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同僚が不倫を強要してきます1

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「ただいま」

ガチャ、という鍵の音と共に聞こえる声。

「おかえり、拓海くん」

「莉子先に帰ってたんだ」

「うん。スーパー寄ってたから今着いたばっかりだけど…ご飯待ってね、ごめんね」

「手伝うよ」

「いいよ、ゆっくりしてて」

莉子と拓海は同じ会社の同期で、結婚してもうすぐ二年が経つ。部署は違うから社内で頻繁に会うことは無くて、同じ会社で働いてる感覚は薄い。

***

「次また一ヶ月だよね」

「うん。準備しないとなー」

拓海のいる部署は海外事業部なので、海外出張が多く、一年の半分位日本にいない。

「またしばらく莉子と会えないな」

「うーん。そうだね」

「結婚してても全然会えないね。同じ会社行って同じ家帰ってるのに。ごめんね」

そう言って拓海はグラスの中のワインを啜った。

一緒にいられる時は、晩酌して寝るのが二人の日課。二人ともお酒が好きで、それがきっかけで仲良くなった。ちなみに莉子の方がお酒が強い。どれだけ飲んでも潰れない莉子に合わせると拓海が潰れてしまう。

拓海が酔い潰れてソファなんかで寝始めるとどれだけ起こしても朝まで起きないし、155センチで小柄な莉子より30センチ近く背の高い拓海をベッドに連れて行くのは不可能だ。

日本にいる時ぐらいベッドで一緒に寝たいのに…

だから莉子は拓海が潰れないように、一人で飲む時よりお酒の量を自然とセーブしてしまっている。

「付き合ってる時より会える回数ずっと増えたから嬉しいよ」

「俺も嬉しい」

拓海が莉子を抱き寄せて、莉子にキスをした。軽く唇が触れたかと思うと、拓海はリカの唇を指で軽く開き舌を絡めた。

唇が、舌が触れ合う音がリビングに響く。

「ん…は、っ…あ」

拓海の手が莉子の胸に触れて、優しく揉み始めた。

「…っ、拓海くん…」

「…ベッドいこっか」

拓海に手を引かれ、寝室に着くと莉子はゆっくりベッドに押し倒されて、また唇を奪われた。敏感な莉子は唇だけじゃなく、耳や首筋にあたる拓海の唇の感触に体をびくびくさせる。

「あ、んっ…」

拓海がキスをしながら莉子の服を少しずつ脱がせていく。

拓海がブラジャーのホックを外し、露わになった莉子の胸の谷間に顔を埋めながら愛撫をする。時々拓海の鼻先が莉子の乳首に当たる度に声が漏れる。

「あ、っ、…はやく触って…」

拓海の指と唇が莉子の乳首に触れるとさっきよりいやらしい声が漏れた。

「あんっ…や…っ」

「可愛い。俺も脱がせて」

二人はベッドの上で座り込みお互いの服を脱がせあった。拓海が莉子の腰を少し浮かせ、中に指を入れるとクチュ、と音がした。

「あんっ」

「びしょびしょ」

「ん、っ…拓海くんだって…おっきくしてるし…」

キスをしながら莉子の手は拓海のモノをゆっくりしごいている。唇を離すと莉子は拓海のモノを口に含んで再び手でしごきながら舐め始めた。莉子の唇や舌の感触と手の動きに拓海の息が荒くなる。

「…そんなに動かしちゃダメ」

「嫌?」

「気持ちよすぎていっちゃうじゃん」

「それは嫌…」

「じゃあ入れていい?」

「うん…きて」

拓海が莉子の足を開き、正常位で莉子の中にモノを入れるとゆっくり腰を動かし始めた。

「…んあ…っ、は…やぁん」

莉子の声がだんだん大きく、熱を帯びてくる。

「あ、たくみくんっ、きもちい…あぁっ」

「そんな可愛い顔もダメ…」

「だって、気持ちいいんだもんっ…やんっ」

「可愛すぎ…愛してる、莉子」

「拓海くん、あたしも愛してる…あっ」

キスをしながら、二人は愛の言葉を囁く。

「あ、やばい莉子、いく」

「あぁんんっ!や、あ、あっ」

莉子の中に熱を放った拓海は息を整えながら莉子にキスをした。莉子は拓海の首筋に手を絡めて抱きついた。

***

「最近ダメだわ、莉子の中気持ちよすぎてすぐいっちゃう」

拓海がティッシュでモノを拭き取りながら言う。

最近、セックスしても莉子がいく前に拓海が果ててしまうのだ。

「拓海くんの愛情いっぱいもらってるからいいのー」

そう言って莉子は拓海の背中に抱きつき言葉を続けた。

「お風呂入ろ、拓海くん。またしばらく一緒に入れないし」

「うん」

付き合って二年、結婚してもうすぐ二年。二人はずっと仲が良くて、拓海が家に帰ってくる時はほぼ毎日セックスをしている。それでも二人は全く飽きずに愛し合っている。

***

三日後、拓海は出張先へと旅立った。莉子は早起きをして送り出す準備をしていた。

「拓海くん、タクシー呼んだ?」

「呼んだよ」

「じゃもう来ちゃうじゃん」

出発する前に拓海は背後から莉子に抱きつき、キスをしてきた。

「大丈夫」

「大丈夫じゃな…っ、あ」

拓海の指が莉子の乳首を摘んだ。

「もぉ、拓海くん…あんっ」

莉子の着ている薄いサテンのパジャマからでも、乳首が浮き出ているのがわかる。

「昨日二回したくせにっあ、あ」

「莉子も乳首立ってるくせに。寝起きに襲われるの好きだもんな」

莉子はソファに手をつく様に言われパジャマのズボンとパンツをずらされ、指を入れられた。

「あぁんっ!!」

「ほら、濡れてるじゃん」

「もぉ、だめ、拓海くんのバカっタクシー来ちゃうってばっ」

「んじゃ急ぐ」

「あっ!」

拓海がズボンを下ろしバックで莉子の中に入ってきて激しく突き上げる。

ぱんぱんぱんっ…部屋に結合音が響く。

「あぁん、あんっ、激しっ…拓海くんスーツ汚れちゃうよ…っ」

「いいよ」

拓海が更に激しく腰を動かす。

「莉子のエッチな汁でなら汚れてもいいよ」

「ばかっ…ああんっおく、きもちいっ…あぁぁーっ」

拓海が莉子の中で果てた。

ー「…いい子にしててね、莉子」

「…拓海くんもね」

「また向こう着いたら連絡するね」

「うん。いってらっしゃい」

「愛してるよ、莉子」

「拓海くん、あたしも愛してるよ」

玄関で二人はキスをして、拓海が出て行った。

***

莉子が休みの日。拓海があと半月で帰ってくる頃、莉子は自宅のテーブルでノートパソコンを使い文字を打っていた。

「これでよし」

拓海くん、早く帰ってきてほしいな…と文字を打ちながら莉子は考えていた。

「はぁ…」

莉子はネット上で小説を書いている。

本が好きで文章を書くことも好きな莉子は元々普通の恋愛小説を書いていたが、なんとなく官能小説を投稿をしてみたら人気が出てしまい定期的に投稿をしているのだった。もちろん拓海には内緒で。

少ないながらギャラも貰っている。今日は締め切りだったので、メールで送らねばならなかったのだ。

次の日になって、締め切り過ぎてますよと編集担当の人からメールが来た。

「うそ…」

アドレス帳を一行間違えて、同期のいつきに送っていたのだった。

担当さんに連絡をして、お詫びをしてなんとかお願いします!!とすぐにメールを送り直した。なんとかなったけど、樹のことはなんともなっていない。

莉子は樹が苦手だった。頭の回転が早くて、口が達者。新人研修でグループが一緒だったが度々意見が分かれその度に言い負かされてきたのだ。

端正な顔立ちだが冷たくて鋭い目も莉子はすごく苦手だった。拓海と同じくらいの身長、体型なので同期からは後ろ姿が似てる、なんて言われていたけど一緒にしないでくれ!と莉子は心の中で思っていた。

うまくごまかすなんて不可能だ。開き直るしかない。  
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