21 / 48
第一章
第21話 王太子からの贈り物
しおりを挟む
マリアヴェルがユリウスから呼び出しを受けたのは、夜会から二日後のことだった。
王宮に設けられた第一王子の執務室は人払いがされていて、マリアヴェルとユリウスの二人きり。
自然豊かな中庭に比べて、執務室の空気は厳かなもの。だが、マリアヴェルの緊張はあの日よりずっと緩かった。
窓を背にして椅子に腰掛けたユリウスが、苦い笑みと共に言った。
「回りくどいことをしてすまなかったな」
「未来の国王夫妻のお役に立てて光栄でしたわ」
にっこり微笑むと、ユリウスは苦笑を深めた。
「ここには私と君しかいない。今なら多少の不敬にも目を瞑るが」
王太子自らがお許しをくれたので、マリアヴェルははっきりと言う。
「及び腰で周りを巻き込むのは迷惑です。次からはご自分で解決してくださいませ」
人の上に立つ立場なら婚約者の不安くらい自力で取り払って欲しい。
ユリウスも自覚はあるのだろう。善処しよう、と呟いた彼は、嘆息をこぼした。立ち上がり、窓へ近づいたユリウスは外に目を向けたまま口を開いた。
「君にとっては少しばかり面白くない昔話になるかもしれないが……私の最初の婚約者――ブリジット・セイレーンとは幼馴染の間柄でね。この意味が伝わるだろうか?」
窓の外に広がる青空と同じ瞳が、マリアヴェルを見据える。
「……セイレーン侯爵令嬢の浮気に、お兄様が関係しているのですか?」
前置きと幼馴染という単語から、それしか考えられなかった。
「浮気相手はもちろんアルフレッドではないよ。ただ、そうだな……アルフレッドの気を引きたくて、というのが事の真相ではある」
婚約者のユリウスではなくその側近であるアルフレッドの気を引きたくて別の男性と関係を持った。それが、破談になったきっかけ。
自嘲するように唇を持ち上げ、ユリウスは苦々しげに続けた。
「私がアルフレッドに勝っている点は血統くらいのものだ。身近にもっと優れた男がいるんだ。ブリジットの物足りない想いはわからないでもなくてね。私はどうしても彼女を責める気にはなれなかった。そんな私を窘めたのが、エレナーデだ。彼女は自身に向けられる悪意には寛容なのだが、他人のことになると沸点が下がる。ブリジットの不貞を許した私に直接文句を言いに来たんだ」
当時のことを思い出したのか、ユリウスは可笑しそうに微笑む。
『ユリウス様とアル様ではお立場が違います。ユリウス様は人の上に立つお方。そんな方が自らの価値を貶めて、付いてくる臣下はどんな想いでいればいいのでしょう? ユリウス様を慕う者の期待を裏切らないで欲しいのです』
エレナーデはそう、ユリウスに直談判したのだと言う。
「彼女が正しい。私は人を使う側の人間なのだから、側にいる人間が有能なのは誇るべきことだろう。劣等感を抱いて己を卑下するなど愚か極まりない。正しい判断が下せる者を側に置き、私はただ彼らを信じて決断するだけでいい。これほど楽なこともない。エレナーデに教えられて、私はアルフレッドと共にいることがかなり楽になった。ただ……」
窓ガラスに触れる指に、わずかに力が込められた。
「誰もがアルフレッドに惹かれる。今回の騒動も私ではなくアルフレッドであれば、エレナーデを傷つけることなく事前に守れていただろう。そう思うと……」
「エレナの婚約者はお兄様ではなく、殿下です。その例え話には意味がありませんわ」
ユリウスの独白を遮って、マリアヴェルはそう言った。
聡明で清廉潔白、王族の鑑とされるユリウスにも苦悩があるのかと驚いたけれど、彼だって一人の人間なのだと気づく。
ユリウスがエレナーデに対して及び腰なのは、自分に自信がないからで。その原因がアルフレッドに対する劣等感だなんて、想像もしていなかった。
「エレナが惹かれたのはお兄様ではなく殿下です。エレナは殿下を情の深い方だと評していました。殿下の苦しみはわたしには想像も及びませんが、エレナが殿下に惹かれた部分を、わたしは信じてあげて欲しいです」
ユリウスの心の曇りを晴らせるのは、マリアヴェルじゃない。だから言えるのはこれだけだ。
目を瞠ったユリウスはふっ、と唇を綻ばせ、心に留めておくよ、と答えた。重い空気を振り払うように一度深く息を吐き出して、ユリウスが話題を変える。
「君にとっては迷惑極まりなかっただろうか、今回のことは利点もあったと思う。どうだろう?」
「エレナとの親交でしょうか?」
「確かにクロムウェル公爵家との親睦が深まるのは大きいだろうが、それだけじゃない。王太子という後ろ盾を得たんだ。私の期待に応えてくれた暁には君に褒美を与えなくてはと考えていた。何か望むものはあるか? アルフレッドとの仲を取り持っても構わないが……」
「どうしてお兄様が出てくるのでしょう?」
揶揄うように言われ、マリアヴェルは狼狽える。
「アレに婚約者がいないのは異常だろう? なぜ縁談を蹴っているのか問い質したことがあるのさ。可愛い義妹のおねだりだと言っていたよ。アルの好みの女性でも教えようか?」
なかなかに魅力的な提案でマリアヴェルの心はふらりと傾いたが、アルフレッドとの関係を進展させるためにユリウスの手を借りるのは、何だか違う気がする。
何か欲しいもの、と考えても特には思い浮かばず、しばらく考えていたマリアヴェルは、
「もっと、エレナに対する自信を持ってください。私が殿下に望むのはそれだけです」
「……努力しよう」
長い間があった気はしたけれど、ユリウスらしい答えだったので苦笑するに留める。
「では……そうだな。ここから先はあくまでただの世間話なのだが。君はアルフレッドのどこに惹かれる? 容姿、性格、剣術、気品、頭脳。他者がアルフレッドを讃える要素はいくらでもあるだろう。君は、どの部分に惹かれる?」
どうしてそんなことを聞くのかしら、と不思議に思ったのは束の間だった。どこと言われても咄嗟に思い付かなくて、簡単なようで難問だと気づいたからだ。
七歳で侯爵家に引き取られたマリアヴェルにとって、男の子は世界でアルフレッドただ一人。小さい頃からずっとアルフレッドしか目に入らなかったから、どこに惹かれたかを問われても、言葉にするのは難しい。
「……全部、でしょうか?」
正しいのか自分でもわからないまま、マリアヴェルが口にしたのはそれだった。
「全部、か」
ユリウスの瞳が翳りを帯びた。
「その答えでは、おそらくアルフレッドは君の想いには応えないだろう。賭けは、君が負けることになる」
アルフレッドが応えてくれないのは、マリアヴェルの想いが家族愛以上のものだとは信じていないから。あるいは、アルフレッド自身がマリアヴェルを妹以上には想えないから。そう推察していたのだけれど、ユリウスの言い方だと要因は別にあるみたいだ。
真摯な声音に、マリアヴェルは真剣に耳を傾けた。
「私は子供の頃、アルフレッドが苦手だった。アルフレッドは昔からそつがなく、何をさせても完璧だったが……完璧であるが故に、私は彼が恐ろしかったんだ。この世に天然で非の打ち所のない人間など居はしない。誰もが一つくらいは欠点を抱えているものだ」
実際、アルフレッドの欠点を挙げろと言われると難しい。
性格も容姿も、貴族としての立ち振る舞いも。すべてが満点で、それは社交界の誰もが口を揃える共通認識。アルフレッドのことを完璧な貴公子と皆が褒め称えているのだから。
でも、それとマリアヴェルの想いに応えてくれないことに、どんな因果関係があるというのだろう。
ユリウスは直接的な答えはくれなかった。
「マリアヴェル。君は賢い。いずれアルフレッドの真意に気づく時が来るだろう。その時、君がアルフレッドと向き合えることを願っているよ」
哀しげな響きを含ませてそう締め括ったユリウスは、マリアヴェルに退室を促すのだった。
王宮に設けられた第一王子の執務室は人払いがされていて、マリアヴェルとユリウスの二人きり。
自然豊かな中庭に比べて、執務室の空気は厳かなもの。だが、マリアヴェルの緊張はあの日よりずっと緩かった。
窓を背にして椅子に腰掛けたユリウスが、苦い笑みと共に言った。
「回りくどいことをしてすまなかったな」
「未来の国王夫妻のお役に立てて光栄でしたわ」
にっこり微笑むと、ユリウスは苦笑を深めた。
「ここには私と君しかいない。今なら多少の不敬にも目を瞑るが」
王太子自らがお許しをくれたので、マリアヴェルははっきりと言う。
「及び腰で周りを巻き込むのは迷惑です。次からはご自分で解決してくださいませ」
人の上に立つ立場なら婚約者の不安くらい自力で取り払って欲しい。
ユリウスも自覚はあるのだろう。善処しよう、と呟いた彼は、嘆息をこぼした。立ち上がり、窓へ近づいたユリウスは外に目を向けたまま口を開いた。
「君にとっては少しばかり面白くない昔話になるかもしれないが……私の最初の婚約者――ブリジット・セイレーンとは幼馴染の間柄でね。この意味が伝わるだろうか?」
窓の外に広がる青空と同じ瞳が、マリアヴェルを見据える。
「……セイレーン侯爵令嬢の浮気に、お兄様が関係しているのですか?」
前置きと幼馴染という単語から、それしか考えられなかった。
「浮気相手はもちろんアルフレッドではないよ。ただ、そうだな……アルフレッドの気を引きたくて、というのが事の真相ではある」
婚約者のユリウスではなくその側近であるアルフレッドの気を引きたくて別の男性と関係を持った。それが、破談になったきっかけ。
自嘲するように唇を持ち上げ、ユリウスは苦々しげに続けた。
「私がアルフレッドに勝っている点は血統くらいのものだ。身近にもっと優れた男がいるんだ。ブリジットの物足りない想いはわからないでもなくてね。私はどうしても彼女を責める気にはなれなかった。そんな私を窘めたのが、エレナーデだ。彼女は自身に向けられる悪意には寛容なのだが、他人のことになると沸点が下がる。ブリジットの不貞を許した私に直接文句を言いに来たんだ」
当時のことを思い出したのか、ユリウスは可笑しそうに微笑む。
『ユリウス様とアル様ではお立場が違います。ユリウス様は人の上に立つお方。そんな方が自らの価値を貶めて、付いてくる臣下はどんな想いでいればいいのでしょう? ユリウス様を慕う者の期待を裏切らないで欲しいのです』
エレナーデはそう、ユリウスに直談判したのだと言う。
「彼女が正しい。私は人を使う側の人間なのだから、側にいる人間が有能なのは誇るべきことだろう。劣等感を抱いて己を卑下するなど愚か極まりない。正しい判断が下せる者を側に置き、私はただ彼らを信じて決断するだけでいい。これほど楽なこともない。エレナーデに教えられて、私はアルフレッドと共にいることがかなり楽になった。ただ……」
窓ガラスに触れる指に、わずかに力が込められた。
「誰もがアルフレッドに惹かれる。今回の騒動も私ではなくアルフレッドであれば、エレナーデを傷つけることなく事前に守れていただろう。そう思うと……」
「エレナの婚約者はお兄様ではなく、殿下です。その例え話には意味がありませんわ」
ユリウスの独白を遮って、マリアヴェルはそう言った。
聡明で清廉潔白、王族の鑑とされるユリウスにも苦悩があるのかと驚いたけれど、彼だって一人の人間なのだと気づく。
ユリウスがエレナーデに対して及び腰なのは、自分に自信がないからで。その原因がアルフレッドに対する劣等感だなんて、想像もしていなかった。
「エレナが惹かれたのはお兄様ではなく殿下です。エレナは殿下を情の深い方だと評していました。殿下の苦しみはわたしには想像も及びませんが、エレナが殿下に惹かれた部分を、わたしは信じてあげて欲しいです」
ユリウスの心の曇りを晴らせるのは、マリアヴェルじゃない。だから言えるのはこれだけだ。
目を瞠ったユリウスはふっ、と唇を綻ばせ、心に留めておくよ、と答えた。重い空気を振り払うように一度深く息を吐き出して、ユリウスが話題を変える。
「君にとっては迷惑極まりなかっただろうか、今回のことは利点もあったと思う。どうだろう?」
「エレナとの親交でしょうか?」
「確かにクロムウェル公爵家との親睦が深まるのは大きいだろうが、それだけじゃない。王太子という後ろ盾を得たんだ。私の期待に応えてくれた暁には君に褒美を与えなくてはと考えていた。何か望むものはあるか? アルフレッドとの仲を取り持っても構わないが……」
「どうしてお兄様が出てくるのでしょう?」
揶揄うように言われ、マリアヴェルは狼狽える。
「アレに婚約者がいないのは異常だろう? なぜ縁談を蹴っているのか問い質したことがあるのさ。可愛い義妹のおねだりだと言っていたよ。アルの好みの女性でも教えようか?」
なかなかに魅力的な提案でマリアヴェルの心はふらりと傾いたが、アルフレッドとの関係を進展させるためにユリウスの手を借りるのは、何だか違う気がする。
何か欲しいもの、と考えても特には思い浮かばず、しばらく考えていたマリアヴェルは、
「もっと、エレナに対する自信を持ってください。私が殿下に望むのはそれだけです」
「……努力しよう」
長い間があった気はしたけれど、ユリウスらしい答えだったので苦笑するに留める。
「では……そうだな。ここから先はあくまでただの世間話なのだが。君はアルフレッドのどこに惹かれる? 容姿、性格、剣術、気品、頭脳。他者がアルフレッドを讃える要素はいくらでもあるだろう。君は、どの部分に惹かれる?」
どうしてそんなことを聞くのかしら、と不思議に思ったのは束の間だった。どこと言われても咄嗟に思い付かなくて、簡単なようで難問だと気づいたからだ。
七歳で侯爵家に引き取られたマリアヴェルにとって、男の子は世界でアルフレッドただ一人。小さい頃からずっとアルフレッドしか目に入らなかったから、どこに惹かれたかを問われても、言葉にするのは難しい。
「……全部、でしょうか?」
正しいのか自分でもわからないまま、マリアヴェルが口にしたのはそれだった。
「全部、か」
ユリウスの瞳が翳りを帯びた。
「その答えでは、おそらくアルフレッドは君の想いには応えないだろう。賭けは、君が負けることになる」
アルフレッドが応えてくれないのは、マリアヴェルの想いが家族愛以上のものだとは信じていないから。あるいは、アルフレッド自身がマリアヴェルを妹以上には想えないから。そう推察していたのだけれど、ユリウスの言い方だと要因は別にあるみたいだ。
真摯な声音に、マリアヴェルは真剣に耳を傾けた。
「私は子供の頃、アルフレッドが苦手だった。アルフレッドは昔からそつがなく、何をさせても完璧だったが……完璧であるが故に、私は彼が恐ろしかったんだ。この世に天然で非の打ち所のない人間など居はしない。誰もが一つくらいは欠点を抱えているものだ」
実際、アルフレッドの欠点を挙げろと言われると難しい。
性格も容姿も、貴族としての立ち振る舞いも。すべてが満点で、それは社交界の誰もが口を揃える共通認識。アルフレッドのことを完璧な貴公子と皆が褒め称えているのだから。
でも、それとマリアヴェルの想いに応えてくれないことに、どんな因果関係があるというのだろう。
ユリウスは直接的な答えはくれなかった。
「マリアヴェル。君は賢い。いずれアルフレッドの真意に気づく時が来るだろう。その時、君がアルフレッドと向き合えることを願っているよ」
哀しげな響きを含ませてそう締め括ったユリウスは、マリアヴェルに退室を促すのだった。
5
お気に入りに追加
878
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。
下げ渡された婚約者
相生紗季
ファンタジー
マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。
しかしある日、第一王子である兄が言った。
「ルイーザとの婚約を破棄する」
愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。
「あのルイーザが受け入れたのか?」
「代わりの婿を用意するならという条件付きで」
「代わり?」
「お前だ、アルフレッド!」
おさがりの婚約者なんて聞いてない!
しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。
アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。
「あいつは、僕たちのことなんかどうでもいいんだ」
「ふたりで見返そう――あいつから王位を奪うんだ」

婚約破棄、しません
みるくコーヒー
恋愛
公爵令嬢であるユシュニス・キッドソンは夜会で婚約破棄を言い渡される。しかし、彼らの糾弾に言い返して去り際に「婚約破棄、しませんから」と言った。
特に婚約者に執着があるわけでもない彼女が婚約破棄をしない理由はただ一つ。
『彼らを改心させる』という役目を遂げること。
第一王子と自身の兄である公爵家長男、商家の人間である次期侯爵、天才魔導士を改心させることは出来るのか!?
本当にざまぁな感じのやつを書きたかったんです。
※こちらは小説家になろうでも投稿している作品です。アルファポリスへの投稿は初となります。
※宜しければ、今後の励みになりますので感想やアドバイスなど頂けたら幸いです。
※使い方がいまいち分からずネタバレを含む感想をそのまま承認していたりするので感想から読んだりする場合はご注意ください。ヘボ作者で申し訳ないです。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる