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(23)─冬休み─君との日々〈クリスマス①〉─
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学校では期末試験を終え、間近に迫る冬休みのことで皆騒がしかった。
文化祭で付き合い出した恋人達は、せっかくの冬休み。デートの予定を立てるのに忙しそうだっし、何より皆、勉強の予定も入っていた。
俺と美由紀は変わらずに日曜日、勉強会の予定を組んだだけだった。
美由紀と何か特別な予定も入れたかった俺としては、少し淋しかったけれど…。
そんな風にして毎日は過ぎ、あっという間に冬休みに入った。
そんな中、俺が自分の部屋でベッドに寝転びながら、
明日は日曜日で、美由紀との勉強会だ。最近はお互いに勉強する科目が少し違うものもあるけど、それでも一緒にいられるのは嬉しい。
そんなことを考えていたときだった。
その時、俺の携帯がなった。
…美由紀からだ!
え!明日、駄目なのか?!
俺が慌てて携帯を取ると。
美由紀の声。美由紀は言った。
「…あ。和人くん…?」
「うん。俺。…どうしたの?明日のこと?」
俺がそう言うと、美由紀は電話の向こうで躊躇っている雰囲気。そして言った。
「…違うの。あのね…。明日話しても良かったんだけど、早い方がいいかなって…。」
何だろう?
俺が考えていると、美由紀は続けた。
「二十五日のクリスマス…。和人くん…、予定開いてるかなって…。開いてたら…家に来ないかなって…誘おうと…思って…。」
美由紀の言葉は語尾はもう、消えそうだった。
きっと、電話の向こう、真っ赤になっているのだろう。
俺の返事は決まっている。
「誘ってくれて嬉しいよ。予定なんてない。…何か詳しいこと、決まってる?」
「あのね、その日はどこも混むと思うから私がご飯作ろうと思ってるの…。あと…ケーキも前の日に焼いておこうと思ってて…。」
「そうなんだ。あ─。もう、今から楽しみ。美由紀、ありがとう!」
俺がそう言うと、俺が本当に喜んでいるのが声でも伝わったのか
「…和人くん…。私こそありがとう。あとは詳しいことは明日話そ…?」
美由紀はそう言った。
どこか照れているような、それでも嬉しそうな声だった。
あれから。美由紀に返事をして、携帯を切り、しばらくがたつ。
俺はベッドの上、ゴロゴロとおさまらない嬉しさを抱え、転がっていた。
クリスマスは美由紀の家で美由紀と一緒だ!
そのことで頭が一杯だった。
そんな中、ふと俺は思った。
あの美由紀のお母さんも一緒かな?
…まあ、いいや。
楽しい人だったし。
そう考えて、俺はまた幸せな思いの中に浸かっていった。
そして日曜日の勉強会の日。
美由紀の家のダイニングにはもう、ツリーが飾り付けてあった。
そんな中いつものよう勉強会を終えてから、二十五日の話になる。
美由紀が言うには。
「…仲良しの友達が途中…ケーキを取りに来るんだけどいいかな…?柚花ちゃんとか…。…ケーキ焼いてあげる約束したの…。」
「うん。わかった。美由紀、すごいなぁ。」
俺が言うと
「…すごいとかじゃないよ…。あと…。お母さん…その日は夜八時頃になるから…先ご飯食べてって…。」
美由紀は照れたように言った。
それからも俺達はクリスマスの話をして…。
二十五日、俺は、夕方6時に直接美由紀の家へ行くことになった。
クリスマスに。
俺は、美由紀と二人きりだ…!
(少なくとも、八時に美由紀のお母さんが帰ってくるまでは。)
そう思い、勉強会の帰り道の足どりは軽かった。
それからその足で、俺はデパートへ向かった。
前日。俺は持ち物の用意を済ませ、着ていく服を悩やみ抜いた末に決めたりして─。
そして、いつものように、なかなか眠れない夜を過ごした。
そしてクリスマス当日。
その日は俺はもう、美由紀とのクリスマスが楽しみで仕方なかった。
家では。一応、母さんに美由紀と過ごすことを言っておいた。
彼女に首ったけの兄貴を見ている母さんは、俺もか─。といった視線を送り、趣味の編み物の手をとめると、
「節度あるお付き合いをね!」と一言言うと、とめていた編み物の手を戻した。
夕方、家を出て、最寄り駅まで歩き、電車に乗る。何気ないことが、幸せだった。
そして…美由紀に会うのが…待ち遠しかった。
そして美由紀の最寄り駅から、美由紀の住んでいるマンションまで歩き、美由紀の家の前。チャイムを押す。
「…和人くん?今…開けるね。」
美由紀の声。
少し緊張している?
俺はどうしたのだろう、と考えながら、手にしたバックを持ち直し、ドアが開くのを待っていると─。
そこには、白いワンピースをきて、長い髪をふわふわとさせた美由紀の姿。
思わず俺が
「美由紀、可愛いな…。」
と言うと、美由紀は言った。
「…違うの…。…私…元々クセっ毛だから…巻いたら…その…少し…可愛く…出来るかなって…。」
「うん。美由紀。それで…?」
俺は美由紀の言葉を待った。そしたら美由紀は
「…そしたら…収まりがつかなくなっちゃって…。」
泣き出しそうな声でそう言った。
そんなことない。
可愛い。
すごく可愛いよ!
俺は美由紀に伝えたくて、それを一生懸命口にする。
「そんなことない。すごく可愛いよ!びっくりした。」
「…変な意味じゃなくて?」
「変な意味じゃなくて。」
美由紀は、やっといつものようにわらうと、
「…せっかく来てくれたところに…ごめんね。和人くん。…上がって?」
「…うん。おじゃまします、美由紀。」
十二月二十五日。
美由紀の家での二人きりのクリスマスが始まる。
俺は、美由紀。君の特別。
そんな思いで胸が一杯になって─。
俺は幸せで仕方がない。
文化祭で付き合い出した恋人達は、せっかくの冬休み。デートの予定を立てるのに忙しそうだっし、何より皆、勉強の予定も入っていた。
俺と美由紀は変わらずに日曜日、勉強会の予定を組んだだけだった。
美由紀と何か特別な予定も入れたかった俺としては、少し淋しかったけれど…。
そんな風にして毎日は過ぎ、あっという間に冬休みに入った。
そんな中、俺が自分の部屋でベッドに寝転びながら、
明日は日曜日で、美由紀との勉強会だ。最近はお互いに勉強する科目が少し違うものもあるけど、それでも一緒にいられるのは嬉しい。
そんなことを考えていたときだった。
その時、俺の携帯がなった。
…美由紀からだ!
え!明日、駄目なのか?!
俺が慌てて携帯を取ると。
美由紀の声。美由紀は言った。
「…あ。和人くん…?」
「うん。俺。…どうしたの?明日のこと?」
俺がそう言うと、美由紀は電話の向こうで躊躇っている雰囲気。そして言った。
「…違うの。あのね…。明日話しても良かったんだけど、早い方がいいかなって…。」
何だろう?
俺が考えていると、美由紀は続けた。
「二十五日のクリスマス…。和人くん…、予定開いてるかなって…。開いてたら…家に来ないかなって…誘おうと…思って…。」
美由紀の言葉は語尾はもう、消えそうだった。
きっと、電話の向こう、真っ赤になっているのだろう。
俺の返事は決まっている。
「誘ってくれて嬉しいよ。予定なんてない。…何か詳しいこと、決まってる?」
「あのね、その日はどこも混むと思うから私がご飯作ろうと思ってるの…。あと…ケーキも前の日に焼いておこうと思ってて…。」
「そうなんだ。あ─。もう、今から楽しみ。美由紀、ありがとう!」
俺がそう言うと、俺が本当に喜んでいるのが声でも伝わったのか
「…和人くん…。私こそありがとう。あとは詳しいことは明日話そ…?」
美由紀はそう言った。
どこか照れているような、それでも嬉しそうな声だった。
あれから。美由紀に返事をして、携帯を切り、しばらくがたつ。
俺はベッドの上、ゴロゴロとおさまらない嬉しさを抱え、転がっていた。
クリスマスは美由紀の家で美由紀と一緒だ!
そのことで頭が一杯だった。
そんな中、ふと俺は思った。
あの美由紀のお母さんも一緒かな?
…まあ、いいや。
楽しい人だったし。
そう考えて、俺はまた幸せな思いの中に浸かっていった。
そして日曜日の勉強会の日。
美由紀の家のダイニングにはもう、ツリーが飾り付けてあった。
そんな中いつものよう勉強会を終えてから、二十五日の話になる。
美由紀が言うには。
「…仲良しの友達が途中…ケーキを取りに来るんだけどいいかな…?柚花ちゃんとか…。…ケーキ焼いてあげる約束したの…。」
「うん。わかった。美由紀、すごいなぁ。」
俺が言うと
「…すごいとかじゃないよ…。あと…。お母さん…その日は夜八時頃になるから…先ご飯食べてって…。」
美由紀は照れたように言った。
それからも俺達はクリスマスの話をして…。
二十五日、俺は、夕方6時に直接美由紀の家へ行くことになった。
クリスマスに。
俺は、美由紀と二人きりだ…!
(少なくとも、八時に美由紀のお母さんが帰ってくるまでは。)
そう思い、勉強会の帰り道の足どりは軽かった。
それからその足で、俺はデパートへ向かった。
前日。俺は持ち物の用意を済ませ、着ていく服を悩やみ抜いた末に決めたりして─。
そして、いつものように、なかなか眠れない夜を過ごした。
そしてクリスマス当日。
その日は俺はもう、美由紀とのクリスマスが楽しみで仕方なかった。
家では。一応、母さんに美由紀と過ごすことを言っておいた。
彼女に首ったけの兄貴を見ている母さんは、俺もか─。といった視線を送り、趣味の編み物の手をとめると、
「節度あるお付き合いをね!」と一言言うと、とめていた編み物の手を戻した。
夕方、家を出て、最寄り駅まで歩き、電車に乗る。何気ないことが、幸せだった。
そして…美由紀に会うのが…待ち遠しかった。
そして美由紀の最寄り駅から、美由紀の住んでいるマンションまで歩き、美由紀の家の前。チャイムを押す。
「…和人くん?今…開けるね。」
美由紀の声。
少し緊張している?
俺はどうしたのだろう、と考えながら、手にしたバックを持ち直し、ドアが開くのを待っていると─。
そこには、白いワンピースをきて、長い髪をふわふわとさせた美由紀の姿。
思わず俺が
「美由紀、可愛いな…。」
と言うと、美由紀は言った。
「…違うの…。…私…元々クセっ毛だから…巻いたら…その…少し…可愛く…出来るかなって…。」
「うん。美由紀。それで…?」
俺は美由紀の言葉を待った。そしたら美由紀は
「…そしたら…収まりがつかなくなっちゃって…。」
泣き出しそうな声でそう言った。
そんなことない。
可愛い。
すごく可愛いよ!
俺は美由紀に伝えたくて、それを一生懸命口にする。
「そんなことない。すごく可愛いよ!びっくりした。」
「…変な意味じゃなくて?」
「変な意味じゃなくて。」
美由紀は、やっといつものようにわらうと、
「…せっかく来てくれたところに…ごめんね。和人くん。…上がって?」
「…うん。おじゃまします、美由紀。」
十二月二十五日。
美由紀の家での二人きりのクリスマスが始まる。
俺は、美由紀。君の特別。
そんな思いで胸が一杯になって─。
俺は幸せで仕方がない。
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