壺などを見ても、何処も変わっていないと思うのは気の所為だろうか。
そうして着いたのは、紛れもなく私の部屋だった。
「ミユ、絶対にビックリするよ」
クラウは小さく笑うと、その扉をゆっくりと開け放っていく。目に映ったのは、数時間前に私が居たそことは全く違う光景だった。
「一から造ってもらうのにちょっと時間がかかったけど、気に入ってくれたら良いな」
薄ピンクの家具ばかりだった筈が、テーブル、椅子、ベッド、ソファー、ドレッサー、用箪笥――どれを取ってみても薄緑色に変わっている。
以前クラウから聞いてはいたものの、それを実行してしまうとは。流石、公爵家だ。
呆気にとられて、上手く反応できない。
「ありがとう……」
そう囁くので精一杯だった。
「ん?」
「誰か、新しい人でも引っ越してくるのかなぁ」
と言っても、引っ越してくるのなんて使用人くらいだろう。使用人の私室は一階の筈――
何となく気になってしまい、そっと腰を上げた。そろそろと扉へ向かう途中で、何かが私の右手首を掴んだ。
「きっと、調度品でも入れ替えてるんだよ。滅多にやらないから、大掛かりになるんだ」
「そうなの?」
「うん」
そういうものなのだろうか。半年程、公爵家に居るとはいえ、私には分からない事だらけだ。
調度品の交換なら邪魔になっては悪いし、いずれは目にする事が出来る。納得し、クラウと一緒に元の位置へ戻った。
もう一口、人肌のココアを頂く。
「あ~!」
この時、やっと思い出した。私たちは大事な事を忘れている。アレクとフレアへの返事を認めていないではないか。
「手紙書かなきゃ!」
「誰に?」
「アレクとフレア!」
「ああ!」
この調子だと、クラウもすっかり忘れていたのだろう。慌てた様子でベルを振り鳴らす。
今日はしっかりとライアンが登場した。もう疲れは取れたのだろうか。
「お呼びでしょうか?」
「ペンと便箋を」
「かしこまりました」
窃盗事件発生前と変わらず、ライアンは軽やかにお辞儀をする。
「ライアン」
「はい」
私がこうして声を掛ける事の方が珍しいからか、ライアンは声を上ずらせた。
「ちゃんと休めた? 身体に異常はない?」
その内容が予想外だったのか、ライアンは一瞬目を見開く。しかし、それも僅かな間で、すぐに嬉しそうな、にこやかな笑顔に変わった。
「きちんとお休みを頂きましたから。それも、ミエラ様とクローディオ様のお陰です。すぐに一式ご用意致しますので」
上機嫌なのか、廊下へ向かう足取りは軽い。
「さっきのミユ、ちゃんと公爵夫人してた」
「えっ?」
「元々気遣いは出来ると思ってたけど、やるじゃん」
何故かクラウも誇らしげだ。
私には殆ど自覚が無いのでちんぷんかんぷんなのだけれど、まあ、褒められたから良い事なのだろう。おまけに頭まで撫でてくれるので、酷く心地良い。
ものの数分でライアンが戻り、私用の羽根ペンとインクもテーブルに置かれた。今回の便箋は銀箔の雪の結晶が上下にあしらわれている。
「俺はアレクに書くから、ミユはフレアに。さっき話した内容を、ちゃんと書こう」
「うん」
諦めない、自由に生きる――
――――――――
フレアへ
領地で窃盗事件が起きて、バタバタしててごめんね。手紙ありがとう。それに、返事待っててくれてありがとう。私たちも、やっと、ちゃんと話出来たんだ。
寿命が分かったって、それで何かを諦めるのは可笑しい。
やりたい事をやろう。叶わないと思っても、そんな思い込みは捨てて、楽しんだもん勝ちだって。クラウが言ってくれた。
確かにそうなの。出来ないって思い込んで、諦めてきた事は今までにも沢山ある。でも、それじゃ駄目なんだって気付かせてくれた。
私たちはもう自由なんだもん。やりたい事やって、楽しく生きようね!
ミエラ・ヴァルターより
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書きたい事はきちんと書けた筈だ。
もう一度、書き連ねた文章に目を通し、丁寧に三つ折にする。ライアンに渡すと、便箋とお揃いの封筒に入れてくれた。青色の封蝋を押して、クラウの物と重ねる。
「頼んだよ」
「お任せ下さい」
二人の会話を聞きながら、ふと窓の外に目を遣ってみる。空は薄い黄色――夕暮れに近付いていた。
もうそんなに時間が経っていたなんて。何かに集中していると、時間を忘れる事はあるものだけれど。
そう言えば、部屋の外の物音が止んでいる。調度品の交換は終わったのだろうか。
足早に去っていくライアンを見送り、そのまま扉を眺めていた。
「どうかした?」
「うん。調度品の交換が終わったみたい。音が聞こえなくなったから」
「もうそんな時間か……」
クラウは時計に目を向けると、小さく頷いた。
「ミユ、ちょっとこっちに来て欲しい」
「えっ? 何処行くの?」
「こっち」
こっちではなく、場所が知りたいのに。
気配を察知したカイルが我先にと廊下へ飛び出し、私たちが追い付くのを待っている。私はと言えば、クラウに右手を掴まれ、戸惑いながら足を動かすのだった。廊下に飾ってある絵画やガラスの壺などを見ても、何処も変わっていないと思うのは気の所為だろうか。
そうして着いたのは、紛れもなく私の部屋だった。
「ミユ、絶対にビックリするよ」
クラウは小さく笑うと、その扉をゆっくりと開け放っていく。目に映ったのは、数時間前に私が居たそことは全く違う光景だった。
「一から造ってもらうのにちょっと時間がかかったけど、気に入ってくれたら良いな」
薄ピンクの家具ばかりだった筈が、テーブル、椅子、ベッド、ソファー、ドレッサー、用箪笥――どれを取ってみても薄緑色に変わっている。
以前クラウから聞いてはいたものの、それを実行してしまうとは。流石、公爵家だ。
呆気にとられて、上手く反応できない。
「ありがとう……」
そう囁くので精一杯だった。
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