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問題児の高校生、最後の夏休み。4
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「…ちょっと、そろそろ離れないと」
「いーやっ」
坂根の腕は俺の首の後ろに、足は背中にと、がっちりと俺の体を固めている。
「だめだめ、早く外さないと危ないんだから」
「やだっ」
「言うこと聞きなさい」
「むー…やったら冷たくなるタイプか」
むくれながら坂根が俺を解放して、ようやく俺はゴムを処理した。
「そんなんじゃないから。そもそも俺はお前に誘われたから応えたっていうか…」
「そんなこと言いながらずっと恵菜のおっぱい触ってたじゃん。おっぱい大好きだもんねせんせぇ」
「う…うるさい」
背中を向けて寝転んだ俺に坂根が抱きつき、背中にキスをして感慨深げに呟いた。
「好きだよぉ…」
「ありがと…でもなんで俺なの?」
「ん?」
「単純に何でかなって」
そもそも何故坂根が俺を好きになったのか理由が全くわからない。特別何かをした覚えもないし…
「あれ?覚えてない?」
「俺なんかした?」
「うーん…まぁ2年前だしね…」
そう言って坂根は2年前、つまり自分が高校1年生の頃のことを話し始めた。
***
高一の頃、学校帰りに同じクラスのエミカと2人で買い物に行って、カラオケに行くことになった。1、2時間くらいで出る予定だったけど、他の友達2人と合流することになってフリータイムで入ることにした。
その子達のことはそんなに知らないからちょっと憂鬱だったけど、嫌とは言い出せなかった。
合流してから歌ったのは最初の30分くらいで後は喋ってただけ…彼氏とか好きな人とか、セフレが出来たとかそんな話。
他の人に会話が聞かれない場所で話す女子トークはけっこうえぐい。
彼氏が早漏だ遅漏だの、ちんこが大きいだの小さいだの…こんなプレイした!とか、こんなことされたの!と話す誰かにまた違う誰かがやば!変態じゃん!と盛り上がる中に入っていけず、恵菜は時たまえーって反応したり笑ってるだけ。
恵菜はそういう話を具体的にするのが苦手だ…本来人に話すことじゃないし…
自分で言うのもなんだけど、想像力が豊かすぎて話を聞いていると光景が思い浮かんできちゃって恥ずかしくて…特に同級生と付き合ってる子の話なんか聞くと、〇〇くんが早漏なことを一方的に知ってしまうことが気まずい…
そもそも皆が変態!って騒ぐこともそこまで変態でもない…なんて言ったらじゃあどんなことしてるのって言われるだろうしな…
「恵菜ちゃんの彼氏年上なんだよね?エッチ上手い!?」
「10個上なんでしょ!?」
「えー、何で知ってんのぉっ」
「ごめん言っちゃったっ」
「もー、エミカやめてよ恥ずかしいじゃん!」
笑いながら言ったけど、あんまり仲良くない子に知られてるのすごいヤダな…他の人に聞かれたくない話はエミカにしないことにしよ…
「…あー、ていうかこないだ別れちゃったぁ」
「えーちょっと恵菜!なんで教えてくれなかったのっ?」
「ごめんってばぁ!何か気まずかったの!」
しつこく聞いてくるのが面倒でそう答えた。実際に別れかけてたし…
社会人の彼氏と会うのは良くて週2とかだったけど、会う日は学校に車で迎えに来てくれたり、色んなところに連れて行ってもらって楽しかったな。すごく大事にしてくれたけど、仕事が忙しいみたいであんまり会ってなくてどんどん気持ちが離れていっちゃって。
初めてのエッチも、イクってことを教えてくれたのもその彼氏だ。それからは恵菜から誘うことが増えたりもして。
…なんて言ったら、格好の餌食だろうしなぁ。皆イったことないみたいだし、恵菜も合わせて無いと答えておいた。
「あたしの彼氏同い年なんだけど猿だよ!1日3回とかするんだよぉ」
「しんどー。年上はそんなことなかったでしょ?」
「男は段々性欲落ちるって言うもんねっ」
…ディスられてるな…おっさんだからそんな元気ないだろ、的な。10個上って言っても20代だし、まだまだ元気なんだけど…
と心の中で突っ込みつつ、へらへら笑っておいた。
そうこうしているうちにフリータイムは終了時間を迎え、それと共に下世話な女子トークも終わった。
…疲れた。恵菜もっと歌いたかったな…
外に出たらもう真っ暗だった。誰かが飲みたいと言い出したのでタピオカを飲み歩きしつつ喋っていると、どう見てもいい人そうとは言えない男2人が声を掛けてきた。
「JKだ!」
「それ〇〇高校でしょ?」
皆目線を合わさないようにして苦笑いをしている。めんどくさい…無視しなきゃ。
「ちょっと!俺たち私服警官だよ?」
そんなはずはないのに、自分含め皆子供だから「警察」と聞いてつい振り向いてしまう。
「え、全員めっちゃ可愛いじゃん!送ってってあげるよ。ちょうど他のツレも送ってくところだし!」
「そこ車停めてるしいこ!」
「変な人に連れ去られちゃう前にさ!早く早く」
…自分達が変な人じゃん…とにかく無視しないと。
行こ。並んで歩いていたエミカに小さな声で伝えて、さっきより早足で歩こうとしたところで男の1人に腕を掴まれた。
「ちょっと…やめてっ」
「大丈夫だって俺達はー!」
「すみません。うちの生徒が何かご迷惑おかけしました?」
スーツ姿の男の人が2人組に話しかけた。うちの学校の先生…
「…なおき…」
誰かが声を震わせながらボソッと呟いた。
…なおき?ああ、生徒に舐められてる先生か。あんまり知らないんだよね、この先生。そもそもあんまり授業出てないからどの先生が現れても何となくしかわかんなかっただろうけど…
「え?なんすか?何もされてないけど」
「そうですか。この子達の親御さんが捜索願い出されてますんで、今警察と僕で探してまして」
「それは見つかって良かったっすね!」
「じゃあ俺たちはこれで!皆気を付けて帰ってねー」
先生が現れたことと警察って名前を聞いたら2人はさっさと引き上げていった。自分たちも警察って言葉には弱いんじゃん。
「なおきー!!」
「怖かったぁ!!」
皆が口々に騒いだ。
「お前ら、学校終わったら真っ直ぐ帰りなさい!」
「…捜索願い出してるんですか?私達の親…」
…うちの親は出してないだろうな。2人とも恵菜に興味ないし。恵菜の質問に先生は苦笑いをしながら答えた。
「嘘だよ。でもご両親は絶対心配してるから。っていうか俺がこの辺にいなかったら危なかったからな!帰るぞ、駅まで一緒に行くから」
「はーい」
「なおきありがとー、愛してるっ」
「バカ」
さっきまで怖がっていた皆はすっかり安心しきった様子で先生に着いていった。恵菜もそのすぐ後を着いていって…足がちょっともつれて、転けないか心配だった。…何だかんだ恵菜が一番怖いって思ってたのかも…
先生が来てくれてよかった…
***
「…ていうの、覚えてない?」
「覚えてるけど…それだけ…?」
「それだけなんてことないじゃんっ!せんせぇカッコよかったよ」
「いや、教師として当たり前だし…ごめんな、あんま覚えてなくて」
確かにそんなことはあった。当時俺は2年の授業を受け持っていたし、部活の顧問の関係で知っている子は少しいたものの、1年生の顔と名前はちゃんと把握出来ていなかった。だから誰がいたかまであんまり覚えてないんだよな…坂根もいたんだ…
「ゆるす!」
「っていうかそんなことがきっかけで…」
「先生にとっては当たり前でも、JKはときめいちゃうのっ」
「…じゃあそれからは彼氏も作らなかったわけ?」
「そんな事は無いけど」
「無いのかよ」
「だって先生に相手されるわけないし、憧れって感じだったし。でも高3になって、卒業したらもう会えないんだって思うとやっぱり好きって改めて思ったの!どうやったら2人になれるかずっと考えてたよぉ」
…で、あの日のアレか。
「恵菜がおっぱい大っきくて良かったぁ」
「そんなんじゃないよ!」
「あんなに釘付けになってたのに?」
「それは…」
「わかりやす過ぎたよせんせぇ。一応生徒なんだから変な目で見ても本人にバレちゃだめでしょ。特にそういう視線には慣れてるし気付いちゃうよ」
「見せてきた本人に言われるのは何か嫌なんだけど」
「ふふ」
坂根は初めての彼氏に色々仕込まれたのかな…というか、高校生と付き合うってどんな彼氏だよ…26だろ?いや当時とはいえ俺と同い年か。むしろ付き合ってもいない、教え子の坂根とヤッてる俺の方がよっぽど酷いか。
…坂根はどんなことされてどんなことさせられてたんだ。想像が膨らむ。
「あと坂根」
「なあに?」
「…もう1回、はダメ…?」
想像が膨らんで、またムラムラしてしまったのだった。
「また勃っちゃったのー?」
「…うん…」
「ふふ。いいよ…次は恵菜がしたげるね」
坂根が嬉しそうに笑った。
「いーやっ」
坂根の腕は俺の首の後ろに、足は背中にと、がっちりと俺の体を固めている。
「だめだめ、早く外さないと危ないんだから」
「やだっ」
「言うこと聞きなさい」
「むー…やったら冷たくなるタイプか」
むくれながら坂根が俺を解放して、ようやく俺はゴムを処理した。
「そんなんじゃないから。そもそも俺はお前に誘われたから応えたっていうか…」
「そんなこと言いながらずっと恵菜のおっぱい触ってたじゃん。おっぱい大好きだもんねせんせぇ」
「う…うるさい」
背中を向けて寝転んだ俺に坂根が抱きつき、背中にキスをして感慨深げに呟いた。
「好きだよぉ…」
「ありがと…でもなんで俺なの?」
「ん?」
「単純に何でかなって」
そもそも何故坂根が俺を好きになったのか理由が全くわからない。特別何かをした覚えもないし…
「あれ?覚えてない?」
「俺なんかした?」
「うーん…まぁ2年前だしね…」
そう言って坂根は2年前、つまり自分が高校1年生の頃のことを話し始めた。
***
高一の頃、学校帰りに同じクラスのエミカと2人で買い物に行って、カラオケに行くことになった。1、2時間くらいで出る予定だったけど、他の友達2人と合流することになってフリータイムで入ることにした。
その子達のことはそんなに知らないからちょっと憂鬱だったけど、嫌とは言い出せなかった。
合流してから歌ったのは最初の30分くらいで後は喋ってただけ…彼氏とか好きな人とか、セフレが出来たとかそんな話。
他の人に会話が聞かれない場所で話す女子トークはけっこうえぐい。
彼氏が早漏だ遅漏だの、ちんこが大きいだの小さいだの…こんなプレイした!とか、こんなことされたの!と話す誰かにまた違う誰かがやば!変態じゃん!と盛り上がる中に入っていけず、恵菜は時たまえーって反応したり笑ってるだけ。
恵菜はそういう話を具体的にするのが苦手だ…本来人に話すことじゃないし…
自分で言うのもなんだけど、想像力が豊かすぎて話を聞いていると光景が思い浮かんできちゃって恥ずかしくて…特に同級生と付き合ってる子の話なんか聞くと、〇〇くんが早漏なことを一方的に知ってしまうことが気まずい…
そもそも皆が変態!って騒ぐこともそこまで変態でもない…なんて言ったらじゃあどんなことしてるのって言われるだろうしな…
「恵菜ちゃんの彼氏年上なんだよね?エッチ上手い!?」
「10個上なんでしょ!?」
「えー、何で知ってんのぉっ」
「ごめん言っちゃったっ」
「もー、エミカやめてよ恥ずかしいじゃん!」
笑いながら言ったけど、あんまり仲良くない子に知られてるのすごいヤダな…他の人に聞かれたくない話はエミカにしないことにしよ…
「…あー、ていうかこないだ別れちゃったぁ」
「えーちょっと恵菜!なんで教えてくれなかったのっ?」
「ごめんってばぁ!何か気まずかったの!」
しつこく聞いてくるのが面倒でそう答えた。実際に別れかけてたし…
社会人の彼氏と会うのは良くて週2とかだったけど、会う日は学校に車で迎えに来てくれたり、色んなところに連れて行ってもらって楽しかったな。すごく大事にしてくれたけど、仕事が忙しいみたいであんまり会ってなくてどんどん気持ちが離れていっちゃって。
初めてのエッチも、イクってことを教えてくれたのもその彼氏だ。それからは恵菜から誘うことが増えたりもして。
…なんて言ったら、格好の餌食だろうしなぁ。皆イったことないみたいだし、恵菜も合わせて無いと答えておいた。
「あたしの彼氏同い年なんだけど猿だよ!1日3回とかするんだよぉ」
「しんどー。年上はそんなことなかったでしょ?」
「男は段々性欲落ちるって言うもんねっ」
…ディスられてるな…おっさんだからそんな元気ないだろ、的な。10個上って言っても20代だし、まだまだ元気なんだけど…
と心の中で突っ込みつつ、へらへら笑っておいた。
そうこうしているうちにフリータイムは終了時間を迎え、それと共に下世話な女子トークも終わった。
…疲れた。恵菜もっと歌いたかったな…
外に出たらもう真っ暗だった。誰かが飲みたいと言い出したのでタピオカを飲み歩きしつつ喋っていると、どう見てもいい人そうとは言えない男2人が声を掛けてきた。
「JKだ!」
「それ〇〇高校でしょ?」
皆目線を合わさないようにして苦笑いをしている。めんどくさい…無視しなきゃ。
「ちょっと!俺たち私服警官だよ?」
そんなはずはないのに、自分含め皆子供だから「警察」と聞いてつい振り向いてしまう。
「え、全員めっちゃ可愛いじゃん!送ってってあげるよ。ちょうど他のツレも送ってくところだし!」
「そこ車停めてるしいこ!」
「変な人に連れ去られちゃう前にさ!早く早く」
…自分達が変な人じゃん…とにかく無視しないと。
行こ。並んで歩いていたエミカに小さな声で伝えて、さっきより早足で歩こうとしたところで男の1人に腕を掴まれた。
「ちょっと…やめてっ」
「大丈夫だって俺達はー!」
「すみません。うちの生徒が何かご迷惑おかけしました?」
スーツ姿の男の人が2人組に話しかけた。うちの学校の先生…
「…なおき…」
誰かが声を震わせながらボソッと呟いた。
…なおき?ああ、生徒に舐められてる先生か。あんまり知らないんだよね、この先生。そもそもあんまり授業出てないからどの先生が現れても何となくしかわかんなかっただろうけど…
「え?なんすか?何もされてないけど」
「そうですか。この子達の親御さんが捜索願い出されてますんで、今警察と僕で探してまして」
「それは見つかって良かったっすね!」
「じゃあ俺たちはこれで!皆気を付けて帰ってねー」
先生が現れたことと警察って名前を聞いたら2人はさっさと引き上げていった。自分たちも警察って言葉には弱いんじゃん。
「なおきー!!」
「怖かったぁ!!」
皆が口々に騒いだ。
「お前ら、学校終わったら真っ直ぐ帰りなさい!」
「…捜索願い出してるんですか?私達の親…」
…うちの親は出してないだろうな。2人とも恵菜に興味ないし。恵菜の質問に先生は苦笑いをしながら答えた。
「嘘だよ。でもご両親は絶対心配してるから。っていうか俺がこの辺にいなかったら危なかったからな!帰るぞ、駅まで一緒に行くから」
「はーい」
「なおきありがとー、愛してるっ」
「バカ」
さっきまで怖がっていた皆はすっかり安心しきった様子で先生に着いていった。恵菜もそのすぐ後を着いていって…足がちょっともつれて、転けないか心配だった。…何だかんだ恵菜が一番怖いって思ってたのかも…
先生が来てくれてよかった…
***
「…ていうの、覚えてない?」
「覚えてるけど…それだけ…?」
「それだけなんてことないじゃんっ!せんせぇカッコよかったよ」
「いや、教師として当たり前だし…ごめんな、あんま覚えてなくて」
確かにそんなことはあった。当時俺は2年の授業を受け持っていたし、部活の顧問の関係で知っている子は少しいたものの、1年生の顔と名前はちゃんと把握出来ていなかった。だから誰がいたかまであんまり覚えてないんだよな…坂根もいたんだ…
「ゆるす!」
「っていうかそんなことがきっかけで…」
「先生にとっては当たり前でも、JKはときめいちゃうのっ」
「…じゃあそれからは彼氏も作らなかったわけ?」
「そんな事は無いけど」
「無いのかよ」
「だって先生に相手されるわけないし、憧れって感じだったし。でも高3になって、卒業したらもう会えないんだって思うとやっぱり好きって改めて思ったの!どうやったら2人になれるかずっと考えてたよぉ」
…で、あの日のアレか。
「恵菜がおっぱい大っきくて良かったぁ」
「そんなんじゃないよ!」
「あんなに釘付けになってたのに?」
「それは…」
「わかりやす過ぎたよせんせぇ。一応生徒なんだから変な目で見ても本人にバレちゃだめでしょ。特にそういう視線には慣れてるし気付いちゃうよ」
「見せてきた本人に言われるのは何か嫌なんだけど」
「ふふ」
坂根は初めての彼氏に色々仕込まれたのかな…というか、高校生と付き合うってどんな彼氏だよ…26だろ?いや当時とはいえ俺と同い年か。むしろ付き合ってもいない、教え子の坂根とヤッてる俺の方がよっぽど酷いか。
…坂根はどんなことされてどんなことさせられてたんだ。想像が膨らむ。
「あと坂根」
「なあに?」
「…もう1回、はダメ…?」
想像が膨らんで、またムラムラしてしまったのだった。
「また勃っちゃったのー?」
「…うん…」
「ふふ。いいよ…次は恵菜がしたげるね」
坂根が嬉しそうに笑った。
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