たった一人の異世界侵略〜特殊スキル《弾幕》と《無限チュートリアル》でハンパな異世界を分からせに来た〜

アマノヤワラ

文字の大きさ
上 下
24 / 56

∞22【引き手の速さ】

しおりを挟む
≈≈≈

≈≈≈

 アゾロは休みなく父に対して『棒切れの連打』を放ち続ける。アゾロにはまだまだ体力に余裕があった。アゾロの基礎体力の高さは、《無限チュートリアル》の成果ばかりではない。

 アゾロには『アゾロパンチ』と自ら名付けた必殺の打拳がある。

 要はただのパンチなのだが『拳立て伏せの腕を立てた状態で床に向かって左右の片手パンチを体が傾かないように何度も繰り返す』というオリジナル特訓を毎日自室の硬い床の上で行っている。
 その特訓の成果で攻撃の後の『引き手の速さ』には、現役騎士のアゾロの父をして目を瞠るものがあった。

 『引き手が速い』ということは『次の攻撃動作への移行が速い』ということでもある。実際アゾロの左右のコブシ連打の速さは、ディオアンブラ領内で言えば『クマ』のそれにも匹敵する。

 左右の棒切れの連打に加えて、『多分こうやればもっといいかも』と自身が思う蹴りや肘打ち体当たりなどもところどころに織り交ぜながら、アゾロは父への連続攻撃を休みなく続けていく。

「……おぉ、やっと……っ」

 父の言葉が途中で止まった。

 父はハンデとして左手を体の後ろに沿えて右手一本だけで剣を構えてきた。しかし、右手一本でアゾロの連続攻撃をいなし続けることは、さすがの父にも厳しくなってきている。

 戦いながら、父がアゾロに質問した。

「……もしかして普段からなんかやってる?」

 さすがにアゾロの動きを見ただけでは普段『何をやっているか』までは父には分からない。
 しかし、天才騎士たる父の嗅覚にはアゾロの動きの一つ一つに確かな『練磨の痕跡』が感じられた。

 アゾロが左右の棒切れ連打の中にたまに織り交ぜてくる『芯の通った打撃』が、木剣で受ける父の右手に響く。痛くはないが、このまま受け続けると正確にさばけなくなるかもしれない。

 調子に乗ったアゾロは、さらにオリジナルの技を父に向かって繰り出そうとする。

 そんな娘に父は言った。

「……そろそろこっちも『攻撃』するぞ」



…To Be Continued.
⇒Next Episode.
≈≈≈

≈≈≈

※『アゾロパンチ』は危ないのでやらないでください。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...