1 / 56
∞1【伝説】
しおりを挟む「あ――――――――遅刻しちゃう」
バタバタと走る。
『寮では走るなよ』
摩利ちゃんに言われたことを守るように、寮までを猛ダッシュした。
「あはははは」
笑い声が聞こえる。
「今年から予科生かい?」
「はい。南條さくらです」
あー君が2番の子か。
「2番?」
名前張り出してあったろ?
「頑張ってな」
言うと、スッと入ってきた車の助手席にさっと乗り込むと車は走り去った。
寮の入り口に名前がある。
桜華が手を出す。
「2番とかすごいじゃん」
【入学式】
只今より入学式を始めます。
本科生歓迎の辞を、信条 円
「春の日差しのあたたかなこの良き日に、新しくこの宝塚音楽学校へ入学された予科生の皆様、おめでとうございます。
本科生信条 円です。
私達は清く、正しく、美しくをモットーに日々邁進努力していかねばなりません。
きついと思うその気持ちは、私達にとって最も不要な感情であると、今から認識してください。
毎日のように積み重なる塵1つないお教室は、これからの夢を売る私達の糧となることでしょう。
苦しい時こそ、わたくしたちは笑っていくのです」
新入生答辞、――総代桜華あんず。
「桜の咲くこの良き日に、この宝塚音楽学校の門をくぐることができました事を、新入生代表とし先ずは感謝の意を述べさせていただきます。
僅か2年の短い期間しかありません。この期間で私達はタカラジェンヌとして恥ずかしくない行いができるよう、日々生きてまいります。本科生の諸先輩方、並びに先生方、まだまだ右左もわからないひよこではございますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
予科生代表桜華あんず」
令和2年4月20日
ーーーーー総勢40名 入学式を無事迎えた。
「明日から授業よな」
「えーもう?」
すみれが大きな声で騒いでいると
「そこ、廊下では騒がない!名前は?」
「下北すみれです」
「あーあなたが、そんなことだから最下位になるのよ」
「そんなに大きくはなかったと思いますが……それに順位は関係ない」
さくらが本科生に食って掛かる。
「やばいって、やめなよ」
桜華はさくらを止める。
「あなた名前は!」
「南條さくら、順位がそんなに大切ですか?」
「あなた何なの、本科生にその態度。ああ桜華さんあなたはいいわ。下北さんも気をつけなさい」
ぺこりと頭を下げて2人はすみれ寮に戻っていった。
「あなたね、本科生に口答えは……」
「口答えしたつもりはありません。私も失礼します」
「ちょっと……」
やっちゃった感満載かも……。
「ねーまずいって」
「謝ってきた方が良くない?」
えー?と思いながら、あまりにもサツキたちにも言われるので仕方がなしに廊下に出ようとした瞬間
勢いよく扉が開いた。
「南條さくらさん廊下に出なさい」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ふたつぶの涙
こま
ファンタジー
「わたしは、ユッポ。かくしてくれて、ありがとう!」
僕が出会ったのは、失踪した父を探す少女に見える、人形。意思を持って動くモノなんて、本職の人形師でも作れないのに。家具を作る職を離れたとはいえ師の作品。僕は興味のまま、人形の父親探しを手伝うことにした。
ユッポが故障し、修理すると、人間的な感覚を得ていくようだ。ユッポはどうなるのか、父を見つけることはできるのか。人が苦手な家具職人の青年と、天真爛漫な人形の少女。でこぼこなふたり旅は前途多難!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる